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おすすめ映画『不都合な理想の夫婦』(2019/ショーン・ダーキン監督・脚本・製作)感想‣夫の転落振りは序の口、やり直しはいくらでも可能では!?

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『不都合な理想の夫婦』のあらすじと概要

「マーサ、あるいはマーシー・メイ」のショーン・ダーキン監督が、ジュード・ロウとキャリー・クーンを主演に、一見すると理想的だが虚飾と野心に満ちた夫婦が崩壊していく様を描いた心理スリラー。1980年代初頭。ニューヨークで貿易商を営み成功した野心家のイギリス人ローリーは、アメリカ人の妻アリソンと息子と娘と4人で幸せに暮らしていました。ローリーは更に大金を稼ぐ夢を追い、好景気に沸くロンドンへ家族とともに移住することを決意します。かつての上司が経営する商社で働くことになったローリーは、仕事では周囲から高く評価され、プライベートではロンドン郊外のサリーにお城の様な大豪邸を借り、息子を名門校に編入させ、妻には乗馬の為の広大な敷地を用意するなど、まるでアメリカンドリームを体現した勝者の凱旋のよう。しかし、ある日、アリソンは敷地内の馬小屋の工事が進んでいないことに気付きます。業者に問い合わせると、建設費用の支払いが滞っているという。さらに驚くべきことに、新生活のために用意していた貯金が底を突き、ローリーは一文無しであることを知ります…それが原因で夫婦の間に徐々に溝ができ始め、ついには最悪の事態を迎えるのでした…

2019年製作/107分/イギリス
原題:The Nest

『不都合な理想の夫婦』のスタッフとキャストについて

ショーン・ダーキン監督:カナダ出身の映画監督

ジュード・ロウ(ローリー・オハラ):野心溢れる貿易商、アメリカでの成功に限界を感じ、イギリスに戻りもう一旗揚げる事を目論む、家族共々イギリス・ロンドンに移住することを決意する。やる気満々ながら、イギリスでの雇い主からはその大きな野心を煙たがられてしまう…

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キャリー・クーン(アリソン・オハラ):ローリーのアメリカ人の美人妻、乗馬スクールのコーチをしている。イギリスの生活が馴染めず悶々として暮しています。パーティなどで言葉を飾らず、真実をポロッと口に出してしまうところがあり、周囲をドン引きさせる取り返しのつかないケースが多々あります。

長編映画初出演作「ゴーン・ガール」でベン・アフレック演じる主人公の双子の妹マーゴを演じています。

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『不都合な理想の夫婦』のネタバレ感想・見どころ

少しだけネタバレ有り

超野心家で、実力も経験もありアメリカでは大成功を収めていたにも関わらず、イギリスに戻り急に人生の歯車の回転が狂い始めます。一言で言えば脇が甘過ぎるのでしょうが、家族や会社の同僚、顧客に対する思いやりにかなり欠けているところがそもそもの、主人公ローリーの不幸の始まりという気がします。

イギリス・サリーの賃貸している豪華邸宅はびっくり仰天の広さと格式(古風な年代もの)さすが英国と思わず唸りました。日本でブームの”古民家”とは桁外れでした。執事・メイド・庭師が何人もいなければとても維持できない大きさです。

ところが一銭残らず有り金を使い果たし、女房アリソンにお金を無心していました。彼女は仕方なく、周辺の屋敷で家畜の世話をする”アルバイト”を見つけ日銭を稼いでいる始末にはびっくり仰天。そのこと(彼女曰く”豚小屋そうじ”)を同僚・クライアントとの食事の席でぶちまけていました…

ジフテリアで愛馬が突然斃れてしまいます。アリソンはかなりのショックを受けていました。イギリスへ来たのがそもそも間違えだったとはっきりと気付きますが、既に時遅しです。本作は”心理スリラー”と謳っていますが、一体この後どうなってしまうのかと結末に目をふさぎたくなる様な”事件””事態”は次々と起こりはするものの、心配するような最悪の事態には至らないのでご安心を…

主人公ローリーのカラ回りの一人芝居は本当に見兼ねる事ばかりです。多分、皆さんの周囲にも大なり小なり似たような人物は一人か二人はいるのではないかと思います。自信過剰、唯我独尊、苦労もそれ程なくのし上がってしまったので、その地位とお金を失うのも早過ぎました。しかし、ローリーにはまだ、妻と子供が残っているので、もう一度一からやり直せるチャンスはあると信じたい。

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