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おすすめ映画『アメイジング・グレイス』(2006/マイケル・アプテッド監督)感想‣時代を超えて愛され続ける名曲「アメイジング・グレイス」の誕生秘話

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『アメイジング・グレイス』のあらすじ概要

時代を超えて愛され続ける名曲「アメイジング・グレイス」の誕生秘話と、この曲に支えられて戦った政治家ウィリアム・ウィルバーフォースの生涯を描く伝記映画。

18世紀イギリスで、裕福な家庭に生まれ育った青年ウィリアムは、貴族階級の大きな収入源となっていた奴隷貿易制度に疑問を抱いていました。21歳の若さで議員となったウィリアムの周囲には、数少ない同志や愛する妻、そして師であり、奴隷貿易船の船長から悔い改めて牧師となったジョン・ニュートンがいました。ジョンが1772年に作詞した「アメイジング・グレイス」を心の支えとし、ウィリアムはケンブリッジ大学での親友ウィリアム・ピットらと共に、数々の困難を乗り越えながら、漸く若き政治家が志した奴隷貿易制度廃止が成立したのは1833年でした。

当時イギリスの議会では奴隷貿易そのものは非人道的なもので廃止するべきものと頭ではわかっているものの、莫大な利益が見込める事と奴隷貿易がないと中南米のプランテーションの経営そのものが成り立たなくなることが懸念され、奴隷貿易そのものの廃止にはなかなか動かなかった実情がありました…

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『アメイジング・グレイス』のスタッフとキャストについて

マイケル・アプテッド監督:1941年生まれ、イギリス/バッキンガムシャー州出身。1973年に『The Triple Echo』で映画監督としてデビューし、4作目の『アガサ 愛の失踪事件』(79年)で認められてハリウッドに招かれる。5作目の『歌え!ロレッタ愛のために』(80年)でシシー・スペイセクにアカデミー主演女優賞をもたらしている。

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ヨアン・グリフィズ :1973年生まれ、イギリス/カーディフ出身。(ウィルバーホース)伝記映画「オスカー・ワイルド」や名作「タイタニック」(ともに97)に出演後、海洋冒険小説のTVドラマ化「ホーンブロワー 海の勇者」(98〜03)に主演。

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ロモーラ・ガライ(バーバラ・スプーナー):1982年生まれ、香港出身。10才まで香港とシンガポールで育つ。ウッディ・アレン監督作「タロットカード殺人事件」(06)で実力を見せ、本作品「アメイジング・グレイス」(06)でヒロインを、フランソワ・オゾン監督の「エンジェル」(07)で主演を務めた。

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ベネディクト・カンパ―バッチ(ピット首相):1976年生まれ、イギリス・ロンドン出身。TV映画「ホーキング」(04)で物理学者スティーブン・ホーキング氏を演じて英国内で高い評価を受け、BBCのTVシリーズ「SHERLOCK シャーロック」(10~)のシャーロック・ホームズ役でブレイク。

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『アメイジング・グレイス』のネタバレ感想

アメリカのリンカーン大統領の奴隷解放宣言は有名ですが、本作品で語られている政治家ウィリアム・ウィルバーフォースの奴隷貿易廃止の運動に関しては全く無知でした。イギリスでも奴隷貿易廃止が議会で決定されたこと自体初耳でした。

ウィリアムが師と仰ぐジョン・ニュートンは奴隷船の元船長であり、当時のアフリカから輸送される奴隷たちの悲惨な状況を語っています。大西洋航路を何週間かの間に半数が死んでしまい、遺体は海に投げ捨てられるという事でした。やはり、人類のおぞましき汚点として消し去る事の出来ない歴史的事実だと思います。中南米のプランテーション経営には黒人労働者は必要不可欠として、永年に渡り悪しき奴隷貿易が継続されてきました。

議会制度が進んでいるイギリスでも、一部奴隷貿易商、現地プランテーション経営者に莫大な利益をもたらしながらも非人道的と分かり切っている制度の廃止に数10年以上の長い努力が必要だった事が描かれています。その間にも莫大な人数の犠牲者が新たに生み出された事を想うと本当に気の毒としか言いようがありません。英国史の暗黒部分に光を当てた作品一見の価値ある作品です。

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