『ダンケルク』のあらすじと概要
「ダークナイト」「インターステラー」のクリストファー・ノーラン監督が、初めて実話をもとに描く戦争映画。史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描くもの。
ポーランドを侵攻し、そこから北フランスまで勢力を広げたドイツ軍は、戦車や航空機といった新兵器を用いた電撃的な戦いで英仏連合軍をフランス北部のダンケルクへと追い詰めていきます。この事態に危機感を抱いたイギリス首相のチャーチルは、ダンケルクに取り残された兵士40万人の救出を命じ、1940年5月26日、軍艦はもとより、ドーバー海峡にいる全民間の船舶約900隻も総動員したダイナモ作戦を発動。33万人もの英仏兵士を奇跡的に救出することとなります。
ダンケルクでの撮影は史実の撤退作戦とまったく同じ場所で行われたということです。撮影中は6000人余りのエキストラが使われたそうです。映画の台詞がごくわずかしかなく、ディテールのみで群衆場面の演出するため、ノーラン監督はサイレント映画を深く研究したそうです。また、迫真に迫るリアルな撮影で、陸海空の3つ時間のストーリーを同時に展開する手法が取られ、観客は劇場で、あたかも戦場の真っただ中に放り込まれたような感覚を覚えるに違いありません。
出演は、今作が映画デビュー作となる新人のフィオン・ホワイトヘッドのほか、ノーラン作品常連のトム・ハーディやキリアン・マーフィ、「ブリッジ・オブ・スパイ」でアカデミー助演男優賞を受賞したマーク・ライランス、ケネス・ブラナー、「ワン・ダイレクション」のハリー・スタイルズらが顔をそろえた。
第90回アカデミー賞では作品賞ほか8部門で候補にあがり、編集、音響編集、録音の3部門で受賞している。
『ダンケルク』のスタッフとキャストについて
クリストファー・ノーラン監督:「バットマン ビギンズ」(05)、「ダークナイト」(08)、「ダークナイト ライジング」(12)の3部作は、重厚でリアリスティックな世界観でアメコミ映画の新たな潮流を築き、興行面もあわせて大成功を収めた。その後は「インセプション」(10)、「インターステラー」(14)、「TENET テネット」(20)などオリジナル脚本の超大作を手がけています。
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フィオン・ホワイトヘッド(トミー英国陸軍二等兵):クリストファー・ノーラン監督の戦争大作本作「ダンケルク」(17)のオーディションに合格し、主要キャラクターの1人トミー役で華々しいスクリーンデビューを飾る。
トム・グリン=カーニー(ピーター、ミスター・ドーソンの息子)
ジャック・ロウデン英国空軍(コリンズ、スピットファイアのパイロット)イギリス・エセックス州出身。
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『ダンケルク』のネタバレ感想
一番の感動シーンは900艘もの民間の遊覧船やら、個人のクルーザーなど雑多な船舶がドーバー海峡を超えて、ダンケルクまで兵士を救出に向かうところでした。
ドイツ軍の電撃的な展開により英仏軍隊の40万人が退路を断たれるという窮地に陥りますが、何とか3万人の捕虜と大量の重火器類、車両の損失を伴いながらも、救出作戦が成功する様子が臨場感に溢れ描かれています。
空からは独軍飛行機による爆撃、海上では潜水艦からの魚雷攻撃で次々に船舶は沈没させられてしまいます。戦争の悲惨さをこれでもかぁという程実感する事は出来ます。生還した30数万人という兵士はこの後再度戦場に召集される事はあったのでしょうか? 砲撃を受けた経験などがあると、次に同じような戦場に舞い戻る事は精神的にほぼ不可能なのではないかという気がします。
『インセプション』『TENETテネット』など話題作が多い人気監督の映画ですが、これらの作品と異なり本作品『ダンケルク』は同監督が撮る初めて実話をもとに描く戦争映画です。筋としては単純明朗で非常に分かり易いという点では良かったと思います。ノーラン監督が目指してしたのは観客に一緒に「戦争」を体験してもらうことだと言います。その意味ではほとんどCGを使わず、本物志向の監督らしくリアリティーが溢れ、良く作られた作品だと関心しました。
劇場鑑賞であれば、迫力満点の映像・音響に震え上がるに違いありません。(残念ながら私はNETで鑑賞)
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