映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』のあらすじ・概要
「リミッツ・オブ・コントロール」(2009)以来、約4年ぶりとなるジム・ジャームッシュの監督作。ミュージシャンと吸血鬼を題材に描くラブストーリーで、トム・ヒドルストンとティルダ・スウィントンが、孤独な宿命を背負った吸血鬼のカップルを演じています。
吸血鬼でありながら、マルチミュージシャンとして活躍するアダムは、自己破滅的な人間たちの振る舞いを憂えていた。そんなある日、何世紀にもわたり愛し合ってきた恋人で、モロッコ・タンジールに住む吸血鬼のイヴと久しぶりにデトロイトで再会します。しかし、イヴの妹エヴァが2人のもとを訪れたことをきっかけに、3人の運命に少し変化が起こります。共演にミア・ワシコウスカ、ジョン・ハート、アントン・イェルチン。
2013年製作/123分/アメリカ・イギリス・ドイツ合作
原題:Only Lovers Left Alive
映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』のスタッフとキャストについて
ジム・ジャームッシュ監督:オハイオ州アクロン出身。1980年代初頭のデビュー以来、ニューヨークを拠点に活動を続け、いまや米インディペンデント界最大の巨匠と呼ばれる映画監督のひとり。常にハリウッドからは距離を置き、30年もの長いキャリアにわたって「小さな映画」を撮り続けてきました。『リミッツ・オブ・コントロール』からおよそ4年ぶりに放つ作品。
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トム・ヒドルストン(アダム):ギレルモ・デル・トロ監督の「クリムゾン・ピーク」(15)、モンスター映画「キングコング 髑髏島の巨神」(17)などで活躍しています/米デトロイトでひっそりと暮らす非凡なアンダーグランンドミュージシャン。年代物のギターをつま弾き、匿名で音楽を発表しています。
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ティルダ・スウィントン(イヴ):デレク・ジャーマン監督の「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」(86)でスクリーンデビューを果たしています。「ザ・ビーチ」(00)、「コンスタンティン」(05)などハリウッド作品への出演を経て、「フィクサー」(07)でアカデミー助演女優賞を受賞。
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ミア・ワシコウスカ(エヴァ):
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ジョン・ハート(キット):『ミッドナイト・エクスプレス』やハリウッドのSF大ヒット作『エイリアン』のクルー役で名前が知られる。生涯200作以上の映画に出演//中世英国の劇作家・詩人クリストファー・マーロウ(1564〜93)として登場。歴史上では29歳の若さで刺殺されたとされる伝説の人物ですが、その没年にシェイクスピアがデビューしています。実はマーロウがシェイクスピアの正体ではないか? との大胆な仮説も存在するというから驚きです。
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映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』のネタバレ感想
(ネタバレ有り)何気ない恋人たちのちょっと変わった日常風景描写と思いきや、彼らは何百年も人間の血を吸い永遠に生きている「吸血鬼」という正体を知りびっくり仰天です。
米インディペンデント界最大の巨匠と言われるジム・ジャームッシュ監督の作品はアダム・ドライバー主演『パターソン』(これもかなり気に入った作品です)以来の2作目の視聴となりました。
風変わりな吸血鬼ストーリーです。抑揚がほとんどありません。今回の主役はアンダーグランドミュージシャンでありマニアックのファンを持つ音楽の天才でした。古い楽器などを彼に売り付けに来るある男を「ゾンビ、ゾンビ」と呼んでいるので、吸血鬼対ゾンビの抗争へ発展するのかと思いきや、どうやらまったく見当違いで「自己破滅的な行動をする人間」をゾンビと呼び、軽蔑していただけの話でした。
嘗て世界自動車産業の中心として繁栄を誇ったデトロイトの夜の街が中心舞台となります。そこにはかつての名車を量産した工場跡地、数千人の観客を収容した大規模劇場跡地などが軒を連ねます。財政破綻以降、新しい音楽シーンとしての発展の兆候もあるような語りもありました。衰退からの復調の兆し!
映像全般的には彼らの主な活動時間が夜である為、退廃的で、どんよりした倦怠感が溢れている渋めなところは、ハリウッド大作とは一線を画しています。ジャームッシュ監督が作りたい映画を、見たい人の為に作った感がありありの映画だなぁという感じがしました。穴倉生活の雰囲気、それはそれで大変”居心地の良い”映像と流れる音楽と感じる人も多いのではないかと思いました。
一方、お目当てのミア・ワシコウスカが妹の吸血鬼役で出演しています。あっけらかんとした、他映画ではほとんど見せた事の無いキャラに驚きました。この妹の出現により、アダムとイヴのラブラブモードは一挙に吹っ飛ばされる程のお騒がせ娘役もはまり役!!
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