映画『イングリッシュ・ペイシェント』のあらすじ・概要
1930~40年代の戦時下を舞台に、イタリアと北アフリカ、2つの大陸にまたがって繰り広げられる愛の物語を壮大なスケールで描いた人間ドラマ。
ブッカー賞を受賞したマイケル・オンダーチェの小説「イギリス人の患者」を原作に、アンソニー・ミンゲラが監督・脚本を手がけています。
1944年、イタリア。砂漠の飛行機事故で全身に火傷を負い、記憶を失った男が野戦病院に担ぎ込まれました。その男アルマシーは徐々に記憶を取り戻し、看護師ハナに断片的な思い出を語り始めます。彼は、ハンガリーの伯爵家に生まれた冒険家であり、アフリカのサハラ砂漠で地図製作に没頭していました。1938年、アルマシーはイギリスから来た人妻キャサリンと激しい恋に落ちるのですが……。
アルマシーを「シンドラーのリスト」のレイフ・ファインズ、キャサリンを「ミッション:インポッシブル」のクリスティン・スコット・トーマス、ハナを「ポンヌフの恋人」のジュリエット・ビノシュが演じています。第69回アカデミー賞で、最多12部門でノミネートされ、作品賞を含む9部門を受賞しています。
なお、本作で共演したレイフ・ファインズとジュリエット・ビノシュは、ウベルト・パゾリーニ監督の新作「The Return(原題)」で久しぶりに共演するという情報があります。内容は、古代ギリシャの詩人ホメロスによる叙事詩「オデュッセイア」を、オリジナルのアイデアを加えながら新たな視点から描く作品です。どのような映画が出来上がるのか楽しみな作品です。
1996年製作/162分/アメリカ
原題:The English Patient
映画『イングリッシュ・ペイシェント』のスタッフとキャストについて
アンソニー・ミンゲラ監督・脚本:イギリス・ワイト島出身。
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レイフ・ファインズ(ラズロ・アルマシー):イギリスを代表する俳優の一人/ハンガリー出身の冒険家、アフリカ地区の地図作成に没頭している。ラストでは英国軍にドイツ人と誤解され強制撤去される直前列車から飛び降り、ドイツ軍に秘密の地図を手渡す代償として、飛行機の燃料の提供を受け、キャサリンの居る洞窟に向かう。
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ジュリエット・ビノシュ(看護婦ハナ):フランス・パリ出身/瀕死の負傷を折ったアルマシーの看病の為に献身的に尽くす。
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ウィレム・デフォー(デヴィッド・カラヴァッジョ):カナダ軍諜報部員。自分の写真を撮影したアルマシーを追っている。
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クリスティン・スコット・トーマス(キャサリン・クリフトン):英コーンウォール出身/夫ジェフリーと一緒にアフリカにやって来る。
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映画『イングリッシュ・ペイシェント』のネタバレ感想
(ネタバレ有り)出演陣の超豪華さにまず度肝を抜かれた映画でした。当然の事乍ら出演者の若さに驚きました。中でも、最近はかなりの貫禄のあるレイフ・ファインズが、若さ溌剌で眩しい美男子振りに改めて驚きました。現在のブラッドリー・クーパーに瓜二つの為、血の繋がりでもあるのかとふと思ってしまいました。
二つの大陸を又に掛けた大恋愛劇です。砂漠と戦争という非日常的な舞台で燃え上がる恋も、更に夫ある人妻相手というストーリー展開も倫理観抜きにして、感情移入して魅入る人々に大絶賛され、第69回アカデミー賞で、最多12部門でノミネートされ、作品賞を含む9部門で堂々受賞している作品というのも頷けます。
キャサリンの夫ジェフリー(コリン・ファース演じる)は余りに気の毒で同情してしまいました。最後はドイツ軍からの砲撃が被弾し操縦が思い通りにいかなかったのか、あるいは嫉妬の余り、故意にアルマシーに体当たりしようとしたのか、はっきりわかりません。気の毒にも、非業の最期を遂げてしまいました。
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