『レイルウェイ 運命の旅路』のあらすじと概要
コリン・ファース、二コール・キッドマン、真田広之らの共演で、第2次世界大戦時、日本軍の捕虜となり、過酷な鉄道建設に狩り出された英国兵士と日本人通訳らが、数十年の時を経て、憎しみを超えた絆を築き合ったという“信じられないような実話”を映画化したヒューマンドラマです。
鉄道好きで平凡な人生を送るはずだった英国軍兵士のエリックは、シンガポール陥落時に日本軍に捕らえられ、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設現場で過酷な労働を強いられます。そこでは、戦時下での容赦のない尋問と過酷な労働という辛い体験、どれほど人間が人間に対して残酷になれるのかという姿が生々しく映し出されて行きます。
約50年後、当時の記憶に苦しめられながらも、愛する妻と平穏な日々を送っていたエリックは、やがて、鉄道の建設現場にいた日本人通訳の永瀬が、悲惨な戦争体験を伝える為、現在もかつての捕虜収容所であったタイの戦争博物館に暮らしていることを知ります。
永瀬の存在が心の奥の傷をよみがえらせ、動揺するエリックでしたが、意を決して永瀬に会うためタイへと向かうことになります。
原作は1995年「エスクワイア」誌ノンフィクション賞を受賞したエリック・ローマクスの自叙伝「泰緬鉄道 癒される時を求めて、「原題:The Railway Man」」。
『レイルウェイ 運命の旅路』のスタッフとキャストについて
コリン・ファース(エリック・ローマスク):「シングル・マン」(09)でアカデミー主演男優賞に初ノミネートされ、翌年には、吃音障害を克服していくジョージ6世を演じた「英国王のスピーチ」(10)で同賞を受賞。その後も、人気の英国俳優として「裏切りのサーカス」(11)や、ウッディ・アレンの「マジック・イン・ムーンライト」(14)、「キングスマン」シリーズ。
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ニコール・キッドマン(パトリシア・ローマスク):1965年生まれ、オーストラリア人の両親のもと、シドニーで育ち、幼い頃からバレエや演技に興味をもつ。舞台に立つようになり高校を退学して女優業に専念。スタンリー・キューブリック監督の遺作「アイズ・ワイド・シャット」(99)でのトム・クルーズとの夫婦共演も当時の話題を呼んだが、01年に離婚した。その後、ミュージカル映画「ムーラン・ルージュ」(01)でアカデミー主演女優賞に初ノミネートされ、翌年の「めぐりあう時間たち」(02)で同賞に輝く。
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真田広之(永瀬隆):03年、主演映画「たそがれ清兵衛」(02)がアカデミー賞の外国語映画部門の候補となり、同年、トム・クルーズ主演「ラスト サムライ」に出演。主演作「亡国のイージス」(05)以降は一躍、国際的に活躍。
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ステラン・スカルスガルド(フィンレイ):1951年生まれ、スウェーデン/イェーテボリ出身。大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの第2弾「デッドマンズ・チェスト」(06)と第3弾「ワールド・エンド」(07)で、オーランド・ブルーム扮するウィルの父親ビル役を演じた。
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『レイルウェイ 運命の旅路』のネタバレ感想
鉄道オタクのエリックは過去の戦争で、日本軍の捕虜となり過酷な泰緬鉄道の建設現場での辛い経験をします。それがトラウマとなり、精神的に辛い生活を送っていましたが、たまたま列車の中で知り合ったパトリシアと出会い結婚し、平安な生活を取り戻したかに見えたのも束の間、やはり、過去の辛い思い出がぶり返し、彼を精神的に追い詰めていた様です。
そんな彼が、当時の日本軍の憲兵隊の軍人のひとりがタイに生きている事を知り、彼に会いに行くことを決意します。最初はわたし自身”復讐心”の為、”仕返し”の為にタイに向かったのかと本気で思いました。しかし、当時の仇であった永瀬が深く自らの非を認め、詫びる姿を目にすると、エリックは彼を許す態度に出たことにわたしは正直たいへん驚きました。何と寛大な心の持ち主なのだろうかと。
戦争という過去の歴史は徐々に薄れがちです。それでも、度々戦争映画を見る事により悲惨な戦争のほんの一部分を似非体験することが出来ます。本作品を見て、改めて「戦争」という同じ過ちを、決して犯してはならないという思いを強くしました。その意味では、出来るだけ多くの方の是非視聴してもらいたい映画ではなかと感じました。なかなかエリックの心の境地に達することは普通の人間にとっては出来る事ではないと思います。また、それを映画で演じる事が出来るコリン・ファースの演技力も素晴らしいと感じる作品でした。
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