映画『フィールド・オブ・ドリームス』のあらすじ・概要
監督第2作目のF・A・ロビンソンが、6年の歳月をかけて製作にこぎつけた秀作。野球を題材に、60年代をキーワードとして夢や希望、家族の絆といった、アメリカで讃えられる美徳を描き上げた大人向けのファンタジー映画となっています。
レイ役のケビン・コスナーにとっては「さよならゲーム」に続く野球作品への出演。アイオワ州の片田舎で、広大なトウモロコシ農場を営むレイは、ささやかながら家族と共に幸せな日々を送っていました。ある春の日の夕暮れ、彼の人生を一変させるある“声”を聞きます。「畑をつぶして野球場を作れば、彼が帰ってくる……」、その意味するところは、八百長疑惑でメジャーリーグを去ったホワイトソックスの名選手であるジョー・ジャクソンが時を超えて現れるものと信じ、トウモロコシ畑を潰して野球場を作り上げます。とても順調とは言えない農場の経営状態ながら、取り憑かれたようにトウモロコシ畑の大部分を潰して野球場を作るレイでしたが…オスカー俳優バート・ランカスターが、実在の大リーガー役を演じています。
1990年製作/107分/アメリカ
原題:Field of dreams
蛇足乍ら、日本では当初、『とうもろこし畑のキャッチボール』という余りセンスの無い邦題で公開される予定だったそうですが、公開前に、現在の原題を基にした題に変更されたと知り非常に驚きました。
映画『フィールド・オブ・ドリームス』のスタッフとキャストについて
F・A・ロビンソン監督・脚本:
ケビン・コスナ―(レイ・キンセラ):製作・主演を兼ねた初監督作「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(90)では、アカデミー賞で作品賞・監督賞を含む7部門受賞の快挙を成し遂げた/本作品ではあたかも神の啓示を受けた様に何者かの声が、次々に聞こえてくるという体験をします。彼はその言葉を信じ、取り憑かれたように行動を移して行きます。
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エイミー・マディガン(アニー・キンセラ):レイの奥さんで非常に快活な性格、レイと同じように野球場に選手たちの姿を見る事が出来る。
ジェームズ・アール・ジョーンズ(テレンス・マン):スタンリー・キューブリック監督の「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(64)で映画に初出演。
レイ・リオッタ(”シューレス”・ジョー・ジャクソン):マーティン・スコセッシ監督作「グッドフェローズ」(90)で主人公を演じた。
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映画『フィールド・オブ・ドリームス』のネタバレ感想
”神”の啓示を受けたノアの方舟作りに通じるような話なので、欧米人には何となくしっくりと実感出来るストーリー展開なのかも知れません。感心させられたのは脚本の素晴らしさでした。生活費を稼ぐ源になるとうもろこし畑を潰して、広大な野球場を築いてしまいます。しばらくすると突然野球選手の姿が現れます。やがて、仲間の野球選手も増え、夜間だけではなく昼間の明るい時間帯も野球場に現れて野球を楽しんでいます。しかし、この選手たちはレイたち家族以外の他人は誰も見る事が出来ません。
野球選手たちはとうもろこし畑から忽然と姿を現し、また、とうもろこし畑に姿を消して行きます。
更に、ストーリーは小説家テレンス・マン、大リーグ選手にも関わらず一度も打席に立たずに終わったアーチボルト・”ムーンライト”・グラハムなどの話に展開して行きます。更に驚くべき事はレイの亡父との永年の確執も解決して物語が終わるシーンはお見事しか言いようがありません。
この映画を見てから、とうもろこし畑に限らず、沖縄のサトウキビ畑、中国四川省の非常に背の高い(優に人の背を越えます)菜の花畑などを見るたびに、誰かが現れるのではないかという仄かな期待で、じっと目を凝らしてしまった経験を幾度か持った事があるのは、わたしだけではないでしょう…
それと、映画に出てきたこの野球場はずっと保存されており、昨年2021年8月12日に、ホワイトソックス対ヤンキース戦の開催がついに実現。開会式にはケビン・コスナーが登場し、両軍選手も右翼のトウモロコシ畑の中から登場したことを知りびっくり仰天しました!!! アメリカ人もこういうのが大好きなんだと思いました。
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