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おすすめ映画感想|『ザ・ファイブ・ブラッズ』(2020/スパイク・リー監督)Netflixオリジナル映画

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Sasin TipchaiによるPixabayからの画像
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『ザ・ファイブ・ブラッズ』のあらすじと概要

Quang LeによるPixabayからの画像

「ブラック・クランズマン」のスパイク・リー監督が、仲間の遺骨とジャングルに隠した金塊を探すためベトナムを再訪した4人の黒人退役軍人を主人公に撮りあげたNetflixオリジナル映画。

現在の旅の行方と戦時中の回想シーンを行き来しながら、実際の記録映像や写真を全編に散りばめ、黒人たちの視点からベトナム戦争とアメリカの闇を描き出す。

かつてベトナムでともに戦ったポール、エディ、オーティス、メルヴィンの4人の退役軍人は、部隊の隊長だった盟友ノーマンの遺骨を回収するため、数十年ぶりにベトナムにやって来る。実は彼らには、ノーマンの遺体付近に隠した大量の金塊を探すというもう1つの目的がありました。

勝手に付いてきたポールの息子デヴィッドも加わり、ジャングルの奥地へと進んで行く彼らでしでしが、戦場での過酷な恐ろしい体験がフラッシュバックしてきます。過酷なジャングルに分け入ったりすることは覚悟の上だったのですが、4人がベトナムで目の当たりした光景は想像以上のものででした。ベトナム戦争がもたらした災禍は今もなお現地の人々を苦しめていました。一方、彼ら4名の元兵士にとっても戦争の経験は精神的に消す事の出来ない傷跡を残していたことが分かります。

元々の脚本は白人のベトナム帰還兵たちが主人公であったが、スパイク・リー監督は「多くの黒人がベトナム戦争に従軍していたにも拘わらず、彼らに焦点を当てた作品がほとんどないのは何故か?」という問題意識を持っていたため、主人公を黒人のベトナム帰還兵に変更することにしたと言います。

作品中所々に『地獄の黙示録』などのオマージュが散りばめられているのが愉しみ。

『ザ・ファイブ・ブラッズ』のスタッフとキャストについて

Quang Nguyen vinhによるPixabayからの画像

スパイク・リー監督:白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に潜入捜査した黒人刑事のノンフィクション小説を映画化したブラック・クランズマン」(18)で、第71回カンヌ国際映画祭のグランプリを受賞した

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デルロイ・リンドー(ポール役):映画では、スパイク・リー監督の「マルコムX」(92)で注目を浴びて以降、「ゲット・ショーティ」(95)や「身代金」「ブロークン・アロー」(96)などでバイプレイヤーとして活躍しています。彼は本編えいがでは、初のアカデミー賞主演男優賞ノミネートが確実視されている一人だそうです。

ジャン・レノ:少し太り気味、何やら怪しい帽子を被って出演。

『ザ・ファイブ・ブラッズ』のネタバレ感想

Tri LeによるPixabayからの画像

つい最近見た『シカゴ7裁判』もベトナム戦争からみの映画で、本作品もベトナム戦争の『後始末』的な話であった。アメリカ側もベトナム側もいまだに戦争の傷跡は色濃く残され、後を引きづっている印象を深めました。 元黒人兵のみの編成によるベトナム戦争映画というのも極めて希少な映画です。可メンバーのリーダー的な役割のノーマンの遺骨収拾という話の裏には、しっかり濃くしていた巨額な金塊も持ち帰るという大きな「おまけ」が付いていたことには驚きました。この金塊絡み始めるや否や、画面は一瞬にしてベトナム戦争当時の情景に一変し壮絶な戦闘シーンに切り替わってしまうから恐ろしい。更に、ジャン・レノが怪しげで胡散臭い金塊買取のエージェントとして登場してきます。彼の登場も突拍子も無く、理由が正直まったく良く理解出来ませんでしたが…

フランス人資産家の娘がベトナムで地雷処理をするNPO組織の一員として活躍している姿もイマイチ説得力がありません。

元兵士がおよそ半世紀後の戦場に舞い戻るというストーリーです。彼ら5人は武装をしているわけではありませんが、まるで戦場そのものを歩いている様な錯覚にとらわれます。作品内ではベトナム人の男が「自分の父母はアメリカ兵に殺された」と訴え掛けるシーンがあり非常の印象的でした。戦後直後の日本では、アメリカ人に対してあの様に食って掛かる日本人が果たしてどの位いたのだろうかと想像してしまいました。当時は心ではそう思っても顔にはそういう思いを出さなかったのではないでしょうか?

今なおベトナム、アメリカの両国民に癒し難い深い心の傷跡を残すベトナム戦争の闇に迫る見応えのある映画でした。

最後に

今年11月17日、スパイク・リー監督は、次期プロジェクトが米製薬会社ファイザーの勃起不全治療剤「バイアグラ」の誕生物語を題材としたミュージカル映画になることを発表しました。

スパイク・リー監督は、デヴィッド・カシュナーが当初エスクァイア誌に寄稿した2018年の記事「All Rise: The Untold Story of the Guys Who Launched Viagra(全員起立:バイアグラを世に送り出した男たちの語られざる物語)」を題材とした映画のメガホンを取るようです。脚本は、クワメ・ケイ・アルマーとリー監督の共同執筆となります。

本作品『ザ・ファイブ・ブラッズ』とは趣がかなり異なりそうですが、少し期待が持てます。しかも、ミュージカル映画となるようです!!!

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