『コップランド』のあらすじと概要
警官の町という特殊な共同体内部の腐敗を描いた社会派ドラマ。
NY警察で起こったある事件を通し、警察組織内部の深い闇にスポットを当ててゆきます。さまざまな警察関係者に扮した、名優たちの競演が見もの。他の共演にレイ・リオッタ、アナベラ・シオラ。NY市警の警官が多く暮らす街、ニューヨークの対岸のニュージャージー州“ギャリソン”。ベテラン警官・レイを頂点とするコップランドの鉄の結束のもと、保安官のフレディは無力ながら平穏無事な日々を送っていました。しかしある日、管内で起こった警官の誤射事件から事態は急転する事に…余り派手なアクションシーンは見られませんが、積もり積もった”憂さ”を晴らすラストシーンが見ものとなります。
スタローンが体重を増やし、それまでのイメージを覆すような、冴えない中年の保安官を演じている事が話題になった映画。
1997年製作／105分／アメリカ
原題：Cop Land
『コップランド』のスタッフとキャストについて
ジェームズ・マンゴールド監督・脚本：1995年に『君に逢いたくて』で映画監督デビューを果たしたのち、本作は監督第二作目となります。２作目にして、これだけの豪華キャストの出演作品を撮るという評価の高さに驚きました。
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シルベスター・スタローン（フレディ・ヘフリン保安官）：
ギャリソン郡の保安官。若い頃に橋から川へ車が転落する事故現場に偶然居合わせ、運転手の女性リズを救助します。その際に負傷をして、片耳に聴覚障害があり、ずっとNYPDに憧れていますが、聴覚の問題から何度も採用試験に落ちています。既婚のリズに対していつまでも淡い恋心を抱き続けている。覇気がなく、些細な揉め事ばかりを処理する仕事に対して、まったくやる気が出せない。
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レイ・リオッタ（ゲリー・フィッグス刑事）：
ギャリソン郡に居住するNYPDの刑事。ギャリソン郡に住む他の警官と仲が悪い。フレディの友人。恋人と自宅で暮らしていたが、その家が火災により焼失し、恋人も焼死。後に保険金を受け取る。以後、フレディの家に一時間借りすることに。フレディに対し、積極的に自分の問題に挑むように促す。
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ハーベイ・カイテル（レイ・ドンラン警部補）
ギャリソン郡に住む警官たちの、実質的なまとめ役。町の有力者。NYPDの方々（マフィア組織）に有力なコネがあり、市警でも幅を利かせています。警察官の組織的不正の中心人物ではないかと、内務調査局が長い間追っている人物。
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ロバート・デ・ニーロ（モー・ティルディン警部補）：
内務調査局の監察官。レイとは警察学校以来の古い馴染みだが、警官を捜査する内務調査局に移動したことで毛嫌いされています。レイが組織的不正の中心人物であると睨んでおり、彼を追っている。ギャリソン郡が不正の温床であるところまでは分かっているが、管轄外な上に田舎町で自分は目立つので、思うように捜査ができない。フレディに目をつけ、捜査に協力するように依頼する。
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『コップランド』のネタバレ感想・見どころ
眩いばかりの豪華絢爛の大俳優の出演に驚きました。それもほとんどが刑事、保安官など警察絡みです。そして超意外な役どころは、ぱっと見まったく冴えないシルベスター・スタローン演じるギャリソン郡の保安官フレディです。いつも眠そうなトロンとした目をしており、鼻の頭には交通事故で負った生々しい傷後を長く残していました。
ニューヨークで働く警察関係者が多く住む町で、ニューヨークの喧噪を嫌い、平和な街に移り住んで来た人々という説明がありました。しかしながら、その実態は親玉レイを中心にマフィア絡みの組織との関係(汚職にまみれた）でがんじがらめになっており、ニューヨーク警察の内務監査局の捜査も入る程、町ぐるみの不正が蔓延っていました。(この内部調査は、最終的には上層部からの調査差し止めの指示があり中止となってしまいます）
ところが、ある事件を契機に、不正組織の結束も綻び始める事になります。レイの甥マレーが起こした不祥事の隠蔽工作から発展したいざこざから、殺人未遂に発展した事を知ったフレディーの正義感が一挙に堰を切った様に大爆発します。TVドラマ「必殺仕置き人」の中村主水を彷彿とさせる大活躍振りにびっくり仰天しました。タイミング良く助太刀に入るゲリー刑事の姿もありました…
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