『私の中のあなた』のネタバレ感想・見どころ
実に重たい映画の内容にびっくり仰天。重度の白血病を患う幼い娘の命を救う為、臓器提供(ドナー)として妹を産むという選択は倫理的に如何なものなのかずっと考えさせられました。わたしの意見としては人間として、決して許されない行為ではないかと思います。イシグロカズオの小説でも同じような内容が取り上げられるケースが多いです。ということはこれは近未来の空想の話ではなく、実際の”現実”の世界として描かれているとしたら驚きです。
また、ドナーとして生まれた妹アナが自分の運命について知った時、冷静沈着な態度でいられる筈はないと考えました。ネタバレになりますが、彼女は姉ケイトと良く”相談”の上で弁護士に相談し、母親の言いなりのまま『臓器提供を断固拒否する』為、母親を裁判所に訴えるという強行手段に出ます。それにはそうした深い理由があるのでしたが…それにしても自我に目覚めるであろう思春期を迎えたばかりの少女が、知るには余りに”過酷”な自分の運命!この話は絶対に現実にあり得る話ではないと考えざるを得ません…
勿論、キャメロン・ディアスの娘に愛情を注ぎ込む母親役の大熱演、10代の姉妹を演じる若い女優らの真摯な名演技に驚嘆させられました。しかしながら、イマイチ現実感に乏しい(こんな状況<臓器提供を目的に子供を産む>は起こりえないと信じたい気持ちが強い)内容にかなり違和感を覚えてしまいます。
さて、皆さんのご意見は如何でしょうか?
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『私の中のあなた』のあらすじと概要
白血病の姉・ケイトを救うために、ドナーとして作られて産まれた11歳の妹アナは、ある日突然、「自分の体のことは自分で決める」と臓器提供を強いる両親を相手に訴訟を起こしますが、いったい何故、アナは突然大好きな姉を救うことをやめる重大な決意をしたのか? その裏にはある思いが隠されていました……。ジョディ・ピコーのベストセラーを、「きみに読む物語」のニック・カサベテス監督が映画化。主演は自身初の母親役となったキャメロン・ディアス、アナ役に「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン。
2009年製作/110分/アメリカ
原題:My Sister’s Keeper
『私の中のあなた』のスタッフとキャストについて
ニック・カサベテス監督:感動映画の名手。俳優として活躍する一方、「ジョンQ 最後の決断」(02)や「きみに読む物語」(04)などの監督作品があります。
➢古い言葉「比翼の鳥」「連理の枝」など仲の良い夫婦を現す言葉の通り、映画『きみに読む物語』の主人公二人もすごく幸福な人生を送る!
キャメロン・ディアス(母親サラ):ほぼノーメイクで母親役を演じたという。(なお、母親役を演じるのは本作が初めて…)重度の白血病に侵された長女の看病に全てを捧げる母親役を熱演。長女ケイトに対する深い愛情の余り、トナーとして生まれた次女を犠牲を強いる事になります。
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アビゲイル・ブレスリン(ドナーとして作られた妹アナ):愛する姉の為とはいううものの、幼い少女が身を削る苦しい思いをしている事は余りに哀しい運命を背をわされることになります。許されざる”暴挙”と感じてしまいましたが…
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