『リバティーン』のネタバレ感想・見どころ
破天荒な放蕩天才詩人・劇作家ロチェスター伯爵、ラストに彼は皆さんは彼を好きになりますかと自ら問い掛けてきます。誰が一体こんな人物を好きになる事が出来るでしょうか?国王の目前で国王に恥をかかせ、彼想いの優しい妻がいながら愛人や娼婦ところに通い詰めています。また、毎日の様に酒を飲み続けシラフでいる時が無いという男の短い一生が描かれます。
ジョニー・デップが脚本三行を読んで即座に惚れこみ、出演に合意したという作品だそうです。破天荒、常識外れ、放蕩三昧、自己中、酒浸りで、最後には梅毒で短い人生を終える男役のどこに魅力を感じたのでしょうか? 自分と全く違うというよりは、自分も有る部分共感する部分、理性を度外視してこんな人生を送れたらなと思う部分があったのかもしれません・・・
国王チャールズ2世に大恥をかかせましたが、その行為を取り繕う様にラストでは衰弱した体を引きづりながら議会での長広舌に打って出ます。この部分は真実なのか、単なる作り話なのか良く分かりませんが、余りに現実離れした逸話で俄かに信じ難い部分ではあります。
更に、全霊を傾けて役者としての”指導”をした女優(愛人でもあった)リジーからは最後の最後にあなたはもう必要無いと冷たく見放されてしまいます。しかし、ほとんど寄りつかなかった献身的な妻に最期をしっかり看取られるという”幸運”を得ています。これも少々美化され過ぎの様な気がしています。もっと徹底的に悲惨でどん底な最期ならば少しは同情する気になりますが…
ジョニー・デップのなり切り演技の大熱演など見るべきものはあるのですが、どうしてもロチェスター伯爵そのものが余り好きになれない人物の為、ちょっと残念な気がしました。
『リバティーン』のあらすじと概要
17世紀英国で国王チャールズ2世に寵愛された実在の放蕩詩人ロチェスター伯爵の半生、酒と女遊びにおぼれ、挑発的で奔放な人生を送った末に33歳でこの世を去った天才詩人のジョン・ウィルモットの半生を映画化。本作の舞台版に主演したジョン・マルコビッチが映画化を企画、ジョニー・デップを主演に自身は国王役に回って製作も担当しています。ロチェスターがこの世で唯一愛した女性で演技指導する女優役で「マイノリティ・リポート」のサマンサ・モートン、ロチェスターの妻役で「プライドと偏見」のロザムンド・パイクが共演。英国人監督ローレンス・ダンモアはCMを経て本作で映画デビューしています。
2005年製作/110分/イギリス
原題:The Libertine (「放蕩者」の意味)
『リバティーン』のスタッフとキャストについて
ローレンス・ダンモア監督:
ジョニー・デップ(放蕩詩人ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモット):ジョニーが「後にも先にも生涯一度しかめぐり会わない作品」と言い、脚本を読んで出演を即決したと言われている作品です。
➢おすすめ映画感想|『ツーリスト』(2011/フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップの初共演作!
サマンサ・モートン(女優リジー・パリー):1999年公開のウッディ・アレン監督作品『ギター弾きの恋』で、一言も話さないヒロインを演じて、アカデミー助演女優賞にノミネートされています/大根役者と観客に詰られている姿を見たジョンは彼女の奥深くに才能の原石が眠るのを感じ、彼女の才能を開花させる事に熱意を燃やすようになります。ロチェスターの娘を身ごもり出産するが、大女優に成長した後はきっぱりと彼との縁を切る決断をしています。
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ジョン・マルコビッチ(国王チャールズ2世):舞台では彼が主人公役だったようです。本作では国王役と製作で関わっています。
➢映画『マルコビッチの穴』(1999/スパイク・ジョーンズ監督)感想‣こんな世界が本当にあったらどうしよう!
ロザムンド・パイク(ロチェスターの妻エリザベス・マレット):2002年、ピアース・ブロスナン主演の『007/ダイ・アナザー・デイ』に、ハル・ベリーと共にボンドガールに選ばれ出演しています/ジョンが誘拐までして漸く結婚に漕ぎ着けた妻でありながら、結婚後は家庭を顧みない放蕩生活を続けている。最後に梅毒になり衰弱しながらも酒に溺れる路ロチェスターを見捨てず、献身的に面倒を見ている、
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