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おすすめ映画『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』(2013/スティーブン・ナイト監督)感想‣こんな映画見たことがない!たった一人の出演者、しかも高速道路を走る車内のシーンのみ!?

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『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』のあらすじと概要

スクリーンに映る登場人物は、全編を通してハイウェイを走行する車のドライバーだけという大胆なスタイルで描かれた異色ドラマ。移動中に次々と掛かってくる電話での会話を通して、ある目的のために人生を棒に振ろうとしている主人公の運命をサスペンスフルに描いています。主人公はプライベートでは妻と2人の子どもにも恵まれ、仕事でも建築現場監督として高く評価され、順風満帆な人生を送っているアイヴァン・ロック(トム・ハーディ)。大規模なプロジェクトの着工を翌朝に控えた夜、彼は愛する家族と自宅でサッカー観戦の予定でした。しかし、高速道路に乗り、目的地へ向かおうとしていたアイヴァンに1本の電話がかかってきたことから、全てが狂い始めていきます。

2013年製作/86分/イギリス・アメリカ合作
原題:Locke

『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』のスタッフとキャストについて

スティーブン・ナイト監督・脚本

製作総指揮・脚本を担当した映画作品➢新作映画『スペンサー ダイアナの決意』(2021/パブロ・ラライン監督)感想‣王妃の座を捨て、女性として、母として、一人の女性として生きる道を選ぶ決断をした運命の3日間…

監督・脚本作品➢カリブ海で漁師として暮す男が、元妻からとんでもない事を頼まれるサスペンススリラー『セレ二ティー:平穏の海』(感想)驚愕の真実に唖然!

トム・ハーディ(アイヴァン・ロック):クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」(10)で国際的に脚光を浴び、11年には英国アカデミー賞のライジング・スター賞を受賞しています。「裏切りのサーカス」「ウォーリアー」(ともに11)を経て、ノーラン監督の「ダークナイト ライジング」(12)で悪役ベインに起用され、メル・ギブソンの代表作「マッドマックス」シリーズをリブートした「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15)では主演を務めています/本編でのアイヴァン役では生真面目で仕事に関しては実績・信頼共にある工事現場監督役。家庭では二人の子供にも恵まれ、父親としてごく普通に過ごしていた様子が分かります。

オリビア・コーㇽマン(ベッサン・電話の声のみ):42才、独身。アイヴァンのサポート役だったが、一夜の過ちで妊娠し、出産を決意する。

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『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』のネタバレ感想・見どころ

本作を観て頂ければわかる通り、声のみの出演者を別にすれば、スクリーンで見る事が出来る人物はトム・ハーディーのみという驚くべき映画に意表を衝かれました。しかも舞台は高速道路を運転中の車の中、ひっきりなしに外部との連絡を取り合う緊張感が漲る86分間でした。

トム・ハーディー扮するアイヴァンは普段は非常に責任感の強い頼り甲斐のある腕利きの現場監督でした。一方、家庭では二児の父親であり家族全員でサッカーの応援をしているごく普通の”パパ”でした。

しかし、彼の責任感の強さは他の一面にも発揮されていました。彼の一大決心は一夜の”不倫”で身ごもった子供の出産には命懸けで立ち会おうというモノ。アイヴァンは車の中で父親の幻影に話しかけるシーンが何度もあります。会話の内容からは父親から受けた忘れ難い”父子関係”の仕打ちに無性に腹が立ち、憶測乍ら”父親の様な親には絶対になりたくない・・・”という気持ちがあったのかもしれません。

彼の”一大決心”は失業、離婚というリスクを孕んでいました…自分の生まれて来る子供の為に出産に立ち会う事(しかも自分の妻ではなく、一夜のみ一緒に過ごした、大して愛してもいない女性の出産)で自分の父親とは違う人間であることを証明したかったのだと思います…

これは周囲の人間から見たらあらゆる価値尺度も当てはまらない、”やむに已まれない”ものを感じました。

まぁ、そんな印象を受けた映画です。それにしてもたった一人の演技、電話のやり取りのみでここまでのドラマを演出するスティーブン・ナイト監督(脚本)の力量に感服せざるを得ません。本当に凄い!

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