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上映中おすすめ新作映画『憐れみの3章』(2024/ヨルゴス・ランティモス監督)感想‣全体を通じて「支配と非支配」というテーマを描写する摩訶不思議な三部作

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『憐れみの3章』のあらすじと概要

「女王陛下のお気に入り」「哀れなるものたち」に続いてヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがタッグを組み、愛と支配をめぐる3つの物語で構成したアンソロジー。謎の大富豪の指示に絶対服従するという奇妙な仕事に就き、選択肢を奪われながらも自分の人生を取り戻そうと奮闘する男、海難事故から生還したものの「別人ではないか」と疑うようになってしまった妻に恐怖心を抱く警察官、卓越したカルト教団の教祖になることが定められた特別な人物を必死で全米中を探し回る女が繰り広げる3つの奇想天外な物語が、不穏さを漂わせながらもユーモラスに描き出されます。

3つの物語の中で同じキャストがそれぞれ異なる役柄を演じています。

「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」でもランティモス監督と組んだエフティミス・フィリップが共同脚本を担当。2024年・第77回カンヌ国際映画祭でプレモンスが男優賞を受賞しています。

2024年製作/165分/アメリカ・イギリス合作
原題:Kinds of Kindness

『憐れみの3章』のスタッフとキャストについて

ヨルゴス・ランティモス監督・脚本・製作:ギリシャ・アテネ出身。英国王室の愛憎劇を描いた「女王陛下のお気に入り」(18)はアカデミー賞9部門にノミネートされています。

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エマ・ストーンミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」(16)で女優志望の主人公を演じ、ベネチア国際映画祭の最優秀女優賞や、アカデミー主演女優賞など数多くの賞を受賞しています。演技派女優として大活躍中。

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ジェシー・プレモンス

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ウィレム・デフォー

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マーガレット・クアリー:日本の人気漫画をNetflixが実写映画化した「Death Note デスノート」(17)でミア・サットン役で出演し注目を集めています。「ナイスガイズ!」(16)、「クローズド・ガーデン」(17)、クエンティン・タランティーノ監督作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(19)などに出演している。身長は公称173㌢といわれていますが、本作では180㌢位に伸びている感じです。

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『憐れみの3章』のネタバレ感想・見どころ

面喰う内容、それぞれ独立した三作品。同じ登場人物が登場してくるので少しは関連性があるのかと思ったら全く関係はありません。突拍子もないあり得ない人間が次々に登場してくる為、物語を頭が受け入れ、理解するまでは相当の時間が掛かるし、また、3つの話が独立しているので混迷は深まるばかりでした。しかしながら、映画の重厚感、セリフのやり取り、音楽、際立つ役者の演技力(真面目に演じているのに、どこか笑えてしまう…中でもエマ・ストーン、ウィレム・デフォーはやっぱり凄い役者だと改めて関心させられました)等々見るべき点も盛りだくさんでした…

3編全ての感想を本来述べるべきかもしれませんが、一番驚いた最後のカルト教団に関わる話に絞りたいと思います。

第3章の撮影には実際の遺体安置所が使われたという話を聞きました。まさか撮影には本物の遺体が使用されたとは思われませんが、異常な場景の連続!なんと…死者を蘇らせる能力を備えた人物(カルト教団の”新教祖”)探しを真剣に続けている女性(エマ・ストーン)が主人公です。また、教団内では性的行動がタブー視されている様で、掟を犯した信者は高温サウナに閉じ込められ、大量の汗と一緒に”汚れ”を浄化させられていました。見事に浄化した人物もいますが、その穢れの判定方法も超”原始的”でした(これは見てのお楽しみ) 大笑いしそうになりましたが(本編では数少ない間違えなく笑えるシーン)、周囲で笑っている観客は無し。当たり前ながら、エマはサウナでは浄化されませんでした。(エマは別居中の夫と関係を持ったことを何故か知られてしまいます…教団は全知全能)結局教団から追放されていました。

しかしながら、偶然に彼女は超能力を備えた教祖候補を本当に発見してしまいます。しかしその途端、交通事故で教祖となるべき人物は帰らぬ人になるという悲劇!

エマ・ストーンのファンは絶対この映画を観ると思います。見ようか見まいか迷っている人は是非観た方が良いでしょう…

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