映画『脳内ニューヨーク』のあらすじ・概要
「マルコヴィッチの穴」「エターナル・サンシャイン」の人気脚本家、チャーリー・カウフマンの初監督作。
額を切って病院へ行けば、原因不明の病気と診断され、家族からは、自分が演出した自信満々の舞台をけなされてしまう。 夫婦仲も上手くいかず、遂には愛する妻と娘に捨てられてしまいます。妻と娘に家を出て行かれ、行き詰っていたニューヨークの劇作家ケイデン・コタードは、ある日突然、マッカーサー・フェロー賞(別名“天才賞”)を受賞します。そして、 大金と名誉を手に入れた彼は人生をやり直そうとそのすべてを注ぎ込んだ、一世一代のプロジェクトを実行します。自身が思い描くニューヨークを巨大倉庫の中にニューヨークそのもののセットを作り出し、そこで自身の日常生活の細部まで演劇として再現する、というどこか奇妙でパワフルな壮大な芸術プロジェクトを構想しますが……。
ケイデン役にフィリップ・シーモア・ホフマン、彼を取り巻く女性たちにミシェル・ウィリアムズ、キャサリン・キーナーら豪華女優陣が大集合。
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2008年製作/124分/アメリカ
原題:Synecdoche, New York
映画『脳内ニューヨーク』のスタッフとキャストについて
チャーリー・カウフマン監督・脚本:2000公開のスパイク・ジョーンズ監督作品『マルコヴィッチの穴』で長編映画の脚本を務め、一躍有名になる。奇想天外なストーリー展開で良く知られています。
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フィリップ・シーモア・ホフマン(ケイデン・コタード):2005年公開の『カポーティ』でアカデミー主演男優賞とゴールデングローブ主演男優賞を受賞しています。2008年公開の『ダウト〜あるカトリック学校で〜』でアカデミー助演男優賞に2年連続でノミネートされています。
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サマンサ・モートン(ヘイゼル):1999年公開のウッディ・アレン監督作品『ギター弾きの恋』で、一言も話さないヒロインを演じて、アカデミー助演女優賞にノミネートされています。
ミシェル・ウイリアムズ(クレア・キーン):➢映画『ゲッティ家の身代金』(感想)非情な大富豪と誘拐された孫の気丈な母親との対峙がたいへんな見所
キャサリン・キーナ―(アデル・ラック):トム・ディチロやスパイク・ジョーンズなどが監督するインデペンデント系作品で活躍をしている。2001年に『マルコヴィッチの穴』、2006年に『カポーティ』でそれぞれアカデミー賞助演女優賞候補となっている。
映画『脳内ニューヨーク』のネタバレ感想
かなり複雑なストーリーに正直付いて行くことがかなり辛い映画でした。また、フィリップ・シーモア・ホフマン扮するケイデンを取り巻く女性が非常に顔が似ていて(彼の元を去った元妻は別)、最初の内はこれも区別がまったく着かず混乱に輪を掛ける事になりました。
話は逸れますが、サマンサ・モートンはフェデリコ・フェリーニの映画『道』に出演していたジュリエッタ・マシーナに瓜二つだったので一瞬ハッとしました。まさか、血縁は多分無いのだろうと思いますが…
ケイデンは原因不明の病気が原因で四六時中不機嫌な顔をしています。視聴しているこちらも段々意識が蝕まれるのではなかろうかと少々心配になる程でした。
なお、マッカーサー・フェロー賞(天才賞)はまったく知らなかったので調べてみたら、実在する賞で賞金は、なんと、総額62万5000ドル!しかも5年間に渡り毎年授与されるという素晴らしい栄誉でした。選考基準は「格別な独創性に富んだ、献身的な活動を展開する個人を表彰する」とあります。アメリカは何と大らかな国なんだろうと思いました。
しかしながら、この賞金を得たにしてもあれだけの大掛かりな舞台装置や大規模なキャストを揃えての長期の舞台演出にはもっと莫大な経費が掛かったのではないかと想像されます。
天才の考える事は凡人には及びもしない事は分かりますが、”脳内”のアイデアは無限大の広がりを見せるという事だけは良く分かりました。
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