『英国王のスピーチ』のあらすじと概要
現イギリス女王エリザベス2世の父ジョージ6世の伝記をコリン・ファース主演で映画化した歴史ドラマ。
子供の頃から悩む吃音のために無口で内気な、ジョージ6世。 しかしヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦に揺れる国民は、王の言葉を待ち望んでいた。 型破りのセラピスト、ライオネルの友情と妻の愛情に支えられ、渾身のスピーチに挑戦します。
圧巻は、最後に吃音障害を見事に克服し、ドイツとの開戦後、大英帝国全土に向けて国民を鼓舞する演説を、緊急ラジオ放送で行うことになり、緊迫した状況の中ジョージ6世は、ローグと二人きりの放送室で完璧な演説をこなすシーンです。
共演にジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーター。
監督は「くたばれ!ユナイテッド」のトム・フーパー。第83回米アカデミー賞で作品、監督、主演男優、脚本賞を4部門で受賞した。
『英国王のスピーチ』のスタッフとキャストについて
トム・フーバー監督:04年、「ヒラリー・スワンクINレッド・ダスト」で映画監督デビューし、続いて「くたばれ!ユナイテッド」(09)のメガホンを取っています。
コリン・ファース(ジョージ6世):1960年イギリス・ハンプシャー生まれ。大学講師の両親のもとに生まれ、幼い頃はナイジェリアで過ごし、5歳でイギリスに戻る。1983年、ウエスト・エンド・シアターの「アナザー・カントリー」で初舞台を踏み、翌94年の同作の映画版でスクリーンデビューしました。
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ジェフリー・ラッシュ(ライオネル・ローグ):オーストラリアを代表する俳優のひとり。クイーンズランド大学在学中から古典劇を中心に様々な劇団の舞台に立ち、演出も手がける。映画デビューは、1981年の豪映画「フェイク野郎」。「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ(06~17)のバルボッサ役でおなじみに。
ヘレナ・ボナム・カーター〈エリザベス):イギリスの上流階級出身。16歳のときCMでデビュー。その後スクリーンに転じ、「眺めのいい部屋」(85)、「レディ・ジェーン 愛と運命のふたり」(86)で高い評価を得る。「ファイト・クラブ」(99)でそれまでのイメージを一新、個性派女優としての地位を確立します。ティム・バートン監督映画出演の常連。
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『英国王のスピーチ』のネタバレ感想
コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュの二人の名演技、好演振りに圧倒されました。吃音障害で気の弱いジョージ6世は、重要な演説が上手く出来ずに苛立ちが隠せません。そこに、一風変わったセラピストであるライオネルとの悪戦苦闘の訓練が始まります。ミュージカル映画『マイ・フェア・レディ』を少し思い出してしまう設定です。ジョージ6世上手く行かないとライオネルに八つ当たりして、暫く続けていた治療を投げ捨ててしまう挙にでますが、他に頼る術がなくまた戻って来ます。
ジョージ6世は、生来左利きだったにも関わらず、5歳の誕生日を期に父から「いつも人から言われたことをすぐに実行できるよう努めるがいい。早く始めれば、その方がお前にとっても楽だろうから」と伝えられ[、これ以降利き腕を右手に矯正することを強いられた。また、慢性胃炎やX脚にも悩まされ、X脚を直すために痛みを伴う矯正具の脚部への着用を強制されるなど、かなり幼少期からがんじがらめの生活を強いられた影響もあり、吃音癖に苦しめられたようです。
内助の功で、ジョージ6世に従い懸命に吃音癖克服を支援する妻王妃エリザベスは何と102歳まで生きた方だそうです。現在のエリザベス女王の母親。
ラストのスピーチのシーンが圧巻で感動させられました。録音室にライオネルと二人で入り、ライオネルは国王の目の前で指揮棒を振るオーケストラの指揮者の様に国王の流暢な言葉を引き出していました。この時代、スピーチも国民の心を一つにする重要な作用がある事が映像からもよく伝わってきます。
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