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ルーム(2015) ブリ―・ラーソン主演 アカデミー賞受賞映画 レビュー

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「ルーム」のあらすじ・概要

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ある日誘拐され、7年間も監禁され続けた悲劇の女性ジョイ(ブリ―・ラーソン)。そして監禁された部屋の中で子供が生まれ、外の世界をまったく知らないまま5歳になったジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。そんな母子がようやく解放されるのだが、目の前にあらわれた現実の世界にふたりは戸惑う。

7年にわたる拉致監禁、誘拐犯との間に生まれた息子、命懸けた脱出劇に一瞬手を握る。救出された後、世間から好奇の目の集中砲火を浴びる事になる、二人の第二の人生への幕開けを描き切る映画。アカデミー賞主演女優賞受賞作品。

狭い監禁部屋から生まれて以来、出たことがないジャックは、テレビを通じてだけ外の世界を覗いてきた。しかし息子に〈閉じ込められている〉と感じて欲しくないジョイは、部屋の中が〈本物=現実〉で、画面の中の出来事は〈偽物=フィクション〉だと教え込むでいたのだ。2人がいる部屋の外には空っぽの宇宙しかなく、出ると死んでしまうとウソをついていたのだ。監禁された部屋と外界とのつながりは、わずか天井の天窓から入る光しかないという異常な世界での生活に7年間も耐えてきたのだ。

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「ルーム」ネタバレ感想

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ストーリーとテーマについて

TV、キッチン、シャワー、トイレ、クローゼットなど必要最低限の設備しかない部屋が生きる世界でした。食料、生活必需品は週一回程度差し入れられていた様です。外出自粛の続く現在の状況する息が詰まりそうでとても耐えられませんが、ジョイ親子はひとつの部屋に7年間監禁されていた異様な状況ですから、良く耐えられたものと感心します。

そのあまりの衝撃的な内容に、誰もがこれは実話であって欲しくないとおもいますが、原作であるベストセラー小説『部屋』の筆者であり、映画の脚本も担当したエマ・ドナヒューはこの作品は、残念ながらオーストリアで実際に起きた凶悪監禁事件を基にこの本を書いたと述べています。

前半部分では狭苦しいルーム内の生活が描かれます。そして、必死の思いで逃走するチャンスが訪れます。しかし、ほっとしたのも束の間、二人には現実では向かい合うべき数多くの困難が待ち構えていました。

一番の問題はジャックにどうやって、自分の父親の事を語るべきか、正直私には答えるすべがありません。

7年間も穴倉のような部屋(最近見た映画『パラサイト』の半地下よりももっとひどい生活環境です)の環境に耐え忍び、7歳まで成長したジャックはほぼ奇跡的に明るい性格であることに救われます。母親と違い、救出後新世界との接触に関しては、現実との激しい格闘を乗り越えて、力強く徐々になじんで行く様子が描かれています。ジャックの笑顔を見るだけでも一見の価値はあるものと思う程のその笑顔は素晴らしいものです。

一方、ルームの中では気丈に息子を支え続けた母親は12年振りの現実との対応に戸惑っている様子がありありです。今後も、映画のシーン以降、続く人生も非常に心配されるところではあります。

キャラクターとキャストについて

anncaによるPixabayからの画像

レニー・アブラハムソン監督:ダブリン・アイルランド出身。長編第3作「What Richard Did(原題)」を経て、マイケル・ファスベンダーがほぼ全編にわたりお面をかぶって出演した音楽映画「FRANK フランク」(14)で日本でも知られるようになる。

ブリー・ラーソン(ジョイ役):映画「ショート・ターム」(13)などで若手の実力派女優としての評価が高まり、本作品「ルーム」(15)でアカデミー主演女優賞を初ノミネートにして受賞する。その後、自身の主演作「ユニコーン・ストア」(17)で映画監督デビュー。マーベル映画初の女性単独主演作「キャプテン・マーベル」(19)のタイトルロールに抜てきされ、「アベンジャーズ」シリーズ第4作「エンドゲーム」(19)にも出演した。「ショート・ターム」のハワイ・マウイ島出身のデスティン・ダニエル・クレットン監督とは、「ガラスの城の約束」(17)と「ジャスト・マーシー(原題)」(20年全米公開予定)でもタッグを組んでいます。非常に楽しみな実力派女優ではないでしょうか。

映画「ガラスの城の約束」のレビューはこちら:ガラスの城の約束 ブリー・ラーソン主演映画 レビュー   

ジェイコブ・トレンブレイ(ジャック役):カナダ・バンクーバー出身。本作「ルーム」では、天才子役として一躍注目を浴びる。その後、ホラー「Before I wake(原題)」(16)や、コレン・トレボロ監督、ナオミ・ワッツ主演の「Book Of enry(原題)」(16)、「ワンダー 君は太陽」(18)、「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」(20)など数多くの作品に出演し、天才子役振りを発揮し活躍を続けています。

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のレビュー投稿はこちら:

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まとめ

David MarkによるPixabayからの画像

誘拐監禁という凶悪犯罪被害者であるにもかかわらず、ジャックは明るい性格の少年に育っているところが奇跡的です。それを支え続けて母ジョイの辛抱強さも驚きです。

本作品はアカデミー賞主演女優賞を受賞したブリー・ラーソンの演技も素晴らしいですが、ジャックの笑顔と天才子役の演技には一見の価値があると思います。

色々考えさせられる内容ですが、最近の1,2カ月の外出自粛などは彼らの経験した7年間もの監禁生活に比べらたら、何とか弱音など吐かずに、じっと我慢しなければなりませんね。

本作品の私の評価は97点。マイナスは事件そのものの異常さです。

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