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新作映画『ドライビング・バニー』(2021/ゲイソン・サバット監督)感想‣家庭支援局に立てこもり!?一転、まさかの特殊部隊が出動する緊迫した状況に!

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Jongjoon MoonによるPixabayからの画像
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映画『ドライビング・バニー』のあらすじ・概要

住む家も無い、金も無い、仕事も無い、過酷な状況に置かれながらも前向きに生きてきた女性が、離れて暮らす愛娘を取り戻すため戦う姿をユーモアたっぷりに描くロードムービー。

ある事情から妹夫婦の家に居候している40歳の女性バニー、人生どん底状態でありながら、情とウィットを忘れないで力強く生きています。幼い娘とは監視つきの面会しかできませんが、娘の誕生日までに新居に引っ越して一緒に暮らし、ささやかな誕生日パーティーを開くことを夢見て必死に働いています。そんなある日、妹の新しい夫ビーバンがガレージの車の中で、継娘トーニャに言い寄っている場面を目撃したバニーはビーバンに立ち向かいますが、この事から家を追い出されてしまいます。住む場所まで失ったバニーは救い出したトーニャとともに、愛する娘を奪い返すべく、ルールもモラルも完全無視の“子ども奪還作戦”へと突っ走ります。

「ベイビーティース」のエシー・デイビスが主演を務め、「ラストナイト・イン・ソーホー」のトーマシン・マッケンジーがトーニャを演じています。2021年・第20回トライベッカ映画祭で審査員特別賞を受賞、米批評サイトのロッテントマトで100%を獲得しています。

2021年製作/100分/ニュージーランド
原題:The Justice of Bunny King

Dedoceo HabiによるPixabayからの画像

映画『ドライビング・バニー』のスタッフとキャストについて

ゲイソン・サバット監督:ニュージーランド在住の中国人映画監督。カメラマンとしてキャリアをスタート、本作で長編映画デビューを果たしています。

エシー・デイビス(バニー・キング):『ベイビーティース』(19)でオーストラリア・アカデミー賞助演女優賞を受賞したベテラン女優。出演作は『真珠の耳飾りの少女』(03)『シャーロットのおくりもの』(06)『オーストラリア』(08)、など。

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トーマシン・マッケンジー(トーニャ):ティモシー・シャラメ主演のNetflix映画「キング」(19)や、同郷のタイカ・ワイティティ監督作「ジョジョ・ラビット」(19)などの話題作に出演している若手実力派女優。オリンピック体操選手ケリー・ストラグを演じるオリヴィア・ワイルド監督作 『Perfect(原題)』などの公開が控えています。

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Manu DavisonによるPixabayからの画像

映画『ドライビング・バニー』のネタバレ感想

【ネタバレあり】

社会の最底辺に生きながらも、決して笑顔と希望を失わず、前向きに生きる逞しい姿は輝きに満ち溢れていたと言いたいところです。しかしながら、離れて暮らす実の娘と約束したささやかな誕生日パーティーを開く為に、オークランドから旅して来た田舎町の『家庭支援局』を舞台に立てこもり事件を引き起こし、挙句の果てに特殊部隊を出動させるような大事件に発展してしまったことは決して笑いでは済まされません。

主人公バニー・キング自ら語っていましたが、「わたしは感情を抑えられない…」ところがある様子は映画の至る所で垣間見る事が出来ます。更に彼女と彼女の愛娘が別居して生活せざるを得ない理由が、貧しくて住む家も無い事ばかりではなく、実の亭主を殺害し懲役刑に服していた過去がある事が明らかになっていきます。

生きる糧を稼ぐ稼業は路上で自動車の窓磨きでした。ニュージーランドでは違法営業らしく、警察が取締にやって来ると仲間と一緒に大慌てで逃げ出していました。安定した職業とは決して言い難いながらも稼いだ日銭をしっかり貯金して、住宅設営の為の資金造りに励んでいました。

鉛筆削りの様な刃物しか持たずに立てこもる女性に対して、狙撃部隊を出動させ制圧に掛かるという、警察の大袈裟な対応にびっくり仰天しました。バニー・キングは最後に肩を打ち抜かれて終わります。(命に別状はなく一安心)

社会派映画というと『わたしは、ダニエル・ブレイク』のイギリスの映画監督ケン・ローチ、『ベイビー・ブローカー』是枝裕和監督、『パラサイト 半地下の家族』ボン・ジュノ監督を思い出します。やはり、これらの作品に共通する点は、一度定められた社会制度、規制などが決して完璧なものではないことを示し、実の親子のつながり、感情などを完全に無視した制度に矛盾が多い事を明確に抉り出しています。

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