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おすすめ映画感想|『胸騒ぎのシチリア』(2015/ルカ・グァダニーノ監督)‣シチリアの美しい自然に囲まれ、誘惑と理性の境をめぐる物語!

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Guy Rey-BelletによるPixabayからの画像
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『胸騒ぎのシチリア』のあらすじ概要

「ミラノ、愛に生きる」のルカ・グァダニーノ監督が同作に続き、ティルダ・スウィントンとタッグを組んだ人間ドラマ。1968年製作のアラン・ドロン主演、ジャック・ドレー監督によるフランス映画「太陽が知っている」をリメイクした作品。

世界的ロックスターのマリアンは、痛めた声帯を癒すため、年下の恋人のポールとシチリアの風光明媚なパンテッレリーア島の別荘で静かな時間を過ごしていました。しかし、マリアンの元彼でカリスマ音楽プロデューサーのハリーが、セクシーな娘ペンを連れて、マリアンのもとへ突然押しかけて来ます。ハリーは、マリアンとの復縁を目論み、一方のペンは誠実なポールへの好奇心を募らせていきます。さらに、バカンスが台無しになったマリアンの身に思いもよらない事件が待ち受けていました…

主人公マリアン役をスウィントンが演じ、レイフ・ファインズ、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のダコタ・ジョンソン、「君と歩く世界」のマティアス・スーナールツが共演。

2015年製作/125分/イタリア・フランス合作
原題:A Bigger Splash

GianniによるPixabayからの画像

『胸騒ぎのシチリア』のスタッフとキャストについて

ルカ・グァダニーノ監督:ふたりの青年の恋を描いた「君の名前で僕を呼んで」(17)は第75回ゴールデングローブ賞で作品賞(ドラマ)を含む3部門、インディペンデント・スピリット・アワードで作品賞、監督賞にノミネートされるなどたいへん高い評価を得ています。

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ティルダ・スウィントン(世界的ロック歌手マリアン):デレク・ジャーマン監督の「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」(86)でスクリーンデビューを果たし、ジャーマンが亡くなる94年まで彼の作品に出演しています。「フィクサー」(07)でアカデミー助演女優賞を受賞。

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レイフ・ファインズ(マリアンの元彼ハリー):「グランド・ブダペスト・ホテル」(14)、「キングスマン ファースト・エージェント」(20)など数多くの世界的な話題作で活躍しています。

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マティアス・スーナールツ(マリアンの年下の彼氏ポール):

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ダコタ・ジョンソン(ペン ハリーの娘):ベストセラー官能小説を映画化した「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」(15)のヒロインに抜てきされ、一躍注目を浴びています。

『胸騒ぎのシチリア』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り】

ティルダ・スウィントンは世界的なロック歌手マリアン役、声帯を痛め喋る事を止められ、シチリアの島でのんびり静養中という設定です。その為、会話するにもほとんど発声する事が出来ず、もどかしい演技に終始しました。それでも、声は出さずとも”喋っている”と思わせるほどの身振り手振り、豊かな表情など演技力には驚かされました。

わたしは名優アラン・ドロンの『太陽がいっぱい』『冒険者たち』などの映画の大ファンですが、本作が『太陽は知っている』のリメイクと聞いても余りピンときませんでした。恐らくTVで放映されていれば大昔見ている筈ですが、残念乍らほとんど内容の記憶が残っていませんでした。

三角関係+1という微妙な関係の男女4名の恋模様の絡みがとても面白く、スリリングな展開でした。マリアンと撚りを戻したいハリー、彼らにヤケボックイに一瞬の火が…、一方真面目なポールは若い娘の”誘惑”に抵抗し切れず負けてしまいます。その晩、4人が揃った遅い時間帯に夕食のテーブルを囲みます。意味深な会話が続き、4人の心が激しく揺れ動き、鼓動が聞こえてきそうな一番の見せ場となるシーンでした。その後、プールサイドで男同士の嫉妬の炎の大炎上!サスペンス映画的な展開になります。不幸にも蘇生の努力も空しく、プールの底に沈んでしまったハリーは、多忙な警察による事件性の犯罪捜査も十分されず(アフリカからの不法移民の溺死事件が頻発するという背景もあります)、結局殺され損で終わってしまったのが、なんとも気の毒。多分娘は一部始終を窓から見ていたのかもしれません…本編の終末もとても不合理な終わり方は、如何にもフランス映画的です…

警察署長の乗るパトカーに追走され、ポールらの乗る車は停止させられます。一瞬「犯人逮捕」と思わせましたが、実はマリアンの大ファンだった警察署長が個人的に嬉々としてサインをねだるという意表を衝いた行動には半ば呆れる滑稽な場面に早変わり!署長に是ほどの熱意があるのなら、もっと真剣に捜査に取り組んで欲しいと思いました…

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