『スターリングラード』のあらすじ概要
「プライベート・ライアン」にも匹敵する、冒頭の戦闘シーン。実在した2人の天才スナイパーの鬼気迫る一騎打ち。第二次大戦中、死傷者200万人を記録した壮絶な“スターリングラードの戦い”をテーマに、伝説のスナイパーの極限状況における愛と苦悩を描いた戦争ドラマ
1942年9月。1カ月にわたり、ナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードに、ソビエト軍新兵として赴任してきたヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)。彼はウラルの羊飼いの家に育ち、祖父に射撃を仕込まれた腕利きでしたが、当初一兵士でしかないヴァシリは銃も与えられず、弾丸だけを渡され、大激戦地へと送り込まれるシーンには驚きました。
敵の銃弾が降り注ぐ中、死体に紛れて反撃の機をうかがっている時、同じように身を潜めていた青年政治将校ダニロフと出会います。ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)のライフルを借りたヴァシリは驚くべき正確さで敵兵を次々と仕留めていきました……。やがて彼の射撃の腕はソビエト軍の志気を高めるためのプロパガンダとして利用され、ヴァシリは英雄へとまつりあげられて行きました。
2001年製作/132分/アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド合作
原題: Enemy at the Gates
『スターリングラード』のスタッフとキャストについて
ジャン=ジャック・アノー監督:1943年フランス出身。アノー監督は保存資料やニュース映像を頼りにこの壮大なシーンを作りあげた。他の戦争映画は一切見ないし、影響を受けたくないという。カメラ7台にエキストラ700人を動員した大がかりな撮影だが、ラブシーンの演出に比べたら、簡単だったと監督は語っているそうです!
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ジュード・ロウ(ヴァシリ・ザイツェフ):ウラルの羊飼い、狙撃術を祖父に仕込まれる/英ロンドン出身。1994年、「ショッピング」でスクリーンデビューし、「真夜中のサバナ」(97)などのアメリカ映画に出演して注目を集め、「リプリー」(99)でアカデミー助演男優賞、「コールド マウンテン」(03)で同主演男優賞の候補となる
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ジョセフ・ファインズ(ダニロフ):ソ連軍の政治将校、ヴァシリの狙撃能力を認め機関誌で取り上げ赤軍の英雄に仕立て上げる/1996年に『魅せられて』で映画デビュー。1998年公開の『エリザベス』と『恋におちたシェイクスピア』で国際的に知られるようになる。
レイチェル・ワイズ(ターニャ・チェルノワ):ドイツ文學に造詣が深い、志願して従軍している/イングランド・ロンドンのウェストミンスターで生まれ。1999年公開の大ヒット作『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』で国際的に名前が知られるようになる。以降、ラブコメやアクションなど、様々な映画に出演する。出世作『チェーン・リアクション』でペアを組んだキアヌ・リーブスとは『コンスタンティン』で再共演している。
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エド・ハリス(エルヴィン・ケーニッヒ少佐):狙撃の名手ドイツナチスに忠誠を誓う。冷静沈着で獲物を狙う恐ろしい存在。情報元であった少年を殺害、囮として使うなど冷酷無比な面もある/俳優としての転機は1980年公開の『ボーダーライン』でチャールズ・ブロンソンと共演したことであります。翌年の『ナイトライダーズ』ではバイクに乗ったアーサー王を演じた。
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『スターリングラード』のネタバレ感想
映画開始早々の圧巻の戦争シーンに驚愕しました。武器が不足しているのか、戦場に輸送が間に合わないのか良く分かりませんでしたが、ロシア軍のライフル銃は兵士二人に一丁、ライフル銃を待たずに弾丸(しかも10発程度)だけを手渡されてどうやって敵と闘うのか? 圧倒的武力に優れるドイツ軍の前になすすべなく、ほとんど兵士は斃れていきます。撤退を余儀なくされたソ連軍兵士に対して、今度は後方の味方から「脱走兵」と見做され機銃掃射を浴びせ掛けられるという地獄絵!! 双方合わせて死傷者200万人前後と言われている大激戦であった事もこの映画からその悲惨さの一部を知る事が出来ます。この映像を見れば、誰もが同じような過ちは二度と起こしたくないと思うに違いありません。
戦闘シーンを連続2時間も見せられると思うと少々げんなりしました。しかし、序盤の戦闘シーン以降、ジュード・ロウ扮するスナイパーの大活躍とドイツ軍の名手ケーニッヒ少佐との一騎打ちが描かれていきます。
独ソ戦の攻防と思いきや、スターリングラード(現ボルゴグラード)を舞台にする緊迫感溢れる狙撃手同士の闘いに焦点を当てており、少し肩透かしを食った感は否めません。しかしながら、主演ジュード・ロウは、極めて悲惨な状況の中でも決して絶望する事なく、逞しく生き延びる新米兵士役を見事に演じています。見逃す事が出来ない作品だと思います。
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