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映画『ヒッチコック/トリュフォー』(2015/ケント・ジョーンズ監督)感想‣「映画作りとは何か?脈々と繋がる映画文化」について語る10人の映画監督

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映画『ヒッチコック/トリュフォー』の概要

フランソワ・トリュフォーによるアルフレッド・ヒッチコックへのインタビューを収録し、「映画の教科書」として長年にわたって読み継がれている「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」を題材にしたドキュメンタリー。

原作でトリュフォーは1962年8月13日(ヒッチコックの誕生日)にユニバーサル・スタジオのオフィスでヒッチコックに8日以上にもわたるインタビューを行っています。この記録は50時間にも及ぶテープに録音されたそうです。なお、インタビューに至る切っ掛けはトリフォーからヒッチコックに手紙によるインタビューの要請をヒッチコックが涙を流して喜び、快諾したことによります。

本作はインタビューが行われた当時のヒッチコックとトリュフォーの貴重な音声テープをはじめ、マーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、黒沢清、ウェス・アンダーソン、リチャード・リンクレイターらヒッチコックを敬愛する10人の名監督たちにインタビューを敢行し、時代を超越したヒッチコックの映画術を新たな視点で次々とひも解いていきます。錚々たる映画監督たちが、いかに「映画術」の影響を受けてきたかを熱く語り、独自の視点でヒッチコック映画を解説し、どれほどその後のハリウッドをはじめ、世界の映画作家を魅了し、現代まで脈々と受け継がれているかを語っている実に豪華なフィルムです。

ニューヨーク国際映画祭のディレクターを務めるケント・ジョーンズがメガホンをとり、「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」の翻訳を手がけた映画評論家・山田宏一氏が日本語字幕を担当しています。

2015年製作/80分/フランス・アメリカ合作
原題:Hitchcock/Truffaut

Gretta BlankenshipによるPixabayからの画像

映画『ヒッチコック/トリュフォー』のスタッフとキャストについて

ケント・ジョーンズ監督・脚本:ニューヨーク映画祭のディレクター、及び世界映画基金の芸術監督を努めています。

【キャスト】

アルフレッド・ヒッチコック:1899年8月13日ロンドン生まれ。イギリス映画としてのトーキー第1作「恐喝(ゆすり)」(29)『暗殺者の家』(34)をヒットさせたことからハリウッドに呼ばれ『レベッカ』(40)を監督。この作品がアカデミー作品賞に輝いたことでいきなり成功を収め、およそ年に1本のペースで監督作を発表。アカデミー賞には5度監督賞候補となりながらも無冠に終わるなど不遇な面もある。

フランソワ・トリュフォー:1932年2月6日パリ生まれ。複雑な家庭環境のもと非行を繰り返し、少年鑑別所に入れられたところを批評家アンドレ・バザンに引き取られ家族同然に生活。それをきっかけに15歳頃から映画評論を始め、バザンが編集長を務めていた映画誌「カイエ・デュ・シネマ」を中心に保守的なフランス映画を批評して“フランス映画の墓堀人”とも呼ばれた時期があります。長編監督作『大人は判ってくれない』(59)がカンヌ国際映画祭監督賞に輝く。

ウェス・アンダーソン
オリヴィエ・アサヤス
ピーター・ボグダノヴィッチ
アルノー・デプレシャン
デヴィッド・フィンチャー
ジェームズ・グレイ
黒沢清
リチャード・リンクレイター
ポール・シュレイダー
マーティン・スコセッシ

映画『ヒッチコック/トリュフォー』の感想・見どころ

デヴィッド・フィンチャー、マーティン・スコセッシ監督らが熱く語るヒッチコック映画の名場面の魅力、映画作りの見事さの解説は圧巻でした。ヒッチコック作品は70-80年代の学生時代に劇場で観た「リバイバル」上映作品の数々でした。「鳥」などはTVなどでも何度も放映されていたので見ました。しかしながら、ここまで現代の名匠たちに深く影響を与えていたということは今回初めて認識する事が出来ました。ヒッチコック監督の拘り抜いた映画作りに関しては、各氏とも深い尊敬の念を抱き、本当に崇拝しているようにも感じられました。また、ヒッチコック自身が語っていた「映画作りは、物語の構成が一番重要で、技術的にきちんと作られている映画であれば問題無い」がい印象に残りました。物語の構成=脚本かなと思います…

原作である「定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー」についても非常に興味を惹かれます。一方、ヒッチコック作品についても改めて見直してみたいという気になりました。現在は大昔のように映画館のでリバイバル上映を待つことなく、映画配信サービスで多くの映画は直ぐに見る事が出来るので便利です。

なお、本編に紹介される映画に出演していた女優陣イングリッド・バーグマン、キム・ノヴァックらの余りの美しさに改めて心を奪われそうになりました。余談ながら「サイコ」のシャワールームの傑作シーンはジャネット・リー本人ではなく、別人ヌードモデルを使い撮影された事が明かされており驚きました…

本編は、まぁいろいろな理由でヒッチコックの作品に改めて触れてみたくなる作品です!

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