今回、私は2016年7月の夏の最も暑い日に厦門(アモイ)を訪問しました。正直お勧めする季節は多湿高温の夏場は出来れば避け、春秋などの清々しい季節を選んでゆっくり訪問した方がよいと思います。
また、厦門の夏はいたる所に発生する蚊に刺されるととんでもなく痒いことは有名な話です。虫除けスプレーは必携です。また、刺されてしまった場合は痒み止めを塗って早目の処置が必要です。刺された痕は500円玉位の大きさに赤く膨れ上がり、なかなか痒みは引きません。
蚊の発生する夏は厦門に行かないことです。
そうは言うものの、私は季節にかかわることなく仕事で幾度も厦門を訪問しています。とにかく大好きな中国都市の一つです。最大のポイントは厦門は港町であり海鮮料理が抜群に美味しいことです。また、真冬でもそれ程寒くはなく、地理的に台湾とほぼ同緯度であることから南国的、開放的で異国情緒が漂う一種独特な雰囲気があり、とても魅力を感じています。
2017年に世界文化遺産に登録された旧租界のある鼓浪嶼(コロンス島)に、前年の16年夏に訪問した回想です。
今回は土楼見学の際アモイに前泊したもの。世界遺産 福建の土楼 高北土楼群 現地観光バスツアー
厦門(アモイ) の見どころ
鼓浪嶼(コロンス島)
厦門コロンス島は1842年に南京条約により開港された五港の一つとして発展しており、当時から西洋に開かれた港として大発展の基礎を築いた小さな島です。(周囲わずか6キロ)
厦門側のフェリー乗り場「輪渡碼頭」からフェリーで10分でコロンス島に到着します。乗船時間より待ち時間のほうがずっと長いので暫し我慢しましょう。短い距離ですが、入口ゲートは長蛇の列、大変な人込みなので乗船時間に間に合うよう、早めに集合したほうが無難です。また、日によってはフェリーの乗船客数が制限されるようなので、事前のチケット手配は必須です。
コロンス島にフェリーで到着後、島内を観光しました。コロンス島は戦前租界当時の町並みの保存状態が非常に良く、現在も当時そのままの建物、石畳等々異国情緒が残されています。一部はレストラン、みやげ物屋の店舗や、博物館などに改装され活用されており、観光客に開放されている建物が多く、見所が目白押しです。
昔ながらの石畳の道が残り、道路は車両の通行が制限されていて、観光客の数が多い事を除けば、自由に散策し、食事を取りながら、エキゾチックな雰囲気に溢れる街並みを散策していると、いつしか中国にいることを忘れてしまいそうになります。
南普陀寺
この寺は厦門側にある有名な古い寺院です。
唐代に建設された仏教寺院で、歴史は非常に古く現在も絶大な信仰を集めています。なお、歴史上度重なる破壊に遭遇し、そのたびに何度も再建されてきたようです。
なお、このお寺の正面には、シンガポールのゴム園経営で財を成した厦門出身の華僑ゴム王徐嘉庚が開学した厦門大学(中国でもっとも美しい大学と評判)のキャンパスが広がっていました。あいにく今回は時間が無く大学の前を通り過ぎるだけでしたが、、、是非次回に!
最後に
厦門は西洋と東洋、過去と現在・未来が交錯する不思議な魅惑いっぱいの都市であると思います。そして、今も将来に向かって急激な成長を遂げつつあり、一日も目を離すことができません。
日本にとって過去から深い関係を保っている都市でもあります。そして、いつ訪問しても美味しい中華料理、海鮮料理で大歓待してくれます。誰でも一度厦門に触れたならきっと好きになってしまうことは間違いありません。
厦門のある福建省は広東省に次ぎ全世界へ華僑の故郷として多くの移民を送り出しているところです。既に元の時代には海上貿易の活発化、明代には鄭和の大遠征が多くの知識を中国にもたらされた結果、海外移民がすすみました。
ご存知の通り、福建は山がちな地形で耕作地が少ない、多くの人口を養うことが出来ません。自然災害の発生や、海外貿易の発展もあり、大量の移民が発生した背景があります。
福建省の中でも華僑の移民が最も多く発生したのは「泉州」という町です。厦門は二番目に有名です。当時の多くの華僑は文字通り「裸一貫」から苦労して財を成した人がほとんどで、代表的な華僑と一人として厦門大学の創設者であるシンガポールの華僑ゴム王徐嘉庚がいます。
そういった意味では厦門を含む福建省は海外との結びつきが非常に強固な土地なので、他省・市と雰囲気も大分異なる感じがする事も頷けます。
さあ、皆さんもそんな予備知識を頭の片隅に置いて、是非自分の「厦門」を探しに行ってみませんか!
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