>

映画『列車に乗った男』(2002/パトリス・ルコント監督)感想‣まったく別の世界に生きる男同士の奇妙な交差

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
Markéta MachováによるPixabayからの画像
スポンサーリンク

映画『列車に乗った男』のあらすじ・概要

「仕立て屋の恋 」「橋の上の娘」のパトリス・ルコント監督が描く、全く異なった人生を歩んできた2人の男が、偶然に交差する友情物語。主演は「髪結いの亭主」のジャン・ロシュフォール、「ゴダールの探偵」のジョニー・アリディ。列車から降り、薬局に立ち寄ったミランは、そこで初老の男性、マネスキエと出会い、彼の家に立ち寄ることになります。

ミラン(アリデー)は、週の初めに電車で小さな町に到着します。ホテルは閉鎖されていますが、彼は引退したフランス人教師、マネスキエ(ロシュフォール)との偶然の出会いを通して、薬局で頭痛薬を買い求めたミランを見掛け水を飲ませる為に自宅に呼び寄せた事が縁となり。宿泊場所を提供することになります。本作品は、まったく異なる素性の2人の男の関係が発展していくという物語を描いていますが、背景には、それぞれが土曜日に起こることを期待している(!?)ある避けられない出来事があります。ミランは(最初はこの秘密を守っていますが…)土曜日に銀行強盗を決行することが目的でこの鄙びた町にやってきたのでした。マネスキエはすぐにミランの計画に気づきます。しかし、お互いのライフスタイルを相互に尊重して2人の独自の世界に干渉しようとはせず、数日間を過ごす事になります。ところが、最後に銀行強盗を実行を思いとどまるように話をしますが、ミランは計画を思いとどまる事はありませんでした…

2002年製作/90分/フランス・ドイツ・イギリス・スイス合作
原題:L’Homme du train

David MarkによるPixabayからの画像

映画『列車に乗った男』のスタッフとキャストについて

パトリス・ルコント監督

映画『ぼくの大切なともだち』(2006/パトリス・ルコント監督)感想‣友人のいない中年男が真剣に親友作りに奔走するコメディ映画

ジャン・ロシュフォール(初老の男マネスキエ):大学教授として孤独な日々を送っている。

おすすめ映画感想|『髪結いの亭主』(1990/仏パトリス・ルコント監督)官能的なラブストーリー。こんな魅力ある床屋に行ったことはない!

ジョニー・アリディ(謎のアウトロー・ミラン):ロックスター。フランスにロックンロールをもたらしたことで知られています。

Oleg MityukhinによるPixabayからの画像

映画『列車に乗った男』のネタバレ感想

(ネタバレあり)初老の男マネスキエは大きな古い邸宅にたった一人で暮していました。元学校の校長で、文学(詩)が専門でした。明らかによそ者と分かる男ミランを何の躊躇することなく自分の家に招き入れます。薬局で見掛け頭痛薬を自分の家で飲ませる為でした。その後、その町のホテルは休業中の為、マネスキエの邸宅に戻り、泊まる事になります。

マネスキエは一方的にミランに強い感心を示し、饒舌に自分のあらゆる事を語り始めます。マエスキエは当初自分以外のことには一切感心を示さず、鬱陶しく感じていました。ところが、ミランは徐々に今までまったく経験したことの世界の中で数日を過ごすうち、昔読んだ「詩」の一節を思い出したり、履いた経験も無い「部屋履き」を履くことで、不思議な「安堵」を感じていたのかもしれません。

また、マネスキエはミランが隠し持っていたピストルを偶然見つけ、彼がこの町に来た目的(銀行強盗?)を敏感に察知します。さらに、男が身に着けていたコートを借りて羽織り、うっとりとした表情を浮かべます。

生まれも・育ちも違い、今まで歩ん出来た道も極めて異質な人間同士ながら、微妙な波長が絡み合い『友情』を超えた『絆』のようなものが醸成されていく様子が克明に描かれていきます。視聴者は「万が一にもこんな出会いの可能性はあり得ない」と思いつつも、映像世界にかじり付く事になる、何とも言えない魅力を感じるのではないでしょうか?

アラン・ドロンが出演する映画ではアウトローの主人公は最後にはほとんど殺されて終わるのですが、ルコント監督の作品ではまったく異なるラストに衝撃を受けました。また、チャールズ・ブロンソンとアラン・ドロン共演の『さらば友よ』で無言で煙草の火を差し出すドロンのシーンに通じるラストの無言で鍵を渡すシーンなどやはりフランス映画だなぁと感じさせられました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました