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おすすめ映画『ある愛の風景』(2004/スサンネ・ビア監督)感想‣予期せぬ出来事によって揺らぐ日常を通して、人間を深く掘り下げる

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『ある愛の風景』のネタバレ感想・見どころ

戦争という常軌を逸した世界の悲惨さを目の当たりにして言葉を失いました。本作は強烈な反戦映画でもあると思います。戦場に立った兵士の人生を狂わせてしまう事、その家族に与える深刻な影響についても想いを新たにする強烈なメッセージを感じました。一方、平和国家を旗印としていた日本は戦闘機の輸出国へと舵取りしようとしています。戦争を二度と繰り返さないという事よりも”金儲け”の方が大事ということなのでしょうか?日本ではん、戦争を経験したことの無い人間(ほとんどがそうだと思いますが)が、決めている事なので”平和”の有り難さが分からないのも当然なのかも知れません。軍縮の方向に舵を取るべきだと思います…

アフガニスタンで不幸にも敵の捕虜になってしまった夫ミハエルは”地獄”を経験します。その後、味方によって無事救出されますが、帰国後彼は以前の彼とは別人の様に変わり果ててしまいます。家族に冷たく当たり、妻サラと弟ヤニックの”関係”を疑り始めます。その後、家庭な暴力はエスカレートして行きます。

これら映画の内容も、デンマーク初め戦場に出兵兵士を送り出している国々が共通に抱える問題の一部なのではないかと思います。現実に向き合う兵士、その家族、映画から受ける印象が余りにリアルで強烈で驚きました。一人でも多くの日本人にもこの現実に目を向けて欲しいと思います。

『ある愛の風景』のあらすじと概要

「アフター・ウェディング」が06年アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、一躍注目を集めたデンマークの女性監督スサンネ・ビアが「アフター・ウェディング」の前に手掛けた作品で、ハリウッド・リメイクも決まったヒューマン・ドラマ。

国連軍のエリート兵士のミカエルは美しい妻サラと2人の娘を残し、戦地アフガニスタンへ赴きます。両親の自慢の息子でもあるミハイルと比べ、仕事にも就かず、ついに銀行強盗で捕まり服役までした弟ヤニックは家族の中で孤立していました。弟ヤニックが刑務所から出所し、兄の家に厄介になります。

戦禍のアフガニスタンに着いたミハイルは早速、行方不明になった無線技師の救助に向かいますが、途中で彼の搭乗する飛行機は撃墜されてしまいます。故国の家族の元にミハイルの死が伝えられることになります。突然の悲報に打ちひしがれる一家。遺体のない葬儀も済み、妻サラもようやく夫の死を受け入れ始めます。それまでトラブルばかり起こしていた弟ヤニックに、大きな変化が現れ、残された兄家族を支えるうち、次第にサラと心を通わせていきます。しかしそんな時、ミハイルがアフガニスタン側の捕虜になっており、救出されたとの知らせが飛び込んできます。

ところが戻ってきたミハイルは戦争の精神的な後遺症に病み、別人のようになっていました。ヤニックとサラの仲を疑ったり、子供達にも厳しく当たるようになってしまいます…

2004年製作/117分/デンマーク
原題:Brodre

『ある愛の風景』のスタッフとキャストについて

スサンネ・ビア監督

コニー・ニールセン(妻サラ): 二人の娘と夫の帰りを待つミハエルの妻、本作ではデンマーク・アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得しています。/デンマーク出身の女優。リドリー・スコット監督のアカデミー賞受賞作「グラディエーター」(00)でヒロイン役に抜てきされ、国際的な注目を集めています。

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ウルリッヒ・トムセン(夫ミハエル):行方不明の通信士救出のために向かうが飛行機が敵にゲキツされてしまう。九死に一生をえるものの捕虜として捉えられてしまい、大きな精神的なダメージを受けることになります。無事敵地から生還を果たすものの、精神的な安定さが欠落し、妻や娘たちに辛く当たる

ニコライ・リー・カース(弟ヤニック):優秀な兄にいつも比較されて育ち、常に劣等感を感じています。兄が戦死したという知らせを受け、残された兄家族の面倒を見る内に兄嫁サラに対する恋心が目覚めてきます。

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