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映画『きっと ここが帰る場所』(感想)引きこもりの元ロック界のスーパースターが、父の思いを辿りアメリカ縦断の旅へ!?

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映画『きっと ここが帰る場所』のあらすじ・概要

名優ショーン・ペンが今は引きこもりの、嘗てのロックのスーパースター扮し、亡き父の思いをたどってアメリカ横断の旅に出る姿を描くコメディ・ドラマ。

人気絶頂の最中に表舞台を去り、アイルランド・ダブリンの広大な邸宅で、今でも現役当時のままの派手なメイクとファッションを身に纏ってはいるものの、妻と共に穏やかな日々を過ごしていたロックスターのシャイアンのもとに、故郷アメリカから30年以上も会っていない父親が危篤との報せが届きます。

飛行機嫌いなシャイアンは船でニューヨークに戻りますが父親の臨終には間に合わず、ユダヤ人だった父が元ナチス親衛隊の男で、自分を辱めたナチスのSS隊員アロイス・ランゲを執拗に探し続けていたことを知ると、父にかわって男を探す旅に出ます。

「トーキング・ヘッズ」のデビッド・バーンが本人役で出演し、音楽も担当。タイトルも「トーキング・ヘッズ」の同名曲からとられている。監督は「イル・ディーヴォ」「愛の果てへの旅」のパオロ・ソレンティーノ。

監督4作目の『イル・ディーヴォ』で2008年カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞したパオロ・ソレンティーノ監督。この作品に惚れ込んだ審査員長のショーン・ペン。この二人が意気投合して、いっしょに新作をつくることを約束してできた作品が『きっと ここが帰る場所』だという。

 

2011年製作/118分/イタリア・フランス・アイルランド合作
原題:This Must Be the Place

Thomas WolterによるPixabayからの画像

映画『きっと ここが帰る場所』のスタッフとキャストについて

パオロ・ソレンティーノ監督:イタリア・ナポリ出身。2006年『L’amico di famiglia』がカンヌ国際映画祭でパルム・ドールにノミネートされ、以降4作連続でカンヌに出品されています。

ショーン・ペン(シャイアン・嘗ての人気ロックスター):95年に、『デッドマン・ウォーキング』に出演、初のアカデミー賞主演男優賞候補に挙がる。99年、『ギター弾きの恋』で2度目の、01年『I am Sam アイ・アム・サム』で3度目のアカデミー賞主演候補を経て、03年、『ミスティック・リバー』でアカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得を獲得しています。

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フランシス・マクドーマンド(ジェーン・シャインの妻、消防士):『ミシシッピー・バーニング』、『あの頃ペニー・レインと』(00)、『スタンドアップ』(05)で3度助アカデミー賞演賞候補となっている。

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イヴ・ヒューソン(メアリ―・シャインの傍に住むロック好きの少女、U2ボノの娘):

映画『きっと ここが帰る場所』のネタバレ感想

(ネタバレ有り)精神的に落ち込んでいる元ロックスターの肖像を描きだすことと、元ナチの老人を追跡することのまったく異なるテーマを一つの物語にして映画化した作品です。ちょっと懸け離れたテーマの融合というかなり大きなリスクを犯した作品と言えます。

果たしてこの二つが上手く融合・昇華されたのかどうかは御覧になった方の判断に任さざるを得ないと思います。

映画冒頭ショーン・ペンとはすぐわかりはするものの、白塗り、アイシャドー、真っ赤な口紅というメイクの衝撃の人物の出現にまず度肝を抜かれました。(実は本作品を見たのは二度目でしたが…)語り口調もまったくショーン・ペンらしくない話し振りで、今回も役(シャイアン)に徹し切っているなぁという感じを受けました。更にU2ボノの娘であるイヴ・ヒューソンが演じるメアリーの存在感も大きく、てっきりあまりにシャイアンと仲睦まじいので娘かと思ったら、近所に住むシャイアンのファンであるロック少女でした。

更にに驚いたのが、シャイアンの妻ジェーンをフランシス・マクド―マンドが演じていました。堅実そうで、少し捌けたところはあります。真っ当な女房役というのも何となく、元ロック界のスーパーヒーロー(の亭主)とは不釣り合いな奥さんという感じはしました。しかも職業が現役”消防士”という設定もかなりぶっ飛んでいました。

しかしながら、突如ストーリーの展開は父親が危篤という知らせを受け、舞台はアイルランドからニューヨークに飛び、更に、父親が永年追跡していた”宿敵”を探すロードムービーへと大きく切り替わる事になります。淡々とエピソードは重ねられはするものの、正直言って結末に向けて盛り上がりに少し欠ける感は否めませんでした。また、ホロコーストの犯罪の一端の責任はあるとはいえ、もはや相手は95歳という高齢者で、どうすることも出来ません。

シャイアンに取って最大の収穫は亡父との30年間にわたるわだかまりが解け、和解出来たと確信できたことかもしれません。アイルランドに戻った時、メイクをすっかり落としたすっきりした表情の笑顔がとても印象に残りました。

 

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