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おすすめ本|『三体』 異星人との接触を描く 劉慈欣著 

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なぜ、「三体」を読んだのか?

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三体 [ 劉 慈欣 ]
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『三体』は、2006年から中国のSF雑誌《科幻世界》に連載され、2008年に単行本として刊行された作品。出版後、人気が大爆発。なんと《三体》三部作(本作品『三体』『黒暗森林』『死神永生』)で2100万部以上を売り上げています。中国のみならず世界的にも評価され、2014年には英訳版が刊行。英訳版はこれまでに100万部以上、全世界では800万部以上を売り上げているという凄まじい売れ行きで、現代中国最大のヒット作品となっています。

三体』は2015年、SFの世界最大の賞である「ヒューゴー賞」を長編小説部門受賞しました。ヒューゴー賞受賞作には、翻訳書として、またアジア人作家として初めて受賞したものです。(ヒューゴー賞とはSF・ファンタジー長編(40000語以上)のうち、最も優れた作品がファン投票で選ばれる文学賞)

また、Facebook共同創業者のマーク・ザッカーバーグ(『最近読んだ重厚な経済学や社会科学の本からの楽しい休憩になる』と推薦した)や当時の米国大統領バラク・オバマ(『とても想像力豊かで本当に面白かった。広大な宇宙の運命について読んでると、日々直面している議会の問題はかなり些細なもので心配するようなことではないと思えた』と語ったが愛読していることを明かす)など、話題になった小説です。

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「三体」を読んだあらすじ・感想


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(あらすじ)

文化大革命の時、中国共産党中央委員会に直属する巨大パラボラアンテナを備える「紅岸基地」という、異星人を探すために作られた極秘基地がありました。清華大学の物理学教授であった父親が紅衛兵の批判を受け、死を強いられたのを目にした天体物理学専攻の女子大生葉文潔は、様々な事情からこの極秘基地にスカウトされ働くことになりました。

彼女はそこで偶然に太陽の増幅反射機能を究明し、その後、彼女はこの太陽の機能を利用して、密かに地球文明の情報が入った電波を宇宙に送り出し始めました。地球と最も近い恒星系の惑星に生きている異星人——三体星人がこの情報を受け取り、返事が返ってきます。

三体星人の平和主義者からの返信内容は「二度と応答するな。さもなくば太陽系の位置座標は三体星人に晒され、地球文明が危機を迎える。」との警告信号を送り返してきました。しかし、文化大革命の打撃で人類に絶望していた葉文潔は、この警告を無視して再度三体星人に向けて信号を発信しました。これにより、三体星人は太陽系の座標を特定してしまいました。彼らの遠征軍が地球に到達するのは450年後というスケールの大きさで描かれています。

一方、三体星人たちの世界の描写は想像を絶する、過酷極まりない世界です。この世界は何と主人公が体験するVRゲームの中で展開され読者に知らされるという形式を取っています。

三体星人たちが住む惑星は、三つの恒星の引力で乱れた軌道を取る。もし一つの恒星が惑星を捕まえて、それをその恒星に回らせたら、三体星人はしばらく穏やかな発展期を迎える。この時期を「恒紀元」と呼ぶます。もしそうでなかったら、日の昇りと暮れは一定の決まりでなくなる。この時期を「乱紀元」と呼ぶ。

しかし更に最も恐ろしいことに、彼らの住む惑星は、恒星に対して質量が小さいので、いつかは軌道の乱れで、恒星に落ちる可能性がある。そうなれば、三体星人とその文明は永遠に滅亡してしまいます。だから彼らにとって残った選択は、宇宙に移民するのみでした。三体人はいつも天災に脅かされているため、帝国主義的な社会体制と地球人の道徳を無視する価値観を取らざるを得ません。そうしないと彼ら自身が生き延びることができないからです… という感じで展開していきます。

中国のSF物というのは今まで初めて読みましたが、物凄いスケールの大きさで展開されており、びっくり仰天しました。物理学、天文学などの発展も想像を絶する進歩があるようなのでこれも脅威的です。中国のSF小説の世界でどれほどのすそ野があるか不明ながら、この作品が氷山の一角としたならば、もっと面白い作品は数多い気がします。中国現代文学全般も恐るべしという気がしました。

世間の客観的な意見はどんなものがあるのか

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読書メーターから引用させて頂きます。総じて好意的な感想が多いです。 なお、残りの2巻も大分厚くなりそうです。

物理学的にそれは正しいの?という描写はあるものの、骨太な内容。三体星人がどうしても「幼年期の終わり」のイメージと重なるとか、脳内で漢字を音読してしまうので登場人物の名前や、智子(ソフォン)をずっと”ともこ”と読んでしまうとか脳がバグった。脱水化の概念は良かった。 2巻は1.5倍、3巻は2倍の長さとか。うーん、どうだろうなあ。

面白かったけど、一番好きな所はSF的な部分ではなく葉文潔の人生を扱った部分。中国で2100万部以上を売りあげたシリーズということで期待していたが、第一作はまだまだ序盤という印象が強い。早く続きが読みたい。

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《三体》は三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)で三体は第一部にあたります。

最後に

ちょうど本書を読み終わった段階で、米国がUFO撮影のビデオを公開しましたが、なんかこの小説が現実味を帯びてくるような感じがして少し恐ろしくなりました。接触してくる異星人が良心的な心を持っていればいいのですが、余り期待できそうにありません… それにしても米国があの映像を公開するタイミングが何で今なのか、その意図は何なのか、この小説がバカ売れする理由もそこに何か関係あるのでしょうか?

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