『エントラップメント』のあらすじと概要
老練な美術泥棒と美貌の保険会社調査員の駆け引きを描くサスペンス・ロマン。
ニューヨークの高層ビルからレンブラントの名画が盗まれてしまいます。美貌の保険調査員ジン(キャサリン・ゼータ=ジョーンズ)は犯人は美術品専門の怪盗マック(ショーン・コネリー)と目星をつけ、上司クルーズ(ウィル・パットン)に中国の黄金のマスクを盗み出す事を餌にマックを罠にかけることを提案します。彼女は自らマックに接近し、彼の相棒となり、犯行の確証をつかもうとします。
老練で慎重そのもののマックは最初はジンを信用しなかったものの、ニューヨーク、ロンドン、クアラルンプールなどでパートナーとしての信頼を得ます。そして、防犯装置を切り抜ける為の訓練が続きますが、その過程でマックはジンが保険会社の調査員であることを知ります。尋問しますが、彼女はセキュリティコードを盗むための方策だと抗弁。なんとか嫌疑を晴らしたジンはニューヨークの銀行から2000年1月1日にコンピュータの誤作動を起こさせて80億ドルもの巨額を強奪する計画を持ちかけます。
マックの相棒のティボドー(ヴィング・レイムス)はジンの正体を疑って彼に忠告しますが、計画は進められます。かくしてふたりは互いの腹のうちを探りつつ、前代未聞の巨額を盗み出す為の作戦を実行します…映画公開が1999年であったこともあり、2000年問題による機械の誤作動騒動を作品のクライマックスに盛り込むなどの演出効果も見ものとなっています。
1999年製作/113分/アメリカ
原題:Entrapment
『エントラップメント』のスタッフとキャストについて
ジョン・アミエル監督:英・ロンドン出身。数本のテレビドラマを監督した後、1989年、『ラッキー・カフェ』で映画監督デビュー
ショーン・コネリー(ロバート・”マック”・マクドゥガル):美術専門泥棒。プロだけあり唐突な状況にも対応ができる熟練者。泥棒の近代的な七つ道具を駆使して、あらゆる侵入口から出入りする特殊な技を持つ。犯罪者だが裸で寝ているジンを見ても下品な考えを持たないウルトラ紳士。
1930年生まれなので撮影時は69歳前後ながら、若々しい軽快な演技…007には及ばないもののまだまだ男の魅力あり。
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キャサリン・ゼータ=ジョーンズ(ヴァージニア・”ジン”・ベイカー):保険会社調査員。捜査のためにマックに近づく。銀行や機械に関する知識などでマックをサポートする。軽快な動きの身体能力を活かし、赤外線センサーを掻い潜る美技を披露しています…思い通りにならないと物に当たる短気な面もある。どういう訳かいつも寝るときは裸!
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ビング・レイムス(アーロン・ティボドー):クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」(94)で脚光を浴び、トム・クルーズ主演の「ミッション・インポッシブル」(96)では天才ハッカーのルーサー役を演じています。
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『エントラップメント』のネタバレ感想・見どころ
サスペンスあり、ロマンスあり、結構ハラハラドキドキさせられた所もあり十分楽しめるエンターテインメント映画でした。最大の魅力はショーン・コネリーよりもやはりキャサリン・ゼータ=ジョーンズの猛烈なお色気ではないかと思います。保険会社の調査員には絶対にいないタイプの女性だと思います。それに彼女は寝る時はいつも”裸”、この無防備さには驚きました…
ジンが保険会社の調査員である正体がバレそうになったり、はたまた保険調査員の筈がアメリカの銀行の口座から80億㌦もの金を盗み出そうと計画したりと、彼女が一体何者なのか最後まで判らないままストーリーが展開します。敵なのか味方なのかは映画の幕が閉じるまでまったく分かりません…
クアラルンプールの当時世界一高いビル間を渡る絶対絶命のシーンは見応え十分でした。勿論CGが駆使されているのでしょうが(スタントマンでもあんな高所での綱渡りはあり得ないと思いつつ…)、それでも映画の展開を見守る方が手に汗握るシーンは本当に圧巻でした。『ミッション・インポッシブル』などで超過激なシーン(本人が演じている)も多く見慣れていますが、それでもやはり本作のアクションには感動しました。
だれもが予想だにしなかったラストシーンは本当に全ての視聴者(初見の観客)は騙されていた事に気付くのですが、この展開は想像も出来ませんでした。
個人的には超イカした映画であると思っていました。ところが、ロッテントマトによれば、批評家の一致した見解は”この映画の主役たちの間に生まれるはずのケミストリーは、お粗末なプロットによってすっかり抑え込まれてしまっている”というちょっと厳しい評価がなされていました。(難しいもんです)
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