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おすすめ映画|『それでも夜は明ける』(2013/スティーブ・マックイーン監督)‣自由の身でありながら拉致され、南部の綿花農園で12年間も奴隷生活を強いられた黒人男性の実話

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『それでも夜は明ける』のあらすじと概要

JamesDeMersによるPixabayからの画像

第86回アカデミー作品賞受賞作。自由黒人ヴァイオリニストでありながら、ワシントンD.C.で誘拐され南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップの12年間の壮絶な奴隷生活をつづった奴隷体験記<”Twelve Years a Slave”(12年間、奴隷として)>を原作として、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。

1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷として南部ニューオーリンズの地へ売られてしまう。

狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。

アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。

『それでも夜は明ける』のスタッフとキャストについて

Gretta BlankenshipによるPixabayからの画像

スティーヴ・マックイーン監督:1969年ロンドン生まれ。

2008年、1981年に北アイルランドの刑務所で起きた抗議運動を題材に、初の長編映画『ハンガー』を監督。英国人初となるカンヌ国際映画祭カメラ・ドール受賞をはじめ、英国アカデミー賞新人賞など数多くの映画賞を獲得し、新進気鋭のフィルム・メーカーとして一躍注目の的となる。

セックス依存症に悩む男の悲哀を生々しく描いた長編2作目『SHAME -シェイム-』もヴェネツィア国際映画祭金獅子賞ノミネート、英国アカデミー賞英国作品賞ノミネートなど高く評価された。本作品は彼の長編第3作目となります。

キウェテル・イジョフォー(ソロモン・ノーサップ):スティーブン・スピルバーグ監督の「アミスタッド」(97)で映画に初出演する。「堕天使のパスポート」(02)で英インディペンデント映画賞の最優秀男優賞などを受賞し、「キンキーブーツ」(05)ではドラァグクイーン役を好演した。以降、「トゥモロー・ワールド」(06)、「アメリカン・ギャングスター」(07)、「2012」(09)といったハリウッドの話題作への出演が続く。

ある日突然拉致され、奴隷となってしまうが、12年の時を経て身分を回復し帰郷することになる。

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マイケル・ファスベンダー(エドウィン・エップス):スティーブ・マックイーン監督の「HUNGER ハンガー」(08)などで評価を高め、クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」(09)で主要キャストのヒコックス中尉役に抜てきされる。再びマックイーン監督と組んだ主演作「SHAME シェイム」(11)ではベネチア国際映画祭の男優賞を受賞。

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ベネディクト・カンバーバッチ(フォード):英ロンドン出身、両親はともに役者。名門ハーロー校時代に演劇を始め、マンチェスター大学卒業後、ロンドン音楽演劇アカデミーで研鑽を積む。2002年に俳優デビュー。TV映画「ホーキング」(04)で物理学者スティーブン・ホーキング氏を演じて英国内で高い評価を受け、BBCのTVシリーズ「SHERLOCK シャーロック」(10~)のシャーロック・ホームズ役でブレイク

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ポール・ダノ(ジョン・ディビッツ):18年、「ワイルドライフ」で監督・脚本家デビュー。「ルビー・スパークス」(12)で共演したゾーイ・カザンと2007年から公私ともにパートナー関係にあり、「ワイルドライフ」 では共同で脚本を手がけた。

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ブラッド・ピット(バス):製作/カナダ人の大工役でも出演する。黒人に対して人間としての平等という思想をもっている。ソロモン救出のキーパーソンとなる。

『それでも夜は明ける』のネタバレ感想

mindy ambeauによるPixabayからの画像

アメリカ南部にあった奴隷制度の実態を描く歴史ドラマ。南部農場主の教養の高さ、思想の持ち方一つで奴隷への対応も随分違ってくるようです。当時奴隷は金で買われた個人資産なので、生殺与奪の権利を農場主が持つというのもアメリカの負の歴史が描かれています。綿花、サトウキビ畑の収穫の仕事も相当な重労働でした。ここでの重労働で一生を終えるのは本当に辛いことです…

自由黒人が白人に騙され拉致され奴隷の身分となり12年もの奴隷生活の苦難に耐え、生き延び、家族の元に奇蹟的に帰ります。その手記をまとめたので、南部の奴隷生活の実態が明らかにされました。もし、このような記録が無ければ、やがてアメリカの奴隷の歴史は風化しまうのではないでしょうか。勿論多くは伝承などで語り継がれていくでしょう…やはり忌々しい歴史は白人にも黒人にも早く消し去りたいというのが本音の様な気もします。アメリカはしっかり書物に残したり、或は何度も映画で残したりして、その真実をありのままに語り継ごうとする気構えがあります。この精神はたいへん貴重なことだと思いました。

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