『デッドマン・ウォーキング』のあらすじと概要
死刑囚とカトリックの修道女の心の交流を綴ったシリアス・ドラマ。実際に何人もの死刑囚に精神アドヴァイザーとして付き添った、死刑廃止論者である修道女シスター・ヘレン・プレイジョーン本人と、彼女の同名著書（邦訳・徳間文庫）に感銘を受けた、「依頼人」の演技派女優スーザン・サランドンがヒロインをつとめています。彼女の伴侶で「ショーシャンクの空に」などの個性派俳優ティム・ロビンスが「ボブ・ロバーツ」についで監督・脚本を手がけ、夫婦共同で映画化。サランドンは通算5度目のノミネートだった本作で、アカデミー主演女優賞をみごと受賞しています。対する死刑囚には「カリートの道」のショーン・ペンが扮しました。
ルイジアナ州ニュー・オーリンズ。セント・トマスの希望の家で働くシスター・ヘレン（スーザン・サランドン）は死刑囚、マシュー・ポンスレット（ショーン・ペン）から何度か手紙を受け取ります。マシューは相棒と二人でカップルを惨殺し、州立刑務所に収監されていました。死刑囚と会うのは初めての経験でしたが、ヘレンはマシューの求めに応じ刑務所を訪れ、彼と面会を重ねて行きます…
1995年製作／122分／アメリカ
原題：Deadman Walking （死刑囚が死刑台に向かう際、看守が呼ぶ言葉）
『デッドマン・ウォーキング』のスタッフとキャストについて
ティム・ロビンス監督・脚本：94年には名作「ショーシャンクの空に」に主演。03年にはイーストウッド監督の「ミスティック・リバー」でアカデミー助演男優賞を受賞と、俳優・監督として活躍。
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スーザン・サランドン（シスター・ヘレン・プレイジェーン）：ルイジアナ州ニュー・オーリンズ。セント・トマスの希望の家で働くシスター(尼僧）
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ショーン・ペン（マシュー・ポンスレット）：二人のティーンエイジカップルの殺人及び強姦。彼は無罪を主張するが認められず、死刑が執行されることになります。ヘレンの最初の面会での印象は、傲慢で冷酷そうと印象こそ悪かったが、共犯者が無期懲役なのに、不利な証拠が重なって彼だけ死刑が確定していることに疑問を持つ事になり、ヘレンの協力を得て特赦の申請を行うが、却下されてしまう…
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ピーター・サースガード
『デッドマン・ウォーキング』のネタバレ感想・見どころ
「ショーシャンクの空に」などの個性派俳優ティム・ロビンスが監督・脚本と聞き大変驚きました。なお、彼は本作の主演女優スーザン・サランドンの元夫。名俳優のみならず、映画監督としての才能も如何なく発揮しています。
本作の内容、解釈はかなり難しいと思います。ストーリーが進行して行く中で、何度も断片的な過去マシュー・ポンスレットがやらかした犯罪の回想シーンの映像が繰り返されます。後半に近づいてくるとより鮮明になっていく犯罪の内容は目を覆いたくなる様な映像が映し出されます。一方、これに対比しマシューの刑務所内でのシスター・ヘレンに対する態度も徐々に心が打ち解け、人間らしい良心を取り戻しつつあるようにも思えました。そして、最後にマシューには悔悟の念が溢れてきます。
しかし、彼が犯した罪はどうあがいても取り返しのつかないものです。被害者や被害者の両親にとっては当然の事乍ら、加害者マシューは”死刑”となって初めて償えるものです。
マシューが獄中よりシスターに面会を求めたのかとてもお不思議でした。シスターは戸惑いながらも刑務所をひとりで訪れ殺人罪を犯し死刑囚となっているマシューと面会しています。面会時には「自分は殺人はやっていない。お金がないので優秀な弁護士を雇う事が出来なかったので死刑になった」と”嘘”の説明をしています。特赦の申請などで命乞いをしまていきますが、どれもこれも思う様ににはなりません。
マシューは死刑執行が近づき愈々”観念”したのか、犯した罪の大きさを悟り、悔恨の念を深くしますが、時すでに遅しです。まあ、後で反省するなら最初から罪を犯すなと言いたいところです…なんともやるせない気持ちになります。
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