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おすすめ映画|『ボーダー二つの世界』(2018/アリ・アッバシ監督) スウェーデン発のミステリー映画 真夏にぴったり!

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ボーダー 二つの世界 の作品情報

2018年制作 スウェーデン、デンマーク合作、上映時間110分

監督 アリ・アッバシ 1981年イラン生まれ、建築を学ぶためスウェーデンに渡る。その後デンマーク国立映画学校に入学、演出を学ぶ。最初の監督作品は『Shelly』次が『僕のエリ、200歳の少女』の原作者ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストによる新たな衝撃作『ボーダー 二つの世界』

主演 エバ・メランデル(ティーナ役) 1974年 スウェーデン イェワレポリ生まれ。

   エーロ・ミロノフ(ヴォ―ラ役) 1980年、フィンランド生まれ。父方からドイツ、ロシア、スウェーデンの血をひく。2005年にヘルシンキの演劇アカデミーを卒業後、フィンランドで15作以上の長編映画に出演。

オスカーのメイクアップ賞&ヘアスタイリング賞にノミネートされただけあってティーナ役のエヴァ・メランデルがまるで別人に変身している。

ボーダー 二つの世界 のあらまし

 『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作者が贈る、ジャンルの壁を超越したダーク・ファンタジー!醜い容姿のせいで孤独と疎外感を抱える女主人公である税関職員ティーナはスウェーデンの森の中の一軒屋に男の同居人と暮らしている。醜い外見から外部から孤立して、森の野生生物との戯れにやすらぎを求めている。彼女は違法な物を持ち込む人間や恥、罪悪感、そして怒りを抱えた人間を嗅ぎ分けるという特殊能力があった。

ある日、彼女は勤務中に奇妙な旅行者ボーレと出会う。ボーレに対し本能的に何か自分に似通っている何かを感じたティーナは彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にボーレに惹かれていくティーナだったが、ボーレにはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった。

第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ受賞を皮切りに、各国の映画祭を席巻した傑作!

ボーダー 二つの世界 のみどころ

 第一印象はティーラの顔・容姿の恐ろしさに思わずギョッとさせられ息を飲む。税関職員として得意とする「犯罪・羞恥心」の臭いを嗅ぎつけるしぐさも動物的で真柏の演技。

 羞恥心、やましい考えがあるとそれを嗅ぎ分ける特殊能力はディーナ個人の能力ではなく、実はティーラ達が属する“種族”すべてが持つ能力らしい。彼らは人間とは染色体が異なり、外見上も明らかに違うが、その特殊能力は臭覚だけではなく、雌雄同体?の繁殖能力など様々な特殊性にびっくり仰天させられることが多い。

 自分が何者なのか当惑するティナに、ヴォーレはトロールだと答えます。生まれながらに付いて来た尻尾は人間の感情を嗅ぎ分けることを可能にするが、雷は天敵だとヴォーレは説明します。ティナの尻尾は切除されているとヴォーレは言い、自分達のようなトロールがフィンランドで集団生活していると語ります。

 こちらから探し出すことは出来ないが、自分達の存在を知らせようと考えているとヴォーレは続けます。

 動物と融和する能力など「ファンタジー」っぽさも描写されるがが、全般的には恐ろしい「特殊性」が際立つ。森の奥深い湖での全裸で泳ぐシーンや更に何度も描かれる昆虫の幼虫を捕食するシーンは見るのに耐えがたく、とてつもなくショッキングなホラー映画として観せられる要素も多分にもっているので、それなりの覚悟をして観たほうがいいかもしれません。

 更に、トロール同士でなければ出現しない男性の性器がティナから伸びてくる強烈な映像と、本来の動物的感覚のティナの姿が一気にファンタジー世界へ引き込んで行くのも見ものです。少しグロテスクで唖然つぁせられるシーンです。ここも要注意部分、、、

 徐々に彼らの過去の物語が解明されてゆき、彼らの目的が「人類への復讐」であることが明らかになっていく。ティーナは小さい頃から人間に育てられたことから、人間らしいこころを持つ一方、人間とは違うもう一つの世界のこころとの両者の間(「ボーダー」で)で激しく揺れ動く葛藤が見もの。

 また、もうひとつの違う世界とのオーダーという意味以外に、美醜、ジェンダー、貧富、歴史、国籍、そして善悪に至るまで、強烈な境界(ボーダー)の深淵を観客に突きつけてくる作品となっています。

 異次元の「とんでもワールド」をどっぷりと体験出来ることは間違いない...

イラン生まれの監督 アリ・アッバシが本格的な映画製作の二本目の作品ですが、イラン映画ではなくスウェーデン・デンマーク映画で「ファンタジー」「メルヘン」、「ホラー」や北欧の伝説、はたまた現代の幼児虐待という社会問題までをも取り入れて一遍の作品とし👈見事に構成されているところが何とも監督の創造力のパワーを強烈が感じられます。

おすすめ度★★★★

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