丹霞地形(たんかちけい、中国語:丹霞地貌)は、中国南部に見られる切り立った断崖などを特徴とする、赤い堆積岩が隆起した地形である。中国で見られる地形の中でも特異で、主として白亜紀の赤みがかった砂岩や礫岩によって形成されている。名前の由来は広東省丹霞山である。
2010年には、ユネスコの世界遺産リストに以下6か所が登録された。
- 湖南省崀山(ランシャン)
- 広東省丹霞山
- 江西省竜虎山
- 福建省泰寧
- 貴州省赤水
- 浙江省江郎山
世界遺産 廬山国立公園と中国丹霞・龍虎山 現地観光バスツアー
湖南省崀山へのアクセス
「崀山」は湖南省南部の邵陽市にあります。省都長沙からは南西400㌔、バスで4、5時間強の行程です。江西壮族自治区にある景勝地桂林からはもっと近い所ですが、近いと言っても桂林からは180㌔程離れています。
6,7年程前に出張で邵陽市に近い永州市へ行った事がありました。湖南省南部のこれらの町の状況はまだまだ発展途上の田舎町という印象でした。この永州より邵陽は更に辺鄙なところにありますが、崀山はさらに邵陽郊外の、広西壮族自治区境界に近い「新寧」という地域にあります。
当時も永州市へ行くのは非常に交通の便が悪く、出張で視察に行った時も、ローカル路線バスを乗り継いで行かざるを得ないような田舎町でした。
もし、今回の旅行をC-Trip(携程)のバスツアーに参加していなければ、路線バスを乗り継ぐか、長沙から車を2日間チャーターしてようやく行ける場所です。もし、バスツアーに参加する機会がなければ、おそらく崀山を訪れる機会は無かったと思います。
一泊二日総額250元には、往復交通費、ガイド料、宿泊ホテル、食事代(朝昼晩)など全て含まれており、決められた集合時間に決められた場所に行きさえすれば良いのです。訪問スケジュールの充実感など、このツアーに参加していなければ、とても単独旅行ではいけないであろう場所を何か所もを非常に効率的に回る事が出来満足しました。
初めて中国で団体バスツアー(参加者はわたし以外全員中国人です。) へ参加申し込みした時の懸念は、日本人が宿泊できるようなホテルを手配しれているのだろうか、食事はきちんとしたものが食べられるかということでした。
他の中国人と大部屋で雑魚寝させられるのではないかと心配しました。これは、ホテルの部屋については基本的には二人一部屋で追加料金50元を/泊支払えば、一人部屋が確保できました。また、ツアーに参加する中国人と一緒の食事は日本人が食べる事ができるのだろうか、みやげ屋に無理やり連れていかされて買いたくもない土産物、高額商品を強制的に買わされるのではないかという心配もありました。
当時、高額商品の強制的な中国人相手の買物ツアーについてはテレビ・新聞で大きく報じられており、社会問題となっていました。格安なツアー料金に釣られてツアーに参加したものの、高額商品のお土産を強制的に買わされた事に怒った旅行客が、ツアー主催会社を相手に訴訟を起こす様子がテレビ、新聞で報道されていました。
他方、ツアーに参加する多数の中国人観光客をたったひとりのガイドで本当に統率できるのだろうかという懸念もありました。 参加者はガイドの説明をきちんと聞き、集合時間、出発時間を真面目に守り、予定時間通りにバスは本当に出発するのかなど心配の種はたくさんありました。
しかし、それらの懸念は実際旅行に参加してみて、いずれも杞憂であったことが分かっていきました。バスツアーは全く問題が無く、快適で、ツアーメンバーである他の中国人は予期に反して時間をしっかり厳守をします。自分勝手に行動する人は意外に少ないものだと判っていきました。
問題の食事は10人1卓を囲み、大皿料理が7-8皿並ぶもので1名で食事する時よりも豊富なメニューに舌鼓を打つほどでした。しかも、コスト的には20-30元/人ということなので驚きです。
今回の崀山へのバス旅行の快適さに深く感激した為、これを機に、次回以降は迷うことなく、旅行の申し込み窓口はすべてC-Trip(携程)を利用することにしました。結果その後、3年間に15回ほどのバスツアーへ参加することになりました。
掲載されているツアー料金は比較的安く、しかも行きたい主要観光スポットはすべて日程に含まれており、朝6時から夜10時頃までと日本のバスツアーに比較して長時間拘束されるものの、余すところなく、時間が許される限り、観光スポットを回る事ができるので、顧客満足度は非常に高いと思います。(かなり疲れますが、、、)
同行する各ガイドの体力、職務遂行に対する責任感の強さには驚きました。
ガイドの体力もさることながら、ツアーに参加する観光客老若男女の驚異的な体力、気力にも驚かされます。この齢でまさかこの階段は登れまい、頂上までは登ることは不可能と思われる様なところへも、ゆっくり時間は掛かかるものの必ず登って来ます。
ツアー参加は、なんでも見逃さず見てやろう、説明は一言も聞きもらさず聞いてやろうという真剣さが伝わってきました。
湖南省崀山とはどんなところ?
崀山はすべての人(特に世界遺産に興味ある人、長沙に滞在している人)に是非行って貰いたい湖南省内の観光地の一つとしてお勧めします。
崀山は日本人にはほとんど知られていません。しかし、桂林、黄山などにも劣らない絶景の山域です。遊歩道を自分の足で回遊出来るので軽い運動をするつもりで、出掛けてみては如何でしょうか。
長沙からバスで4、5時間という不便さ、現地の宿泊施設の整備等で今後より一層の整備を期待されるなどの問題はあります。 しかしながら、山中の遊歩道、桟道、ロープウェイ等はしっかりと整備されているので、安全上の問題は一切ありません。
ルートは徒歩で周遊できます。山中から眺望できる雄大なパノラマの素晴らしさ、訪問する季節を変えて、何度でも訪れたい気持ちになります。(詳しくは掲載している写真をご参照ください)
崀山は長沙で暮らして、初めて名前を知った世界遺産の一つです。湖南省内にあります。中国南部丹霞地形で世界自然遺産を6カ所がまとめられ一括して2010年に登録され、崀山はそのうちの一つです。
崀山以外の各省に跨って散在していますが、これらどれも日本人には馴染みの薄いところであり、且つ非常に行きにくいところに散在するので訪問する機会は非常に少ないと思われます。
全中国にはこれら世界遺産に登録された6カ所以外の丹霞地形(中国語:丹霞地貌)は790ヶ所を数え、実際にはさらに広範囲に丹霞地貌は散在してと聞きました。中国の自然の豊かさ、広大な広さにも驚かされます。
また、中国の多くの世界遺産に登録されている観光地に共通して言える事ですが、崀山のどこを歩いても「世界自然遺産登録」の表示はほとんど見掛けません。どこの地域も「世界遺産」に登録されていることを敢えて宣伝していませんでした。
中国では「世界遺産」に認定されている事実を前面に押し出し、集客効果を狙う必要はあまりないのかもしれません。
湖南省崀山の周遊ルート
現地到着後昼食を済ませた後、ゆっくり休憩することはなく、いきなり山登り開始となりました。急こう配の道を登り一挙に高度を上げると眼前の素晴らしい景観に目を見張ります。
歩道、石段もしっかりしており、危険な所は全くありません。超巨大な一枚岩の絶壁の景観を堪能することが出来ます。
崀山エリアには見所が散在しており、一日ではとても回り切れません。
圧巻なのが、「天下第一巷」という巨大な岩の裂け目です。やっと一人が通り抜け可能な岩の裂け目が通路となっています。一番狭まい箇所は幅1㍍もありません。この通路は延々100㍍も続きます。頭上を見上げる細い一筋の空が彼方に見えるだけです。大きな岩が100㍍に渡り、何らかの地殻変動によるものか、永年の侵食を受けた形状になっています。しかもこういった箇所がルート上何か所も出現する為、散策していてまったく飽きません。
超巨大なボリューム感の一つの岩の塊が露出しており、その側面は断崖絶壁です。高低差3-400㍍ありそうな目も眩む一枚岩の絶壁です。
同じ山域でも、近くの桂林や張家界の山の景観とはかなり趣が異なる山です。しかも、この絶景の中の一部を掘削し、人工の遊歩道(桟道)が取り付けられています。日本人の感覚としては「ここまでやるか?明らかな自然破壊ではないか」と少し気になったところです。
確かに、人工の階段、遊歩道が取付けられていなければ岩の上は急峻で滑り易い為、一般観光客の歩行はほぼ困難な場所です。良山の景観を鑑賞する為には、この部分的な自然破壊による人工的な桟橋などの設置には目をつぶらざるを得ないのかもしれません。
崀山の絶景は写真を見て頂けばその魅力の一端を垣間見る事が出来ます。しかし、実際に現地を訪問して、生の迫力をぜひ体験して欲しいものです。
更に、巨大なひと固まりの岩でできた唐辛子をまっすぐ立てたような不可思議な岩峰が屹立しているところがあります。「唐辛子峰」です。これは登る山ではなく眺める山です。2002年にフランス人クライマーが素手で登ったと聞い驚きました。
山麓に見渡す事が出来る扶夷江では、筏に乗って、岩峰を川面から眺めるミニツアーのオプションがありましたが、残念ながら参加しませんでした。
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