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おすすめ映画|『ショート・ターム』(2014/デスティン・ダニエル・クレットン監督)

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「ショート・ターム」のあらすじと概要

Kevin NorrisによるPixabayからの画像

10代の少年少女を対象としたグループホーム・短期保護施設を舞台として、誰にも言えない心の傷を抱えた女性と子どもたちが、大切な誰かとともに生きる喜びや希望を徐々に見出していく姿を描いたヒューマンドラマ、人が人に寄り添う事の本当の大切を教えてくれる映画です。

ティーンエイジャーを預かる短期保護施設(ショート・ターム)でケアテイカ―として働いているグレイス(ブリ―・ラーソン)は、同僚でボーイフレンドのメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)との間に子どもができたことがきっかけで、結婚を約束しあい幸せな将来が訪れると希望を抱いていた。ところが、彼女には、婚約者メイソンにも打ち明けられない過去に父親との関係に深い心の傷を抱えていました。

そして彼女は新しく入所してきた少女ジェイデン(ケイトリン・デヴァー)にも彼女と父親との間にはやはり同じような問題があり、絶対に第三者には言えないで悩んでいる事に気付き、グレイスは彼女を庇おうとして、予期していない行動にでますが、これは本作品の最大の山場となります。

2013年のサウス・バイ・サウスウェスト映画祭でプレミア上映されて審査員特別賞を受賞し、そのほか多数の映画賞で話題となった作品である。

2009年のデスティン・ダニエル・クレットン監督による短編映画「Short Term 12」を原作としており、クレットン監督が本作品の脚本と監督を務めた。クレットンはティーンエイジャーを擁する施設でのスタッフとしての自分自身の就労体験に基ずき、まず原作の短編を執筆・製作し、後にその長編化である本作の脚本を執筆したそうだ。

『ハリウッド・リポーター』のジョン・デフォアは本作を”クレットンの非情緒的な演出には、観客の前にひけらかす必要のない、日常の中に潜むドラマ性の極致を認める誠実さがある”と書き絶賛している。

勿論、ブリー・ラーソンのグレイス役の演技は当時、批評家から特筆して絶賛された。

「ショート・ターム」のネタバレ・感想

b2267969によるPixabayからの画像

ストーリーとテーマについて

本作品の中ではケアテイカ―と入所者である少年・少女との距離感が常に物凄く近いなと言う印象を受けました。それぞれみんなが家庭に問題を抱えたティーンエイジャーの為の施設ですが、そこで働くケアテイカ―自身もそれぞれの生い立ちに問題を抱えた時間を過ごした過去の経験があるからこそ、ここまでより添えるものと思われます。少年少女からもいつも身近にいてくれ、理解してくれる人として、心を開いてくれたのだろうと思います。

それにしても、ケアテイカ―であるグレイスが入所して来た少女ジェイデンを父親の暴力から救おうと起こした行動には度肝を抜かれました、多くの映画批評家からはクレットンの非情緒的な演出が素晴らしいと絶賛されていますが、この点に関しては、感情が一挙に炸裂して、本当に父親を殴り殺していたかも知れないと感じました。実際は父親の車のフロントガラスを叩き割っています。冷静だったのは少女の方で、ハンマーを手にしているグレイスを見掛け「やり過ぎじゃないの〜」と冷静な言葉を掛けら、グレイスは危機一髪で冷静さを取り戻しました。

しかし、このグレイスの行動についてはすべての観客は納得出来ていたものと思います。「父親はやられて当たり前」と感じていたのではないでしょうか!私もそう思いました。

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キャラクタ―とキャストについて

Milan A.によるPixabayからの画像

デスティン・ダニエル・クレットン監督

1978年11月23日、ハワイ州マウイ郡の日系アメリカ人の母親とアイルランドやスロバキアの血を引く父親に生まれる。サンディエゴ州立大学にて映画を学ぶ。

2012年、長編デビュー作品『ヒップスター』を手がける。2013年、ブリー・ラーソン主演の本作品、長編映画『ショート・ターム』がSXSW映画祭でプレミア上映され、審査員賞と観客賞を受賞する。他作品には『ガラスの城の約束』(2017年)
『黒い司法 0%からの奇跡』 (2019年) がある。

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ブリ―・ラーソン(グレイス役):

TVシリーズ「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」(09~11)に主人公の娘役でレギュラー出演。本作品「ショート・ターム」(13)などで若手の実力派女優としての評価が高まり、「ルーム」(15)でアカデミー主演女優賞を初ノミネートにして受賞する。その後、自身の主演作「ユニコーン・ストア」(17)で映画監督デビュー。マーベル映画初の女性単独主演作「キャプテン・マーベル」(19)のタイトルロールに抜てきされ、「アベンジャーズ」シリーズ第4作「エンドゲーム」(19)にも出演した。「ショート・ターム」のデスティン・ダニエル・クレットン監督とは、「ガラスの城の約束」(17)と「黒い司法 0%からの奇跡」(20年全米公開予定)でもタッグを組んでいる。

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ルーム(2015) ブリ―・ラーソン主演 アカデミー賞受賞映画 レビュー

まとめ

Egor ShitikovによるPixabayからの画像

ブリ―・ラーソンの映画は最近「黒い司法」、「ルーム」、「ガラスの城の約束」と本作品「ショート・ターム」をの4作品を見ました。いずれの作品もブリ―・ラーソンの安定した演技力の魅力に引かれました。また、デスティン・ダニエル・クレットン監督との相性もいいのではないでしょうか。今回のテーマは少年少女の入所するグループホームが舞台ですが、いつも暖かい目でそばに寄り添い、語り掛ける姿がとても印象的でした。次の作品も非常に楽しみな女優の一人だと思います。

本作品の評価は93点。

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