『スタンド・バイ・ミー』のあらすじと概要
原作はモダン・ホラーの大家スティーヴン・キングの非ホラー短編集で『恐怖の四季』の中に収められた秋の物語『THE BODY』(『スタンド・バイ・ミー (小説)』)である。
1950年代末のオレゴン州の小さな町キャッスルロックに住む12才の4人の遊び友達の少年たちが、有名になりたいという好奇心から、線路づたいに“死体探し”の旅に出るという、ひと夏の冒険を描いている。兄弟間の葛藤において生じるカインコンプレックスについても描かれています。
アカデミー脚色賞、ゴールデングローブ賞作品賞、監督賞にノミネート。また、ベン・E・キングが歌う同名の主題歌『スタンド・バイ・ミー』は、哀愁漂う作風から本作に絶妙にマッチしたこともあり、リバイバルヒットしました。
スタンド・バイ・ミーの舞台となった架空の田舎町「キャッスルロック」は、オレゴン州の人口1500人ほどの「ブラウンズビル」という町がロケ地となっている。それ以外になにも特色のない場所であるが、今でも聖地巡りをする人が観光をしているという伝説の町となっています。
『スタンド・バイ・ミー』のスタッフとキャストについて
ロブ・ライナー監督:1947年、米ニューヨーク市ブロンクス生まれ。近年では、映画「LBJ ケネディの意志を継いだ男」(17)で監督・製作、「記者たち 衝撃と畏怖の真実」で監督・製作・出演を務めている。
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ウィル・ウィートン(ゴーディ・ラチャンス):原作者スティーヴン・キングの少年時代がモデルになっているゴーディは、両親の愛を兄(ジョン・キューザック)のようには得られず、早々と孤独の辛さを味わいながら、しかし豊かなイマジネーションをあやつって頭の中で小説を書き綴っている少年。
リバー・フェニックス(クリス・チェンバース):1970年、米国オレゴン州マドラス生まれ。 ゴーディに頭の良さでは劣らないがアル中の父、札付きの不良の兄がいるために、「どうせ、あそこんちの子じゃないか、いい子でいられるわけないさ!」といつも周囲から白い目で見られていることに反発、故意にワルぶっているのが体も大きい。正義感が人一倍強く、無事大学に進学し弁護士になった。
「モスキート・コースト」(86)でハリソン・フォードの息子役、フォード主演の人気シリーズ3作目「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(89)では少年時代のインディを演じた。23歳の若さで薬物の異常摂取が原因で死亡している。ホアキン・フェニックスの兄。
コリー・フェルドマン(テディ):ゴーディやクリスのように進学するつもりはなく、はじめからブルーカラー(肉体労働者)になることを考え、戦争で精神を傷つけたままで世間からは異常者扱いを受けている父を愛してやまない少々依怙地な大きなクラーク・ケント風の黒縁眼鏡の少年。
ジェリー・オコネル(バーン):頭の回転も体のこなしも他の人に比べるとスローながら、敵をつくることはまずありえないオットリタイプ。
『スタンド・バイ・ミー』のネタバレ感想
ほろ苦い青春の一ページを見事に描いた映画だと思います。ホアキン・フェニックスの兄、23歳で亡くなってしまったリバー・フェニックスが非常に逞しい少年役でした。わずか人口1500人という、自然に囲まれた小さな町で暮す四人組の少年は町の人は皆どこの家の子供で、どういう家庭で育っているのか分かり切っている様でした。
決死の覚悟で小さな大冒険を初めた理由が、少年の死体を探しに行くというものです。そして、その発見者として有名になりたいという、如何にも子供らしい発想でした。
大きな寝袋なのか4人とも大きな袋をたすき掛けにして持ち歩いていましたが、肝心な食料を準備していなかったとというのも笑えます。
印象的なのは鉄橋を渡りながら、列車に追いかけられるシーンや沼地に入りヒルに吸い付かれるシーンなど、こんな経験はしたことがありませんが、スティーブン・キングの実体験に基づいているのでしょうか?夜寝るときコヨーテに囲まれ、一晩中交代で見張りを立てながら寝てましたが、この恐怖感は想像できないものでしょう。
旅の途中で語られる話は、お互いが中学に進学してしまうと、進学組とそれ以外に別れてしまい一緒にいることが出来なくなることを心配しています。成績が良いのに素行の悪い兄の影響で、何かと色眼鏡で見られてしまう弟のクリスを必死に庇う、友達思いのゴーディには熱くなります。
突如死体を横取りに来た一味のボスであるクリスの兄に対して、ゴーディーはピストルを向けて追い返します。もしかすると弟のクリスは刃物で刺されていたかもしれません。危機一髪でしたが、勇気ある行動で無事切り抜ける事が出来ました。
何度見てもシーンの一つ一つに本当に感動させられる映画に違いありません。
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