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おすすめ映画|『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 (2019/クウェンティン・タランティーノ監督)

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映画 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド のあらすじと概要

本編はタランティーノ監督の作品であり、彼は作品10本を仕上げたらもう監督を引退すると表明しています。本編は9作目となります。果たして次の一作が本当に最後の作品になってしまうのでしょうか? さて、本編は賛否両論はあるもののタランティーノ監督作品の”最高傑作”と言われている仕上がりで、今回の92回アカデミー賞では助演男優賞(ブラッド・ピット)、美術賞の2冠を手に入れました。しかしながら、待望のオスカー監督賞受賞はならず残念です。今回は相手(「パラサイト」)が悪かった!

あらすじは、1969年の(タランティーノ監督はわずか6歳の時、故郷のテネシーからロサンジェルスに移り住んでだ)ハリウッドが舞台となっています。俳優のリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、テレビから映画へのキャリアチェンジがうまくいかずに焦っており、情緒もかなり不安定になっています。(但し、監督自身がインタビューで語るところでは「彼は気づいていないけど、彼は自分で思っているほど落ちぶれていないし、なかなかうまくやっている。でも自分で作った不安に真面目に取り組み過ぎている」らしいです。)一方、彼のスタントマン兼付き人のクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は、映画の中では変わらぬ忠誠心をリックに貫き遠し続けており、いつまでも2人は固い友情で結ばれています。付き人というよりは親しい、何でも相談出来る友人の役割をはたしています。リックは隣に越してきた、若きロマン・ポランスキー監督と妻のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)に刺激を受けながら、余り気は乗らないもののイタリアで数本のマカロニ・ウェスタン作品に出演し、イタリア国内では大ヒット作を連発することになります。半年後、帰国したリックが自宅で過ごしていると、ヒッピー風の若者たちが運転する車が私有エリアに入り込み、リックとの間でトラブルに巻き込まれることになり、予期せぬ凄惨な事件へと発展することになります。

映画 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ネタバレ感想

ストーリーとテーマについて

舞台は1960年代後半のハリウッド。映画の聖地ハリウッドでは従来のスタジオシステムによる映画産業が衰退の危機を迎え、アメリカン・ニューシネマ(『イージー・ライダー』『俺たちに明日はない』等々に代表される)が生まれた時代、一方でベトナム戦争の泥沼化、公民権改革が騒がれ、ヒッピーが人生を謳歌した時代でした。この映画を見乍ら、日本の『蒲田行進曲』や『三丁目の夕日』的な感覚を覚える方も多いのではないかと思います。劇中、映画を撮影するシーンが何度も出てきてますが、どの撮影シーンも素晴らしい迫真の演技で、レオナルド・ディカプリオの演技力の素晴らしさに改めて感動するのは私だけではないとではなかろうかと感動しました。役者として物凄い演技力、また、映画作りの現場の緊迫感を肌で感じる事ができます。想像ではありますが、タランティーノ監督は邦画『蒲田行進曲』をかなり気に入っていていると思いました。過去の素晴らしい映画作りを同じように懐かしんでいる印象を受けます。本作品は自分の思い出の中の輝くハリウッドを再現したいという強い思い入れを込めた作品と言えるのではないでしょうか!

タランティーノ監督は大変な映画オタクであると知られています。16歳で高校を中退して、ビデオレンタル店でバイトをしながら、浴びる様に映画を見まくっていました。また、同時に劇団で演技、脚本の勉強をしています。その作品のひとつがハービィー・カイエルの目に留まったのが切っ掛けで、監督第一作目となる『レザボア・ドッグス』(1992)でデビューを果たしています。翌93年には第4回ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画際に参加(初来日)していたという記事が今年2月号『スクリーン』誌に掲載されています。この記事の中でわたしが感動したのは、タランティーノ監督が会場へ向かう送迎バスの中で突然50年以上前の日本の人気アニメ「スーパージェッタ―」の主題歌”マッハGOGO, マッハGOGO, マッハGO-GO=GOO♪”という歌を口ずさんでいた内容です。このフレーズは忘れもしないものです。この曲をいまどき(当時1993年でも)歌う外国人がいるなんて本当にびっくり仰天させられました。

監督デビュー作『レザボア・ドッグス』(正直言うとわたしはまだ見ていません)にはタランティーノ監督のその後の映画のすべてが凝縮されている一作との事です。二作目が『パルプ・フィクション』、『キル・ビル』更にはブラピ主演『イングロリアス・バスターズ』、レオ主演『ジャンゴ 繋がれざる者』の二作は本編『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』への布石となっており、過去の8作品すべての集大成という位置付けられているとのことです。

演出や脚本について

本作品のストーリーではシャロン・テート事件は描かれていません。ストーリーの伏線となっているという事です。実際はどんな事件だったのかというと「高級住宅地ベル・エアのロマン・ポランスキー監督の豪邸で、彼がロンドンで撮影中に、妊娠8か月だった妻で女優のシャロンが、彼女の元婚約者で有名ヘア・デザイナーのジェイ・セブリング、コーヒー王の娘アビゲール・フォルジャー、写真家のボイチェク・フリコースキーら友人と共に何者かに殺害されているという匿名通報がロサンジェルス警察に入る。警察が邸に駆け付けると、そこにはナイフで背中と胸を刺されたシャロンとセブリングがロープで首を縛られ、天井から吊り下げられていたという。」という米国人であれば誰もが周知の衝撃的な惨劇が起こったというものです。但し、本編映画の中ではシャロンは常に明るい笑顔に溢れ、輝いているのが印象的です。(人気女優マーゴット・ロビー=「SCREEN」誌映画批評家38名が選ぶ2019年ベスト女優第一位、が上手く演じている)

マーゴット・ロビーの作品で最近見た2本の映画をご参考までに。

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キャラクター・キャストについて

レオナルド・ディカプリオブラッド・ピットという2大スターを初共演させという話題は非常に大きい。よく両雄並び立たずという言葉もありますが、タランティーノ監督の采配の力量なのかはたまた、実力派俳優ふたりの実力なのか、息の合ったコンビシーンが堪らない絵になっています。また、先日の第92回アカデミー賞の授賞式が2月9日(現地時間)行われ、本編のブラッド・ピットが、助演男優賞を初受賞したというホットなうれしい話題がありました。

なお、蛇足乍ら劇中でブラッド演じるクリフ・ブースとブルース・リーが戦うシーンがあります。その中で、ブルース・リーは「問題だらけの傲慢なクソ野郎」のように描かれています。劇中で描かれたブルース・リーは、差別がはびこる業界で人一倍努力していた実際の姿とはかけ離れた人物像として描かれています。こうした現実とのギャップから、「映画館で父を笑う声を聞くのは非常に不快でした」と不満をあらわにする、ブルース・リーの娘であるシャノン・リーの話が雑誌(同スクリーン誌)に掲載されていました。一方、これに対するタランティーノ監督の反論は「ブルース・リーは、ある意味で傲慢な男だった。彼の喋り方とか…。僕が勝手に作り出したわけじゃないし、僕は彼がそのようなことを言っているのを聞いたことがある」と言っています。私には実際の詳しい事は分からりません。ブルース・リーのファンにとっては誠に残念と言わざるを得ないところですが、問題の真相については皆さんの判断にお任せしたいと思います。

わたしの評価は93点です。

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