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公開中 おすすめ映画感想『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』(2022/マリア・シュラーダー監督)‣タイムズ紙の女性記者らが立ち向かうのは、ハリウッドの頂点に君臨した大物映画プロデューサー

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『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』のあらすじ概要

映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインによる性的暴行を告発した2人の女性記者による調査の過程から告発までを追った回顧録’カンター&トゥーイーの著書「その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い」)を基にブラッド・ピットの製作会社プランBとアナプルナ・ピクチャーズが映画化した社会派ドラマです。

ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターは、大物映画プロデューサーのワインスタインが数十年にわたって続けてきた性的暴行について取材を始めますが、ワインスタインがこれまで何度も記事をもみ消してきたことを知ります。被害女性の多くは示談に応じており、証言すれば訴えられるという恐怖や当時のトラウマによって声を上げられずにいました。

問題の本質が業界の隠蔽体質にあると気づいた記者たちは、取材対象から拒否され、ワインスタイン側からの執拗な妨害を受けながらも、真実を追い求め強大な権力に立ち向かい奔走する姿を描きます。

しかしこの問題、地位を使って何十年にも渡り多くの女性をレイプし、セクハラし、お金で黙らせてきたのは、ハーヴェイだけではなく、どうやら彼の問題は氷山の一角にしか過ぎないと認識されている事にかなり恐ろしさを感じました。

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『ロード・オブ・ザ・リング』『恋に落ちたシェイクスピア』『英国王のスピーチ』など…数々の名作を手掛けたワインスタインは、1992年以降、女優志願の若い女性80人にセクハラ行為(レイプを含む)を働き、2020年、禁固23年の判決を受けてニューヨーク州エリー郡刑務所に服役しています。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガンと「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」のゾーイ・カザンが2人の主人公を演じる。「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」のマリア・シュラーダーが監督を務め、ブラッド・ピットが製作総指揮を手がけています。

2022年製作/129分/アメリカ
原題:She Said

 

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『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』のスタッフとキャストについて

マリア・シュラーダー監督:ドイツの女優、脚本家、映画監督

キャリー・マリガン(ミーガン・トゥーイー):イングランド・ロンドン市内のウェストミンスター出身。キーラ・ナイトレイ主演作『プライドと偏見』で映画デビュー。

映画『華麗なるギャッツビー(2013)』(感想)20年代活況を呈していたアメリカ・ニューヨークを舞台の哀愁漂うラブ・ロマンス!

ゾーイ・カザン(ジョディ・カンター):2009年、ナンシー・マイヤーズ監督のコメディ映画『恋するベーカリー』に出演、メリル・ストリープの娘ギャビーを演じた。

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パトリシア・クラークソン(レベッカ・コーベット):2003年に『エイプリルの七面鳥』でアカデミー助演女優賞の候補になる。

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Markus WinklerによるPixabayからの画像

『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』のネタバレ感想・見どころ

★ネタバレ有り

権力を手に入れると、人の弱みに付け込み、良くぞこんなにも邪悪になれるものと呆れ果てる内容でした。被害に遭った多くの女優を目指す若い女性、新しい役柄を手に入れたい女優などが気の毒でなりません。被害者の名前には、沈黙を破った被害者たちの勇気ある声に促されたかのように、グウィネス・パルトローなどの良く知る名前が何人も出て来て更にびっくり仰天させられました。

本作が秀逸なのは、二人のニューヨーク・タイムズ紙の女性記者ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターの自分自身の実生活もしっかり描かれており、普通の人間(庶民感覚を持つ)の目から見た”事件”に対する憤り、正義感を出発点にしている為、映画を見る人の共感をより一層得る事が出来ているのだと思います。

記者たちの執念による調査、多くは女優たちのエージェントを通さずに直接本人にコンタクトする事で”事実””本心”を聴取しようと並々ならぬ努力をしている様子が詳細に描かれていきます。

大きな障壁は、既に示談金の支払いを受け、秘密保持契約などを調印済、”事件”に関わる証言を拒否せざるを得ない女性がほとんどだったことです。それでも諦めずに小さな可能性の糸口を見つけ出し、最終的に真実の証言(声)を獲得する事が出来ました。

彼女らの取材を見守る上司らも、全社挙げて必死にサポートする姿が逞しく描かれています。

最低極悪の”セクハラ”事件を扱いながらも、ニューヨーク・タイムズ紙の記者らの執念の活躍を描く本作は見終わった後、相当な”爽快感”を味わう事が出来るおすすめ映画です。

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