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おすすめ新作映画感想|『ロスト・ド―ター』(2021/マギー・ギレンホール監督)この”最悪”の女性に共鳴できるか!?

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『ロスト・ド―ター』のあらすじ概要

「クレイジー・ハート」などの演技派女優マギー・ギレンホールが長編監督デビューを果たしたヒューマンドラマ。

エレナ・フェッランテ(なんと、著者は処女作公表以来、自身の匿名性”を条件にしている人物で、本名を明かしておらず、本人のことを知る人は誰もいない!)の小説を基にギレンホール監督が自ら脚本を手がけた作品、批評家からの受けも大変良く、2021年・第78回ベネチア国際映画祭で世界初上映され最優秀脚本賞を受賞しています。

ギリシアの海辺の町へバカンスにやって来た中年女性レイダ(オリビア・コールマン)は、ビーチで見かけた若い母親ニーナ(ダコタ・ジョンソン)と幼い娘の姿に目を奪われる。ニーナの娘エレナがビーチで一瞬行方不明になった後、レイダは娘を海岸で発見し、若い母親の元に返します。しかし、ビーチで椅子に座りながら、若い母親が幼い娘を持て余している様子などを観察していると、かつて自分が母親になったばかりで恐怖と混乱に満ちていた頃の記憶が蘇り、以前の悔恨の感情に押しつぶされそうになり、心の中の不気味な世界へと迷い込んでいくことになります。現在と過去のフラッシュバック映像が交互に重なり、彼女のキャラクターが次第に掘り下げられていく手法は実に見事です。

出演は「女王陛下のお気に入り」のオリビア・コールマン、「フィフティ・シェイズ」シリーズのダコタ・ジョンソン、「ジュディ 虹の彼方に」のジェシー・バックリー。

原題:The Lost Daughter

 

Michelle RaponiによるPixabayからの画像

『ロスト・ド―ター』のスタッフとキャストについて

マギー・ギレンホール監督・脚本:ニューヨーク生まれロサンゼルス育ち。09年の「クレイジー・ハート」では、アカデミー助演女優賞にノミネートされた。

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オリビア・コールマン(大学教授 比較文学・翻訳家レダ・カルーソ):英ノーフォーク出身、ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」(15)に出演、同監督「女王陛下のお気に入り」(18)では18世紀イングランドのアン王女役を熱演し、第91回アカデミー主演女優賞を受賞している。

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ジェシー・バックリー(若きレダ・カルーソ):アイルランド出身。「ジュディ 虹の彼方に」(19)や「ドクター・ドリトル」(20)などの話題作に出演している、

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ダコタ・ジョンソン(観光客・若い母親二-ナ):米テキサス州出身。ベストセラー官能小説を映画化した「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」(15)のヒロインに抜てきされ、一躍注目を浴びている。

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エド・ハリス(宿泊所の管理人ライル):「ビューティフル・マインド」(01)では諜報員役を好演し、02年の「めぐりあう時間たち」で3度目のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされている。

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『ロスト・ド―ター』のネタバレ感想

(ネタバレ有り)

全ての子を持つ母親が理想的で完璧な”女性”ではないと分かりつつも、ここまで身勝手な女性の物語を見せられ、正直にうんうんと共感する事はかなり難しいのでは無いかと感じました。一時期、元夫と娘二人を置き去りにして、また、自分の都合で娘の元に帰って来るという自分本位的な生き方をする女性を世間(娘たち)は本当に素直に受け入れてくれるのでしょうか?

監督のマギー・ギレンホールは、”原作を読んだ後、まず『この本に書かれている女性(=レイダ)は最悪だ!』と思いました。でも、それから10秒くらい経った後、彼女にとても共感を抱けると感じたんです。”と語っています。未だかつて感じた事が無い、この共感から創作意欲が湧き本作を仕上げた様です。一面的ではないキャラクターの心理を丁寧に描写していく演出は非常に優れているという印象を受けました。演じているオリビア・コールマンらもさすがだと思います。

母性本能に欠けていると本人自ら告白しています。しかし、それと幼い少女がとても大切にしている”人形”を密かに盗み取り、隠し続けるという不可思議で複雑な行動がどうも腑に落ちないところはありました。

 

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