『シザーハンズ』のあらすじと概要
本作は、ティム・バートンとジョニー・デップがタッグを組んだ初の作品です。
バートン監督が「奇想天外」と評される、独特な世界観を持つ芸術家タイプだとするならば、ジョニーは与えられたキャラクターを演じる上で常に新しいアイデアを監督に提案できるタイプの俳優だという。
(概要)
本作品でエドワード(ジョニー・デップ)は、発明家の博士によって生み出された人造人間。だが、完成直前に博士が急死してしまった為、彼は両手はハサミのままこの世に残されてしまう。その後、お化け屋敷のような丘の上の家で、顔がハサミでつけた傷だらけで、ひっそりと孤独な日々を送っていた彼の元にある日、エイボン化粧品のセールス・ウーマンのペグ(ダイアン・ウィースト)が訪ねて来た。心優しい彼女は、そんな彼の姿に同情し、自分の家に連れて帰り、家族と一緒に住まわせます。家の中へ通された彼は、写真に写っているペグの娘キム(ウィノナ・ライダー)に心奪われ、彼女に恋してしまうが……。鬼才ティム・バートン監督の描く悲劇のラブ・ファンタジー。
『シザーハンズ』のスタッフとキャストについて
ティム・バートン監督:
ジョニー・デップ:メイクにより顔色の悪い役というのも、本作品に限らず何本かありますが、今回は「まっ白」、それにハサミによる痛々しい切り傷だらけ。普段はどういう食事をしているのか、心配になる位の鋏の両手の不便さ。
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ダイアン・ウィースト:ウディ・アレン作品映画の常連女優。うち1986年の『ハンナとその姉妹』と1994年の『ブロードウェイと銃弾』で、アカデミー助演女優賞を2回受賞する。本作品での心優しい、化粧品のセールス、お母さんは非常に良かった。途中でエドワードに髪型をスタイリッシュに変えてもらった。
ウィノナ・ライダー:86年、「ルーカスの初恋メモリー」にて本格的にデビュー。88年、「ビートルジュース」で人気を獲得する。90年に「ゴッドファーザーPARTⅢ」の出演降板(過労のため)など。本作出演を切っ掛けにジョニー・デップと付き合い始め婚約したが、後に解消しています。
『シザーハンズ』のネタバレ感想
もし、心優しい化粧品の販売員ペグとの出会いがなかったらエドワードの一生もずっと古い廃墟の様な、お城の中で過ごしていたのではないでしょうか。エドワードの心の色(白黒)とは対照的に、ペグ一家は摩訶不思議なパステルカラーの家並みが続く住宅地に住んでいます。自家用車の色彩、近隣の人々の着ている衣服まで鮮やかなカラーです。まるでリゾートビーチに来たような、非日常的な世界を感じます。一方、そこで暮している人々は現実的で、未知の人間の出現に物凄い関心を持ち、至るところで噂話が始まっていました。唯一、周囲に無頓着なペグの夫だけが、我々、一般的(かなりずぼらな性格か)な人間の代表として本作品の中の役どころを演じています。このお父さんの存在感は意外と目立ちました。
両手が切れ味抜群のハサミである人造人間の発想は一体どこから来たのでしょう?中途半端で化け物の姿態でありながら、心だけは純真無垢という設定に多くのデップファンは魅了されるのかもしれません。これは、ティム・バートン監督が得意して描く異質世界の人間像の一部だと思います。また、今回は、ジョニー自身がセリフの多くを封じたらしいです。セリフは無くとも、表情・態度で確かに気持ちは見る観客に十分伝わってきました。この演技力が、やはりとても素晴らしいです。
最後に、キムの金持ちボーイフレンドの強烈な嫉妬心から不幸なラストに導かれてしまいます。エドワードにとっては余りに可哀想過ぎる結末だったような気がします。メルヘン・ファンタジーの世界から急転直下の、意外な展開に、さすがにジョニーファンも少々戸惑いを隠せないのでは!
最後に
当初、エドワード役には人気絶頂だったトム・クルーズが候補に挙がっていましたが、彼が要求したハッピーエンドをティム・バートンが却下したため降板したというエピソードが伝えられているています。トム・クルーズのエドワード役構想というのも無口だったのでしょうか?やはり、ハッピーエンドを希望したということ、この思いは分からない訳でもありません。
クリスマスの夜、氷の彫刻を作るエドワードの削った氷が、雪となって降る中でキムが踊るシーンは美しい名シーンとなっています。クリスマスの夜、是非見るべき映画の一本ではないかと思います。
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