『ダウト あるカトリック学校で』のあらすじと概要
ジョン・パトリック・シャンリーによる戯曲『ダウト 疑いをめぐる寓話』を自ら監督して映画化した。
1964年、ニューヨーク・ブロンクスにあるカトリック系教会学校の校長シスター・アロイシスは、進歩的で生徒にも人気のあるフリン神父が学校で唯一の黒人生徒と不適切な関係を持っているのではないかと強い疑惑を抱き、「神の意に沿う行為を為すためには、神より遠ざかる手段をとることも辞さない」との信念を持ち、執拗にフリンの「罪」を追及してゆきます。
主要人物は3人の聖職者。新しい時代の息吹を感じさせる神父と、古い価値観から逃れられない厳格な校長、そしてピュアな新人教師で描かれる心理・サスペンスドラマ。
トニー賞とピュリッツァー賞をダブル受賞した舞台劇を劇作家ジョン・パトリック・シャンリィが自ら映画化。メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、「魔法にかけられて」のエイミー・アダムスらが厳格な聖職者たちを熱演。
第81回アカデミー賞で脚色賞など4部門でノミネートされています。
2008年製作/105分/アメリカ
原題:Doubt
『ダウト あるカトリック学校で』のスタッフとキャストについて
ジョン・パトリック・シャンリィ監督・脚本・原作:ニューヨークのブロンクス出身。ニューヨーク大学卒業。自分が書いた脚本は一語として変えてはいけない契約を結ぶことで知られているが、本人はこの噂を否定しているという。
メリル・ストリープ (シスター・アロイシアス):2020年現在、アカデミー賞に21回ノミネートされており、更新不可能と言われたキャサリン・ヘプバーンの持つアカデミー賞ノミネート記録を23年ぶりに塗り替える等、数々の賞を受賞。本作品でアカデミー主演女優賞ノミネートされている。
学校の職員には、全ての事に疑惑をもって当たれと厳命する厳しい校長役。
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フィリップ・シーモア・ホフマン (フリン神父):作家トルーマン・カポーティの伝記映画「カポーティ」(05)でアカデミー賞をはじめ数々の主演男優賞を総なめにし、07年の「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」、08年の本作品「ダウト あるカトリック学校で」と2年連続でアカデミー助演男優賞の候補になった。
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エイミー・アダムズ(シスター・ジェイムズ):2002年にスティーヴン・スピルバーグが見せた彼女の映像がレオナルド・ディカプリオの目に留まったことがきっかけで長編大作『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 』に出演。ディカプリオの恋人役という大きな役であったが、さほど注目されず、まだこの時点では、よほどの映画通でなければ知らない無名女優の一人であったという。ブレイクの切っ掛けは、2005年の『Junebug』で、同作品でインディペンデント・スピリット賞や全米映画批評家協会賞を受賞。アカデミー助演女優賞にもノミネートされている。
芯の強そうな若い歴史教師のシスター役。シスター・アロイシアスとフリン神父との狭間で夜も眠れず苦悩する。
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ヴィオラ・デイヴィス(ミラー夫人):2011年、コメディドラマ『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』で主役の1960年代の家庭教師役を演じ、アカデミー主演女優賞の候補となり、全米映画俳優組合賞主演女優賞を受賞した。
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『ダウト あるカトリック学校で』のネタバレ感想
フリン神父の黒人生徒との性犯罪が本当に真実が如何なのか良く分からないので、想像で判断するしかありません。メリル・ストリープ演じるシスター・アロイシアスのフリン神父の不正行為に対する確信は、いったいどこから来るのでしょうか?状況に係わる証言だけで、判断してしまっては危いのではと思います。しかしながら、シスター・アロイシアスの確信はびくともしないところは異常とも思えました。
ヴィオラ・デイヴィス演じる黒人生徒の母親ミラー夫人の演技も迫力満点でした。メリル・ストリープに対して一歩も引き下がりません。子供が6月に無事卒業出来れば、その間、何が息子に起きても喜んで受け入れようというはっきりした覚悟が出来ているところは、はっと驚かされました。世の中自分達だけの善悪の価値判断だけではないという事も知る事が出来ます。(多様性と考えてよいのか分かりませんが、何事も勝手な決めつけで判断すべきではないという事を強く感じさせられました)
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