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おすすめ映画『マイ・レフトフット』(1989/ジム・シェリダン監督)感想‣本作はダニエル・デイ=ルイスの最高傑作に違いない!

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TündeによるPixabayからの画像
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『マイ・レフトフット』のあらすじ概要

脳性小児麻痺の画家クリスティ・ブラウンの半生を実写映画化した伝記映画。1932年、アイルランド・ダブリン。大家族の22人兄弟の10番目の子どもとして生まれたクリスティは、生まれつき重度の脳性小児麻痺に冒されていました。それでも彼は優しい母や兄弟たちに支えられ、貧しくも温かい家庭で成長していきます。ある日、クリスティは父に「言葉もわからないし字も扱えない」と侮蔑された悔しさから左足にチョークを持つと、必死に這いずり回りながら床に初めての字「MOTHER」を書いて見せます。こうして外の世界と触れ合う手段を得た彼は、やがて左足に全てを託し自身の才能を開花させていくことになります。

1990年・第62回アカデミー賞でダニエル・デイ=ルイスが主演男優賞、ブレンダ・フリッカーが助演女優賞を受賞した「父の祈りを」のジム・シェリダン監督の長編デビュー作。

1989年製作/103分/イギリス
原題:My Left Foot

ロッテントマト批評家支持率:98%

同じく障害者を演じたディカプリオの演技が凄かった映画➢

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『マイ・レフトフット』のスタッフとキャストについて

ジム・シェリダン監督・脚本:アイルランド・ダブリン出身。

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ダニエル・デイ=ルイス(クリスティ・ブラウン):渾身の演技で全編にわたり脳性小児麻痺の人物の演技を行う。撮影中は車椅子で生活するなど徹底した役作りで臨み、常に極端な猫背だったため、あばらを2本骨折してしまう?!また撮影以外でも左足以外は使わないようにし、食事をとるのにも誰かに食べさせてもらっていた?!(呆れるほどの役作りは驚異的です…)

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ヒュー・オコナー(少年期のクリスティ):子供時代は手足が不自由な為、車いすを買うお金が無く、木車に乗せて移動させられている。

ブレンダ・フリッカー (クリスティの母ブリジット・ブラウン):多くの子供を抱える貧困生活でありながらクリスティを見捨てずに支え続けます。どんなに貧しくとも盗んだ石炭は使えないと息子たちにいう正義感を持っている。

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レイ・マカナリー (クリスティの父パディ・ブラウン):レンガ職人の父・パディは息子の障害をどうしても受け入れることができず、当初はクリスティを罵倒していましたが、唯一使える左足を使って字を書けるようになり、意思疎通が出来るようになると見直し息子として認めるようになります。レンガ職人をくびになった後は、一家は貧しい為朝夕麦粥を食べてしのいでいた。

『マイ・レフトフット』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

クリスティは生まれながらの脳性小児麻痺で医者から見捨てられます。しかし、母親は他の兄弟と分け隔てなく育てます。足も手も体も言葉すら一切自由に使う事が出来ませんが、健常者に混じって遊んだり、生活している姿そのものが”感動”を呼びます。

驚くべきシーンは、家の周囲の広場で仲間とサッカーを興じているところです。彼は不自由な体にも関わらずキーパーの役割をしていました。シュートされたボールを何と頭を使い地面との間で抑えてゴールを阻止します。しかし相手チームの選手は執拗に頭と地面の間のボールを蹴ってきます。ちょっと間違えれば顔面をシュートしてしまいそうになりますが、そんなことはお構い無しでした。子供の世界は残酷に見えます。しかし、クリスティからすればこれは日常茶飯事で当たり前だったのかもしれません。自分の意識の中では健常者とは何一つ変わらないと考えていれば、顔を蹴られても当たり前のことだったのかも知れません。

22人もの子供を産んだ心優しい肝っ玉お母さん(京塚昌子似)の正義感も素晴らしいと思いました。クリスティが少しだけ自由の効く左足の指でチョークを使い書いた最初の文字は「MOTHER」でした。これには思わず泣かされそうになりました。ある日、石炭運搬車から盗んだ石炭を兄弟と一緒に家に持ち帰ると、母親に見咎められ、「盗んだ石炭を燃やして暖など取れるか!」とどやされてしまいます。また、クリスティが自分の部屋を持てば自由に絵が描けるだろうと考え、何と母親は自分の家の空き地にクリスティの為の部屋を自分で建てようして、土台のレンガ積みから始める”器用”さを持っていました。結局家族全員が手伝い部屋は完成するのですが、子供の為に家を増築してしまう実行力、そのバイタリティは半端ではありません…

クリスティは両親や兄弟、施設の人々の支援を受けて絵画の才能を開花させていきます。

また、恋愛に関しても物凄い情熱を持っている事に驚かされました。自分が失恋したことを素直に受け入れる事が出来ず、感情を抑える事も無く、怒りを大爆発させています。自分が障害者としてみられ、健常者と比べられ、負ける事が余程悔しかったに違いありません。

最後に、結婚することになるメアリーに対してもかなり強引に「俺を愛しているのか?」と問いただしている姿がやはり少し”異常”ではないかと思えるほどでした…結局これは映画では結婚後の事は語られませんが、幸福な結婚生活には結びつかなかったと語られています…

ダニエル・デイ=ルイスの鳥肌が立つほどの名演技ぶり、一見の価値ある作品です。

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