『ジェーン・エア』のあらすじと概要
繰り返し映像化されてきたシャーロット・ブロンテの不朽の同名小説の映画化作品を、「アリス・イン・ワンダーランド」「永遠の僕たち」のミア・ワシコウスカ主演で映画化。過酷な運命に晒されながらも、女性ひとり持ち前の知性と慈愛に満ちた精神でたくましく生き抜いていく女性の姿が、繊細なタッチで描かれます。
監督は、長編デビュー作「闇の列車、光の旅」(2009)が高い評価を受けた日系米国人のキャリー・ジョージ・フクナガ。
生徒として6年間、教師として2年間寄宿学校ローウッドで辛い思いをして過ごした孤児のジェーン・エアは、教師の資格を取り、やがてソーンフィールドという屋敷で住み込みの家庭教師の職を得ます。晴れて新しい生活を手したジェーンは、屋敷の主人ロチェスターと恋に落ちていき、身分を超えた恋愛を経験し結婚を申し込まれます。しかし、ロンチェスターはある重大な秘密を抱えていました……。
ロチェスター役に「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」「SHAME シェイム」のマイケル・ファスベンダーが出演。
原題:Jane Eyre
『ジェーン・エア』のスタッフとキャストについて
キャリー・ジョージ・フクナガ監督:米カリフォルニア州出身の日系アメリカ人。列車でアメリカを目指すメキシコ移民の現実を描いた長編監督デビュー作「闇の列車、光の旅」(09)でサンダンス映画祭の監督賞を受賞しています。そしてなんと、大好評だった人気スパイ映画シリーズ第25弾「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(20)でもメガホン取っています。
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ミア・ワシコウスカ(ジェーン・エア):オーストラリア・キャンベラ出身。ティム・バートン監督作「アリス・イン・ワンダーランド」のアリス役に抜てきされ、世界中の注目を集める/本作品では、不幸な境遇をものともせぬ力強いヒロインを好演しています。
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マイケル・ハァスベンダー(ロチェスター):クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」(09)で主要キャストのヒコックス中尉役に抜てきされています。
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サリー・ホーキンス:全般の最初少しだけの出演、ジェーンを疎んずる冷酷な(血のつながりの無い)伯母として彼女を孤児の集まる学校に送り込む役。
ジュディ・デンチ(フェアファックス夫人)本作品では女中頭としてジェーンを側面から支える役どころ。
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『ジェーン・エア』のネタバレ感想
ネタバレ有り。
原作を和訳で読んだのは遥か昔、高校時代だったと思います。文学少女の必読書と勝手に思い込んでいました…『嵐が丘』『ジェーン・エア』で描かれるイギリスの荒涼とした原野(ヒース)がどんなものなのか、空想するしかありませんでした。本作冒頭のシーンで、ジェーン・エアが荒野を彷徨い歩き、行き倒れ寸前にリヴァースに救われます。この場面を見て小説の中の風景がようやく脳裏の中で「現実」のものとなりました。
ジェーンは孤児となり不幸な少女時代を過ごしますが、それが人格形成に良い意味で強く作用し、自立した自己確立がなされていました。やはり当時の英国の女性としてはかなり数少ない、とても先進的な「考え方」を持っていました。関心する点は、自分自身が貧乏である事を決して卑下してない、気高い精神力に驚きます。
ロチェスターはジェーンの中に崇高な女性像を見出し、身分の差を超えて恋に落ちています。但し、親が決めた政略婚とはいうものの、既に結婚している身でありながらジェーンに求婚する事は、やはり自分勝手というより他にありません…(こんなことが許される深い意味があるのでしょうか?)
なお、監督のキャリー・ジョージ・フクナガ監督は米カリフォルニア州出身の日系アメリカ人です。つい最近の人気007シリーズ「 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(20)の監督も務めているというから驚きです。純粋なラブロマンス作品からスパイアクション映画までこなしてしまう驚くべき才能、こちらにもびっくり仰天しました。
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