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映画『シッピング・ニュース』(2001/ラッセ・ハルストレム監督)感想‣ケイト・ブランシェットとジュリアン・ムーアの演技派女優が演じる対照的な女性が見もの

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映画『シッピング・ニュース』のあらすじ概要

E・アニー・プルーの小説「港湾ニュース」(集英社)を「ショコラ」「サイダーハウス・ルール」のラッセ・ハルストレム監督が映画化。

父親の厳しい教育がトラウマとなって自分の殻に閉じこもる孤独な男となったクオイルは、ニューヨーク州北部の小さな町の新聞社で、印刷工として静かに暮らしていました。ある日美しい女性ペダルと出会い結婚、娘が生まれます。しかし、奔放な妻ペタルは娘をほったらかし、若い男と遊んでばかりでした。

妻に捨てられた挙句急死したことをきっかけに、先祖の暮らした土地(ニューファンドランド島)に行き、新たな人生の第一歩を歩み始めます。クオイルの祖先は、この地に住み着いた古代スカンジナビアの海賊でした。先祖代々の家に住むことになった彼と娘は、土地の記憶とも彼らの幻想ともつかない光景を目にすることになります。

E・アニー・プルーは映画『ブロークバック・マウンテン』の原作者でもあります。

2001年製作/112分/アメリカ
原題:The Shipping News

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映画『シッピング・ニュース』のスタッフとキャストについて

ラッセ・ハルストレム監督:スウェーデン出身。ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオ共演の「ギルバート・グレイプ」(93)を監督しています。

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ケビン・スパイシー(クオイル):大ヒット作「セブン」(95)で猟奇殺人鬼を怪演し、「ユージュアル・サスペクツ」(95)でアカデミー賞助演男優賞を受賞。「アメリカン・ビューティー」(99)の主演で再びオスカーを受賞しています。

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ジュリアン・ムーア(ウェイヴィ):ボストン大学卒業後、ニューヨークでウェイトレスをしながらオーディションを受け、1985年にソープオペラに出演するチャンスをつかむ。その後オフ・ブロードウェイやテレビで活躍していた経歴を持つ。

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ジュディ・デンチ(アグニス):これまで7度アカデミー賞にノミネートされており、エリザベス1世を演じた1998年公開の映画『恋におちたシェイクスピア』で助演女優賞を受賞しています。

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ケイト・ブランシェット(ぺタル):2004年公開の『アビエイター』でアメリカの大女優キャサリン・ヘプバーンを演じ、アカデミー助演女優賞を受賞。

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映画『シッピング・ニュース』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り、ご注意】

物語の舞台のニューファンドランド島は良く聞く名前です。調べてみたらカナダ領、カナダでは最も東側にある島を指しますが、本土側のラブラドール地方も含め、ニューファンドランド&ラブラドールという一つの州を形成しています。ラブラドールという名前は犬のラブラドールレトリバーと同じ。余談ながらご想像通り、この犬はニューファンドランドが原産地で、寒い北の海で漁師のお手伝いをしていた働き者の犬らしいです。

度肝を抜かれるケイト・ブランシェット扮するぺタルの登場シーン、交通事故で嵐の様に一瞬でスクリーンから消え去ってしまったのが非常に惜しまれました。引っ込み思案のダメ男・主人公クオイルが、人生で一瞬有頂天になったのが、多分ぺタルとの結婚でしょう。しかし、幸福な日々は長く続かず、一人娘だけが彼の元に残されます。

自殺したクオイルの両親の遺灰をそっと盗み出した父親の妹アグニスには、兄に対して他人には知られたくない深い闇があり、遺灰をトイレに蒔き捨てるという行動にはびっくり仰天しました。理由は後々語られることになります…

古くから人々が住む地域には、昔からの複雑な歴史があり、一つ一つ徐々に紐解かれていきます。しかしながら、あまりにも多く、細かいストーリーが矢継ぎ早に語られていきます。更に追い打ちを掛ける様に新たな事件も次々と発生するという執拗さです。視聴者は完全に意表を突かれる複雑怪奇な町の過去・現在の出来事を突きつけられ、きっと脳内は混乱の極致に追いやられるにことになります。

題名『シッピング・ニュース』(港湾情報)と有りますが、港に出入りする「船の入出港」記事の退屈な新聞だけれど、やる気さえ出せば、港に出入りする船舶の情報だけでなく、町で起る事件や騒動など実はみんなが知りたがる興味津々で、あっと驚く様な記事を掲載することが出来るんだと示したかったのかも知れません。

 

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