>

映画『プロミスト・ランド』(2012/ガス・バン・サント監督)感想‣米国で問題となっているシェールガスの採掘をめぐる環境問題を取り上げ、人間の真価を問う!

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
Anita starzyckaによるPixabayからの画像
スポンサーリンク

映画『プロミスト・ランド』のあらすじ・概要

アカデミー脚本賞ほか2部門を受賞した名作「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のマット・デイモンとガス・バン・サント監督が、再びタッグを組んだ社会派ドラマ。

不況にあえぐ農場主から新たなエネルギー源として注目を浴びるシェールガス(広大なアメリカの大地に眠るシェールガスは、国家の経済や財政に多大な恩恵をもたらす天然エネルギーですが、水質汚染など)環境面の弊害が懸念されています。土地の下に眠るシェールガスの掘削権を安値で手に入れるエネルギー会社グローバル・クロスパワー・ソリューションズのエリート社員が、ペンシルベニア州のある田舎町で遭遇した出来事を通じて、自分自身の大きな人生の決断を迫られる姿を描いています。一方、頻繁に挿入される田舎町の牧歌的な生活風景、水と緑に恵まれた自然や動物たちの姿など健やかな自然風景を存分に堪能できるのも魅力となっています。

農場以外は何もない田舎町のマッキンリーに、大手エネルギー会社の幹部候補スティーヴがやってきます。マッキンリーには良質なシェールガスが埋まっており、相場よりも安値でその掘削権を手に入れるため同地に赴いたスティーヴは、町を掌握するための賄賂も仕込み、2人は住民の家を一軒一軒まわって契約を結んでゆく、いつも通りの仕事を進めていました。しかし、予期せぬ障害が立ちはだかったことをきっかけに、スティーヴは自身の仕事への信念や情熱が揺るがされていくことになります。

主演のデイモンは、「グッド・ウィル・ハンティング」同様に脚本にも参加しています。共演にジョン・クラシンスキー、フランシス・マクドーマンドといった実力派が脇を固めます。

2012年製作/106分/アメリカ
原題:Promised Land

Bruce EmmerlingによるPixabayからの画像

映画『プロミスト・ランド』のスタッフとキャストについて

ガス・バン・サント監督「マイ・プライベート・アイダホ」(91)などで注目を集め、米インディペンデント界を代表する監督となる。「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(97)は、アカデミー賞で作品賞や監督賞をはじめ9部門にノミネートされています。

おすすめ映画|『グッド・ウイル・ハンティング/旅立ち』(1997/ガス・ヴァン・サント監督)

マット・デイモン 製作・脚本・出演(エネルギー会社のエリート社員/スティーヴ・バトラー):1988年、ハーバード大学在学中にジュリア・ロバーツ出演の「ミスティック・ピザ」のチョイ役で映画デビューを飾っています。

「マット・デイモン」の出演及び関連映画おすすめ第二弾(最近見た映画、見直した映画限定の9作品。順不同)

ジョン・クラシンスキー製作・出演(環境保護団体の活動家を名乗る/ダスティン・ノーブル):脚本・監督を務めたホラー映画「クワイエット・プレイス」(18)では、10年に結婚したエミリー・ブラントと夫婦共演、同作は全米大ヒットを記録。

映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(感想)生き残る為、”絶対に音を立ててはいけない”というルールの中で生きる親子を描く!

フランシス・マクド―マンド(スティーヴの同僚スー・トマソン):社会派サスペンス「ミシシッピー・バーニング」(88)でアカデミー助演女優賞に初ノミネートされています。

映画『恋愛適齢期』(2003/ナンシー・マイヤーズ監督)感想‣ 熟年男女の恋愛をテーマにした爆笑!?ロマンチック・ コメディ

David MarkによるPixabayからの画像

映画『プロミスト・ランド』のネタバレ感想

【ネタバレ有り】

超硬派の社会派ドラマながら、決して押しつけがましい所は一切ありません。また、美しい田園風景を俯瞰するシーンの映像が何度も映し出される度に大きく深呼吸したくなる衝動に駆られる映画でした。

シェールガス掘削に伴う環境破壊を題材として取り上げています。環境保護派の人間はわざわざ学校の教室まで足を運び、授業の中で如何にシェールガスの掘削が環境を破壊するか子供に模型を駆使して分かり易く説明していました。「家に帰ったら両親(シェールガス掘削賛成派の親)とけんかしてみてください」と語っていました。

本作品の趣旨はシェールガス開発の賛否を問うものではなく、環境破壊が進むかも知れない非常にグレーな状態にもかかわらず、大企業であるエネルギー開発会社(グローバル)はありとあらゆる巧妙な手段を駆使し、開発を推進して行く大企業の論理に疑問を持った人間の心境の変化と勇気ある決断をする姿を描いています。

ネタバレになります…

農家一軒一軒と個別にシェールガスの掘削に関わる契約を締結してしまえばいいものを、町の住民集会で住民の多数決によって賛否を問うという展開になってしまった事を会社の本社が知った為、会社はスティーヴには一切知らせずに、偽の『環境保護派』の人物ダスティン(グローバルの社員!?)を派遣、嘘の情報を流し住民を錯乱させます。しかし、最後はその『環境保護派』の人物は実は偽情報を流してシェールガス推進に反対票を投じさせようとしていた事を住民投票前に知らせるという猿芝居をしていた事をスティーヴは知る事になります。

スティーヴはこんな会社の一員として働き続ける事をまっぴら御免だと観念し、住民投票の前にエネルギー企業グローバルの悪だくみの一部始終を暴露して終わります。

視聴後になかなか考えさせられる内容の映画だなぁと感じました。やはり、同じような事はあらゆる場面で起きているのではないかと思いました。人間性を問われる大きな問題に対して、とっさの勇気ある決断が出来るか!? 自分の真価が問われる瞬間はあると思います…

コメント

タイトルとURLをコピーしました