>

おすすめの映画『アイリス』(2001/リチャード・エア監督・脚本)感想‣イギリスの女性作家アイリス・マードックの伝記映画

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
スポンサーリンク

『アイリス』のあらすじと概要

アカデミー賞助演男優賞をジム・ブロードベントが受賞、女優賞2賞にノミネート(主演ジュディ・デンチ、助演ケイト・ウィンスレット)されたドラマ。20世紀英国を代表する女流作家アイリス・マードック。自由な感性をもつ彼女の若き日と晩年の生きざまを、文学者の夫ジョン・ベイリーとの愛を軸に描く伝記ドラマ。

オックスフォード大学で講師をしていた物静かなジョンは、奔放で才能あふれる年上のアイリスに一目ぼれしてしまいます。純粋なジョンにアイリスも惹かれてゆきます。やがて二人は結婚し、アイリスはイギリスを代表する作家になりますが、40年後、アルツハイマーに冒されてしまいます。アイリスに振り回され続けて来たジョンは複雑な想いを抱きながらも献身的にアイリスを介護します。しかし、ジョン1人での介護は限界に達し、アイリスは施設に入ることになります。そしてアイリスはジョンに見守られながら安らかな死を迎えます…

2001年製作/91分/イギリス
原題:Iris

『アイリス』のスタッフとキャストについて

リチャード・エア監督・脚本:イギリスの舞台演出家・映画監督。1967年から1972年までエディンバラのw:Royal Lyceum Theatreでアソシエイト・ディレクター、1973年から78年までw:Nottingham Playhouseのディレクター、1987年から97年までロンドンのナショナル・ロイヤル・シアターのディレクターを務めていました。本作以外に、ブッカー賞候補小説の映画化『あるスキャンダルの覚え書き』を監督するなど、幅広く活躍しています。

映画『あるスキャンダルの覚え書き』(2006/リチャード・エア監督)感想‣ジュディ・デンチxケイト・ブランシェット二大女優の競演が見もの!

ジュディ・デンチ(アイリス・マードック):
イングランドのヨークシャー州ヨーク生まれ。クエーカーとして育てられた/哲学者・小説家アイリスの晩年を演じる。

公開中 おすすめ新作映画『ベルファスト』(2021/ケネス・ブラナー監督・脚本)

ケイト・ウィンスレット(若き日のアイリス):7度のアカデミー賞ノミネート経験を持つ実力派女優として知られ、第81回アカデミー賞では『愛を読むひと』で主演女優賞を受賞した/アイリスの若い頃を演じています。自由奔放、恋多き女役。

映画|『愛を読むひと』(感想)一つの純愛ラブストーリーと戦後ドイツの衝撃の一面を描く

ジム・ブロードベント(6才年下のアイリスの夫):リンカンシャー州リンカン出身。本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。

おすすめ映画感想|『ムーラン・ルージュ』(2001/バズ・ラーマン監督)魅惑のニコール・キッドマンの歌と踊り

『アイリス』のネタバレ感想・見どころ

ケイト・ウィンスレット出演作ということで本作を鑑賞しました。主人公は20世紀英国を代表する女流作家アイリス・マードックですが、若い頃のアイリスをケイトが、年老いたところをジュディ・デンチが見事に演じています。それぞれの時代のシーンが錯綜し合います。どちらかというと認知症発症後の暗晩年のシーンに、突如フラッシュバックの様な形で、新鮮な映像が何度も挿入されていきます。川で泳ぐシーンは惜しげも無いケイトの一糸纏わぬ大胆な(豊満な)裸体が披露されていてドキリとしました…

老境に入り、認知症を患い記憶が薄れて行きます。また、老夫婦二人で質素に暮らす家庭内は乱雑に散らかった書籍・書類、雑多なゴミが散乱するという状態に陥っている様子がリアルに描写されていました。現在と過去の対比の余りの差に愕然とさせられます。若さ、才能、自由奔放な性格、生涯26冊もの作品を世に送り出したと紹介されています。一方、献身的で余りにも誠実な年下の夫は何となく不釣り合いの様な気もしました。しかしながら、アイリスに生涯添い遂げた姿には深い感動さら覚えました。

老境は人々にとって避けて通れない”道”(いつか来る道)であることに間違いありません。こうなってしまうのかなあ…と自分事として考えてみるとちょっと寂しい映画の内容です。また、小説家として頭をフル稼働していても認知症は容赦無く襲い掛かると思うととても不安になります。

アイリス・マードック(1919-99)
アイルランド生まれのイギリスを代表する女性作家。1978年、『海よ、海』でブッカー賞を受賞。人間の愛の本質を問いつづけた作家であり、イギリスでもっとも魅力的な女性と言われた。

ちょっと興味が湧いたので遅ればせながら、著作を読んでみたいと思いました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました