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映画『ヴェルサイユの宮廷庭師』(2015/アラン・リックマン監督)感想‣世界でもっとも有名な庭園の誕生秘話、名もなき女庭師の愛と勇気の物語

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映画『ヴェルサイユの宮廷庭師』のあらすじ概要

ベルサイユ宮殿の庭園建設家として抜擢された女性庭師の物語を、「愛を読むひと」「タイタニック」のケイト・ウィンスレット主演で描いた。

「ハリー・ポッター」シリーズで知られるイギリスの名優アラン・リックマンの監督第2作。17世紀フランス。国王ルイ14世は、栄華のシンボルとしてベルサイユ宮殿の増改築を計画していました。国王の庭園建築家アンドレ・ル・ノートルとともに庭園内の「舞踏の間」の建設を任されたのは、無名の庭師サビーヌだった。伝統と秩序を重んじるル・ノートルは正反対の自由な発想で仕事に臨むサビーヌと対立しますが、彼女の持つ自由な精神に次第に惹かれていき、中心的な庭園造りをサビーヌに任せることにします。また、サビーヌは自由な感性と情熱で、仕事上のライバルや宮廷に暮らす女性たち、さらにはルイ14世までもの心を溶かし、身分や性別を超えて信頼を得るようになっていきます。知られざるヴェルサイユ宮殿のエピソードに迫るストーリーに加え、きらびやかな宮廷生活をビジュアルで垣間見る事も見どころの一つです。

監督・脚本のリックマンは国王ルイ14世役で出演しています。

2015年製作/117分/イギリス
原題:A Little Chaos

AlexandriaによるPixabayからの画像

映画『ヴェルサイユの宮廷庭師』のスタッフとキャストについて

アラン・リックマン監督・出演(ルイ14世):スクリーンデビュー作「ダイ・ハード」(88)では、テロの首謀者ハンス・グルーバー役を演じて一躍注目を集めた。91年の「ロビン・フッド」で英国アカデミー賞助演男優賞を受賞し、96年のTV映画「ラスプーチン」ではゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。監督としては「ウィンター・ゲスト」(97)及び本作「ヴェルサイユの宮廷庭師」の2作品を発表しています。

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ケイト・ウィンスレット(女性庭師サビ―ヌ・ド・バラ):英バークシャー・レディング出身で、両親ともに舞台俳優。「愛を読むひと」(08)でアカデミー賞6度目のノミネートにして初めて主演女優賞を受賞し、実力派女優としての評価を一層高めた/撮影当時妊娠中にもかかわらず、強い意志を持った女性庭師を熱演しています。

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マティアス・スーナールツ(建築家アンドレ・ル・ノートル):ジャック・オーディアール監督の「君と歩く世界」(12)とギョーム・カネ監督「Blood Ties(英題)」(13年仏公開予定)で女優マリオン・コティヤールと共演しています。

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AlexandriaによるPixabayからの画像

映画『ヴェルサイユの宮廷庭師』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り】

本作品でもっとも大きな驚きは17世紀のフランスベルサイユ宮殿で、女性が宮廷庭師として雇われていたことです。当初庭園の設計図案を描き、「師匠」である建築家アンドレ・ル・ノートルに提案するものの、師匠の考えとまったく意見が合わず、まともに対応してもらえません。しかし、他の男性庭師候補がどれこれも陳腐なアイデアの提案ばかりであったこともあり、調和の中にわずかな無秩序を取り込む彼女のユニークな感性がル・ノートルの興味を惹き、結局彼女を庭師として採用してみるかという大きな賭けに出たものでした。

次第に師匠アンドレは彼女サビーヌの仕事に対する情熱を感じ、まったく新しい造園に対する自由な発想に共鳴して行くようになります。さらにサビーヌの女性としての魅力に引きつけられていきます。

ケイト・ウィンスレットの安定感のある演技力は本作でも本領が魅力されていました。類まれな庭師としての才能に恵まれながらも、男性中心社会の時代にかなり生き難いところはあったと思います。そんな思いも、仕事に対する自信と情熱で、どんな困難にもひるまず立ち向かうことで、徐々に周囲の男性、女性からも支持を得るようになります。女性ながらもバイタリティー溢れる生き方が清々しく表現されていくところが本作最大の見どころになっています。

そんな彼女には6才の娘や夫を馬車の事故を自分の原因で起こさせ、亡くしているという後ろめたい思いに囚われ続けていました。しかし、師匠アンドレからの愛情を受け止める事で、そんな思いも徐々に解消されていきます。

壮大なベルサイユ宮殿の一角の庭園に、このような勇気ある女性のロマンスがあった事を知ることができました・・・

 

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