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おすすめ本|『マルクス・ガブリエル欲望の時代を哲学する(2)』 丸山俊一他著 

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おすすめ本の紹介
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なぜ「欲望の時代を哲学する2」を読んだのか?

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前作に続いて続編第二弾を購入して読んでみた。新実存論のマルクス・ガブリエルと言われても正直ピンとこないですが、目次の中の「理想の『自己イメージ』を投稿するSNSは、自由意志を損なう」、「哲学と思考を示すことで社会の課題を減らすのが、哲学者の使命」また、「私はテクノロジーと科学には大賛成だけれども、現在の利用の仕方には反対ですし、それはグローバル資本主義の問題だと考えます。グローバル資本主義は、あらゆる手段で理性の声を積極的に軽視しています」等々とても見過ごせない様な発言内容が多々記載されていました。

書店で見て躊躇なく、購入しました。新書本サイズでコンパクトであり、平易そうに見えましたが、読んでみるとやはり奥深くとても歯が立たない内容でした。本来、全体の概略を取りまとめご紹介する資格も能力も持ちあわせていないのですが、断片的に言われてみるとそうなのかなぁと感じる記載も多々ありましたので、その部分を細切れになりますが、参考までに以下取り上げてみました。

「欲望の時代を哲学する2」を読んだトピックス

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自由とは何なのでしょうか?自由は民主主義とどのような関係にあるのでしょうか?そして民主主義は世界中で脅威にさらされているのでしょうか? これこそが哲学者の仕事です。哲学者は、ある概念が本来何であるかという問いに答えようとしています

正義とは何か、都市とは何か、人間とは何か、社会的ネットワークとは何か、人工知能とは何か、という問いに哲学は答えられる学問であるとマルクスは断言しています。ここまで大上段に構えられると、哲学とは凄い学問なんだなあと驚きます。世の中を正しく理解し、また、正しい方向に向かっているか、どちらに向かうべきかを指し示すのが役目と言い切っているところが素晴らしい。

正義の概念とは、さまざまな意思の調整を行い、そのバランスを再び確立させることなのです… 私たちは社会的な存在であり、自由意志を持っています。自由意志とは、自分の行動が他人にもたらす影響に照らして自分自身を考えられる能力であり、その行動がとれる能力のことです。

この概念も聞いて見ればその通りで、反論の余地はありません。何でも好き勝手に周囲の人がどう判断しようと自由な行動をとる事が自由意志ではないということを言っています。

ソーシャルネットワークや検索エンジンを使う時はいつでも、あなたは明らかにデータを生産しています。なぜなら、何かを検索する時には、あなたが好きな物を検索するからです。グーグルはあなたのことをよく知っています。それは、あなたが彼らにすべてを伝えているからです。勿論その報酬はゼロです。これは私に言わせれば、搾取である

民主主義的価値を実現する唯一のシステムである国民国家は、オンライン上で起こることについては、発言権はありません

何やらぼんやりと考えていたネットワークを使用し続けることのリスクについて、マルクスがきっぱりと搾取とまで断言しているところが凄い所だと感じました。確かにオンライン上で検索することは100%自分を表現している事だと思います。グーグルもヤフーも誰よりも私という人間が分かっているかもしれません。(わたしに関する膨大なデータを既に蓄積しているという意味)

もし私たちが今の生活様式を続けていたら、私たちの子供や孫たちは、おそらく終末論的なシナリオの中で死ぬことになるでしょう。人類の大規模な自滅が待っているでしょう。どうすれば、このことから自分自身を守る事が出来るでしょうか? 一つは、今起こってることを哲学的に分析することが出来ます。この分析があれば、善と言う概念を持つことが出来ます。

このあたりも、常日頃我々が心の片隅で考えている不安を明確に指摘しているのではないでしょうか。地球温暖化しかり、石油資源から再生可能エネルギーへの転換が叫ばれていますが、対処は漸く端緒に着いたばかりです。解決の糸口は哲学が貢献すると断言しています。事実であれば大変心強いのです…

もし、「わたした社会が家族のようなものだ」というで考え方で私たちが社会への理解を進めたらいったいどうなるでしょうか? 社会を家族の比喩で理解してしまう事は、社会を破壊してしまう事にさえつながりかねません。ドナルド・トランプは市民社会と呼ぶものと家計経済との混同をしている…これが現代のアメリカ経済である…

こうしたモデルの問題点は、あなたが或る家族の心理的な条件を受け入れ、それらの組織のモデルに従う様他のすべての個人を強制してしまう事です。これは、…根本的に間違っている。

アメリカのハーバード大学やシカゴ大学などに蹴る多くのアメリカ流の経済学の理論は、誤りを犯しています。「社会が家族であるという考え」、マフィア社会の概念に基づく経済学を構築しているからとマルクスは解釈し、まったくの誤りだと指摘しています。

今年2-3月にNHKで5夜に分けて放送された内容が求められていますが、機会があれば放送分も是非視聴したいものです。

やはり、哲学者として冷徹な目で現代社会を見た場合、人類は破滅への道を辿っているという危機感がある事に気が付きます。また、哲学の力で軌道修正も可能と断言しているところ自信が表れています。そこにマルクス・ガブリエル氏の人気の理由があるような気がします。また、哲学者はあらゆる質問に回答する義務があるというのも、大きな自信の表れです。

マルクス・ガブリエルのおすすめの本はあるか

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未だいずれの本も読んでいませんが、多数翻訳されている様です。

  • 「なぜ、世界は存在しないのか」(講談社選書メチエ)
  • 「『私』は脳ではない」(講談社選書メチエ)
  • 「新実存主義」(岩波新書 新赤版)
  • 「世界史の針が巻き戻る時」(PHP新書 世界の知性シリーズ)
  • 「未来への大分岐」(集英社新書)

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