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暴力の連鎖の悲劇を描いた社会派サスペンス映画、シドニー・ポラック監督遺作『ザ・インタープリター』(感想)ニコール・キッドマンの存在感が眩しい!

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『ザ・インタープリター』のあらすじ・概要

アフリカのマトボ共和国出身のシルビヴィアは、現地のクー語の通訳として国連本部で働いています。ある日、彼女は謎の人物たちによるマトボの大統領暗殺計画に関する会話を偶然聞いてしまいます。それ以来、危険がつきまとう彼女の身を守るため、敏腕シークレットサービスが送り込まれます。そのうちの一人、ケラーはシルビアの言動に疑惑を持ちはじめますが、、、暴力の連鎖の悲劇を描いたスリリングなポリティカル・サスペンス映画。なお、国連は長年、内部での映画などのロケの許可を与えてこなかったのですが、本作品では特別に許可が出されたとの事。

また、マトボ共和国とはアフリカの架空の国の名前です。

2005年製作/118分/アメリカ
原題:The Interpreter(通訳)

『ザ・インタープリター』のスタッフとキャストについて

シドニー・ポラック監督「トッツィー」(82)など70年代から80年代にかけて話題作を連発。アカデミー賞7部門に輝いた「愛と哀しみの果て」(85)では、初の監督賞を受賞しています。一方、「アイズ・ワイド・シャット」(99)などに自ら出演しています。本作品はポラック監督の”監督”としての遺作になっています。

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ニコール・キッドマン(シルヴィア・ブルーム):アフリカのマトボ共和国出身のシルビアは、現地のクー語の通訳として国連本部で働いています。幼い頃両親を内戦の影響で地雷の爆発で失うという悲劇に見舞われています。ただ一人の兄が同じく故国マトボで凶弾に倒れています/本作品の中では存在感がひと際光っていました。ショーン・ペンとのコンビも中々見ものでした。

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ショーン・ペン(トビン・ケラー):シルヴィアを警護する敏腕シークレットサービス。数日前に自分自身の愛妻をサンタモニカで交通事故で失っているという設定。24時間体制でシルヴィアを見守っている/カリフォルニア州サンタモニカ出身。一時期、歌手のマドンナと結婚していました。ペンはロシアによるウクライナ侵攻のドキュメンタリー映画の制作準備のため、2022年2月にウクライナの首都キーウを訪問(昨年11月以来2度目)、ゼレンスキー大統領とも面談したというニュースが伝わっています。

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『ザ・インタープリター』のネタバレ感想

ニコール・キッドマンとショーン・ペンの存在感が際立つ映画でした。政情不安で国内で壮絶な残虐行為を繰り返しているアフリカの大統領が国連で演説を行う事が計画されていました。その時を狙い、大統領暗殺計画がある事を偶然に「小耳に挟む」という程度の情報に基づき、この国連通訳の女性にシークレットサービスが何名も配置されることから始まるストーリーです。

冒頭の衝撃的な銃撃シーンにはぞっとさせられました。しかし、画面が変わった以降は目を覆いたくなる様な凄惨なシーンは続かずひと安心できました。それにしても幼い子供がマシンガンをぶっ放すシーンは勘弁して欲しいものです。また、このシーンは後々主人公シルヴィアの身内に起こった事件としての関連性が明らかになって行きます。

シルヴィアとシークレットサービスであるケラーとの関係は一目瞭然です。しかしその他、マトボ共和国ズワーニ大統領の側近/シークレットサービスらと大統領の命を狙う暗殺団の面々の区別がつきにくく(黒人の強面の人物ばかり)更に輪を掛けた様にアメリカ・国連側、FBI他も複雑に入り組み、正直頭の中で大混乱してしまいました。

バスが爆弾テロにより爆破され、多数の犠牲者を出します。このテロ行為は本来誰を目標として狙ったのかまったく分かりませんでした。

しかし、頭の中のもやもやも吹っ飛ぶような最後のシーン!大統領暗殺計画はどうやら人気取りの為の”茶番”だった事が明かされます。ところが、突然、今度はシリヴィアは何とズワーニ大統領(シルヴィアの両親や兄を殺害したボス・張本人)にピストルを頭に付きつけ、引き金を引く寸前までのシーンに切り替わります。その一触即発の状況下、シークレットサービスのケラーが登場、彼の必死の説得が始まります。ズワーニ大統領はカエルの様な憐みの表情を浮かべ呆然自失のまま、無抵抗でした。「親兄弟の仇を取ったところで、自分の人生も終わってしまうぞ」と説得されてピストルを収めることになります。このシーンで『目には目を』の復讐劇では紛争は永遠に解決されないという事を訴えたかったのだろうと思います。

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