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世界遺産 泰山 山東省 現地観光バスツアー

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 泰山は古来封禅(帝王が天と地に王の即位を知らせ、天下が泰平であることを感謝する)の儀式を行った場所として名高く、始皇帝以前に72人の皇帝が儀式を行ったことが「史記」が伝えている。

  • アクセスルート

   1日目:8:05長沙空港発➢10:10済南空港着(南方航空 CZ3925)済南泊

   2日目:6:50済南集合➢泰安➢泰山(標高1,545㍍)➢済南 (観光バス、 泰山日帰り登山)

  • 主な見所 :泰山 6,600余段の石段を徒歩で登る途中散在する無数の古刹、歴史的建造物。
  • 位置 :泰山は済南の南方約60㌔の泰安市内

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なぜ登山口から頂上を往復するだけなのにバスツアーに参加したのか?

   道教の聖地で中国五岳の一つ。五岳の中でも格は最上位。泰山は山東省泰安市にあります。国慶節休暇を利用して長沙から東京に帰国する際、山東省に立ち寄り泰山に登ってみました。(2015年10月訪問)

   元々、山に登って下りて来るだけなので、今回はバスツアーに参加せず、空港からそのまま泰安に路線バス或いは鉄道で移動し、泰山の麓の町泰安に宿泊し、翌朝泰山に登る事も考えていました。

  しかしながら、当時既にC-Trip(携程)のバスツアーの便利さを十分熟知していたので、今回も迷わず済南集合のバスツアーに参加する事にしたというのが、至極単純な理由です。

  バスツアー参加者の年齢は幅広いものでした。参加するグループは大学生グループ(女子のみの2,3人のグループ旅行が多い)、小学生の子供連れの家族、老夫婦などで国慶節の休暇中の為、バスはほぼ満席でした。

 泰山は人気のある山です。 標高1,545㍍ですが、ほぼ海抜0㍍から登るので正味1,500㍍を自分の脚で登る事になります。山東省内の人にとっては気軽に行ける有名観光地の一つなのかもしれません。

 国慶節の休暇に近場で、気軽な物見遊山の気持ちで訪問するのだと思います。登山靴で来る人はほとんどいません。

ハイキング気分の旅行者がほとんど いよいよ第一歩! 石段が6600段!
廟が山中いたると頃に点在
快晴・・・正面に頂上を見上げる 人の行列が凄まじい

泰山登山の現実(国慶節時期)

 ツアーのガイドは泰山の山麓バスターミナルに到着後泰山の入場門までツアー客を引率し、そこで下山後の集合場所・時間を告げるのみ、泰山の登山に関しては簡単な説明をするだけで、登山口からは各自の脚力に従い、頂上を目指すというもので、山中は全て個人個人の自由行動でした。

 もっとも脚力が異なるツアーメンバー一行50人を一人のガイドが引率する事はそもそも無理な話で、わたしにとっても50名の団体と同一行動は面倒だなぁと考えていましたので、却って自由行動で良かったと思います。ルートは一本道をひたすらまっすぐ登って、元の道を降りるという極めて単純なコースなので道に迷う心配はありません

但し、登山道に沿って歴史的建造物、由緒ある石碑が所狭しと設置されていましたが、これらの来歴、歴史などの説明が一切受けられなかったのが残念でした。もっとも一か所一か所で説明を聞いていたら、山頂に辿りつかない恐れがあります。また、聞いても道教、仏教関連の用語は難しく理解不能だったかもしれません。

  山東省の気候は日本に緯度も近い事から、10月は絶好の観光シーズンでした。しかし、山上では秋の紅葉の季節はまだほんの少し尚早でした。

 登山口に入ると石段は登山客で埋め尽くされています。急勾配の石段に人が数珠つなぎ状態で、石段の坂道の途中で立ち止まり、人の密集状態で立ち止まり前進を待つのも余り気持ちの良いものではありません。

 一人が転倒すると将棋倒しになる極めて危険な状態が続きました。山頂まで続く石段が全行程この状態で、人の背中を見ながら登るのかと思うと、先が思いやられました。日本の元日の神社の初詣状態と同じです。

 それでも午前中の早い時間帯は下山する人はまだいない為、石段の全幅を登る人のみが占拠していました。登山者の中には、渋滞で全く進めないことにしびれを切らせたのか、登山道ではない脇道に逸れ、勝手に雑木林の中を歩き始める人、壁を攀じ登り始める人など好き勝手放題に行動する人がいました。

 これらの行動は極めて危険です。道は石の階段のみで、横道に逸れて壁に登ったとしても上に行く道には繋がっていない為、今度は急な斜面を下りて来なければならず、極めて危険です。制止する人は誰もいません。

 山中到る所に歴史を感じる石碑が岸壁をくり抜き、朱色の文字を浮かび上がらせる形で彫られていました。日本人としては山肌を削り、自然を「破壊」し、山中到る所で人工物をたくさん作って良いものかと疑問を持ちますが、中国人の観念では全く問題ない様です。

 2,3千年間も続けられてきたこの行為は半ば習慣化しています。山肌を削り取って文字を彫り込む行為は当たり前と見做されている様です。

 石段は上層に行けば行く程勾配を増しています。ここでも前を登る人が万一、一人でも転倒すれば、後続の人を巻き込む大惨事になることは確実と思われました。

 極端に登山道が狭くなる箇所のみ警備員が登山客を誘導し、狭い道に人が過度に集中しない様に交通整理をしているところもあります。それでも先を急ぐ登山者は警備員の制止を振り切って勝手にわれ先に登る様なマナーの悪い人も大勢います。

  高度が上げるにつれ、徐々に登山客の行列の渋滞は緩和されていきましたが、登る人に加え、今度は下山してくる人も増え始め、登山道は混雑を極めていました。登山道には登る人、下る人、さらに登山道の石段にしゃが水み込み休息する人、人の迷惑を顧みず食事をする人などがいます。

登山のマナーの基本である「登山道では登る人優先」というルールは中国には全く通用しません。

 登山道のあちこちに勝手気ままな行動をする人が多く、傍若無人に登山道に疲れてしゃがみ込む人々を迂回し、座り込む人を避けながら急な石段を登らざるを得ません。

 一番困るのは手摺の下にどっかりしゃがみ込んで、完全に登りを妨害している人がやたらに多い事です。これでは手摺を頼りに登ってくるご老人が登れなくなるので、手摺の下に座り込み休憩することは絶対に止めるべきだと思うのですが、、、

 また、登山道は南から北に一直線に伸びている為、階段の踊り場毎にかなりの数の登山者が団子状態となり休息し密集しています。座る場所確保も難しく,休息を取ることもままなりません。

 踊り場には休む場所が無く、階段まで溢れた登山者が階段で休憩をせざるを得ない事はわかりますが、完全に登山道を塞ぐ事になっています。階段では家族全員が横一列に広がり、登山道をふさぎ弁当を広げる行為も是非止めて欲しいものです。

  どうにかこうにか頂上直下のロープウェイ駅に近い南大門に到着して一息付けました。ここからは平らな登山道が頂上(玉皇頂 1,545㍍)まで続いています。徒歩で登って来た人も、ロープウェイで登ってきた人もわずかな距離ですが、ここからは徒歩で登らなければなりません。

頂上の標高1500㍍ばかりとは言え、泰山の周囲には高い山が無く、独立峰からの眺めは絶景です。

登山客があげる線香のもうもうとした煙の様子は何処の山の山頂の光景とも同じです

  どの登山者も菓子、くだもの、飲料を大量に持って上がってきて、食べ歩きを楽しんでいます。登山者が飲んだり、頬張ったりしているのが山頂の風景です。わたしは水以外持参していなかったので、昼飯替わりに頂上付近の売店で地元の名物を買い、中国人の真似をして歩きながら食べてみました。

 泰山名物の「焼餅」買い求めて昼飯代わりに食べ歩きを楽しみました。中国人が山頂付近で一息ついて、または途中で疲れたら何かを食べるという『食べ歩き』の「効能」を少し理解出来たような気がします。食べているときは疲れを忘れるものです。

 山頂で食べる皮を剥いたみずみずしい胡瓜は美味そうですが、お勧め出来ません。水代わりと思い一本五元もする胡瓜を買って食べてみましたが、実際は水の代用になりません。胡瓜は食べれば食べるほど喉が渇いてきます。ミネラル水を改めて買い直すことになります。胡瓜の売り子は、注文を受けると手早くあっという間に包丁で奇麗に薄く皮だけ剥いていました。

 私は自宅に戻り、真似して包丁で皮剥きを試したことがあります。山では簡単そうに見えたのですが、実際包丁で皮を薄くそぎ落とす事は、相当な熟練を要する技術であることに気づきました。

  中国人は持参した食べ物の包装紙、パック等を自宅まで持ち帰る習慣は無いので、山頂・山中のごみ箱のごみは、常時係員が清掃してごみを集めて回っています。山の美しい景観維持する為に夥しい数の清掃人がゴミ集めに苦労している姿をよく見かけます。

 本来は山歩きの楽しさ、景観の素晴らしさを報告するべきでしょうが、中国国慶節時期の国内観光地は人の波でごった返していました。なんとか人波をかきわけ夢に見た「泰山」登頂を無事果たせはしましたが、、、

見事な字!
頂上直下からの山東省遠景
頂上 (玉皇頂 1,545㍍)の勇壮な眺め
人、人、人 山頂は人で埋め尽くされる。登ったら驚いた!
山頂からの絶景 やっぱり五岳の雄

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