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おすすめ映画『BIUTIFUL ビューティフル』(2010/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)感想‣黒澤明の「生きる」にインスパイアされ生まれた傑作!

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『BIUTIFUL ビューティフル』のあらすじ概要

LEEROY AgencyによるPixabayからの画像

スペイン、バルセロナに暮らすウスバル(ハビエル・バルデム)はかつてメキシコからこの地に移住した移民の男。2人の愛する子どもと情緒不安定でドラッグに頼る妻を養うため、大都会の片隅で、時には麻薬取引や移民の不法労働の手配など、違法な仕事にも手を染め、何とか日々の糧を得ていました。 そんなある日、突然膀胱がんが発覚、もはや治療が手遅れの為、余命2ヵ月を宣告され絶望に打ちひしがれるウスバルは、家族にはその事実を隠し通そうとします。自分自身の死の恐怖にも増して、何よりも遺される子どもたちの今後が、苦しみとして重くのしかかってきます……。

本作品はウスバルの眼を通じて、誰もが目を背けたくなる、どうしようもない悲しい現代社会の病理をリアルに映しながら、真っ暗な闇の中から一筋の光を見いだそうとする人間の強さと美しさが描かれています。

また、大勢の雑多な移民がひしめき、過酷なサバイバルを強いられている観光都市バルセロナの“影”の部分を鮮烈にえぐり出した、ドキュメンタリー的な視点も強烈な印象を残します。

「バベル」「21グラム」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作。ハビエル・バルデムが第83回米アカデミー主演男優賞にノミネートされた感動の人間ドラマ。

『BIUTIFUL ビューティフル』のスタッフとキャストについて

Michelle RaponiによるPixabayからの画像

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督:1963年、メキシコシティ生まれ。長編映画初監督作「アモーレス・ペロス」(00)が、カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞

監督は、米アカデミー賞3冠に輝いた「レヴェナント 蘇えりし者」以来となる新作映画「Limbo(原題)」の撮影を開始したと、米ロサンゼルス・タイムズ紙が報じています。

監督作品投稿記事➢

ネタバレ感想|「レヴェナント 蘇えりし者」(2015)レオナルド・ディカプリオ主演サバイバル映画

映画感想|『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)

おすすめ映画|『バベル』(2006/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)

ハビエル・バルデム(ウスバル)「ライブ・フレッシュ」「夜になるまえに」「海を飛ぶ夢」などの重厚かつ奥深い人間ドラマの主演を務め、スペインを代表する名優の地位を確立。「ノーカントリー」で謎の殺し屋アントン・シガーを圧倒的な存在感で演じ、アカデミー助演男優賞を見事に獲得。今や誰もが認めるスペインを代表する世界屈指の実力派俳優のひとり。

おすすめ映画|『ノーカントリー』(2007/コーエン兄弟監督)危険な殺し屋をハビエル・バルデムが怪演!

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『BIUTIFUL ビューティフル』のネタバレ感想

Myriams-FotosによるPixabayからの画像

どうしようもない底辺で暮す人々の苦しみを十分に描いています。次々とありとあらゆる災難が降り掛かる様は全く慰めの言葉が思い浮かびません。ここまでリアルに映像化が可能なのかと思える程の不幸、短時間に凝縮されたストーリーの展開に驚くばかりです。極めつきは主人公ウスバルが末期癌で余命2カ月と宣告されてしまうところです。残された小さな子供二人の将来はどうなってしまうのか、映画観客も大変不安を感じるところです。

映画を観る前に読んだ解説では”一筋の光”人間の”強さ”と”美しさ”という文字があったので淡い期待を抱き見続けました。本当に一筋の光が見えて来たのかどうか、はっきり言って自信がありません。ウスバルの妻は憂鬱症を患っている為、本当に残された幼い子供の面倒を見切れるのか?同居を始めたセネガル人夫婦はアフリカへの帰国を思い留まりますが、これからどれだけの期間子供たちの面倒を見てくれるのか等々不安の種は尽きません。

それにしても、余命宣告を受け乍らもウスバルは自暴自棄にならず、ひたすら周囲の人間には不治の病を隠し続け、平静を装い、子供たちに父の逞しい姿を記憶に残そうとしているところが伝わってきました。自分が、もしも同じ立場ならが、このような態度で最期を迎える勇気は無いと思います。自分の運命に逆らわず素直に受け入れ、さらに残された日々を兎に角前向きに生き続けようとする真摯な姿が、心に深く刻み込まれる映画でした。

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