『ハッピー・ゴー・ラッキー』のネタバレ感想・見どころ
あまり詳しくはありませんが、イギリス人気質からしたら主人公ポピー(サリー・ホーキンス)の言動は一般的なイギリス人とは真逆で、天真爛漫、天衣無縫、周囲をぱっと明るくしてしまう素晴らしい性格の女性でした。多分悩みなど全く無いし、あったとしても一晩寝れば忘れてしまう程の大物ぶりには驚きました。
冒頭、そんな彼女が自転車を盗まれました。ほんの数分間の隙に無くなっており、「あいさつ」も出来なかったと悔しがります。自転車は諦め、自動車を運転する事にし、運転教習所ではなく、運転技術のインストラクターに学ぶ必要からスコット(エディ―・マーサン)と出会います。彼はポピーと対象的に、性格が直情型で、自分にも他人にも非常にきびしい人物として描かれます。劇中ポピーが10年間も女性と一緒に暮している事を打ち明けると、スコットは恐らくレスビアンであると勘違いしたに違いありません(彼の思考のなかでは、恐らく同性愛者は理解の外の存在でした)淡い恋心を抱いていましたが、風前の灯…ところが、本編のラストでポピーには異性の恋人らしき存在を目にします。
周囲に皆に明るさを振り撒く女性ではありましたが、こと恋愛に関してはあぶれた人間にとっては彼女の明るさも逆効果になってしまいとても残念な結末を迎える事になります…それにしても、驚いたことに、スコットはポピーの髪の毛を掴んで振り回します(刃傷松の廊下か! ちょっとやり過ぎでは…)
『ハッピー・ゴー・ラッキー』のあらすじと概要
カンヌ、ベルリン、ベネチアの世界3大映画祭の受賞作を中心に、各地の映画祭で話題になりながらも日本未公開だった作品を一挙上映する「三大映画祭週間2011」にて上映された作品です。
ポピー・クロス(サリー・ホーキンス)は楽天的な30歳。全てにおいて、とても熱心で前向き、生き生きとした小学校の低学年向けの女教師です。昔からの親友のゾエ(アレクシス・ゼガーマン)とルームシェアで暮らし、妹の一人とは仲がいいですが、もう一人とはそうでもありません。彼女は厳しい自動車運転免許インストラクターのスコット(エディ・マーサン)に運転を習ったり、情熱的なスペイン人のフラメンコ講習を受け、夜にはホームレスに出くわしたり、ソーシャルワーカーの助けを借りて、学校の教室内で乱暴者の生徒を諫めたりと八面六臂の活躍して人生を謳歌していました。そんな彼女の開けっぴろげな行動が見る者に何か誤解を生んだり、もっと悪い事態に嵌ったりしないかと首をかしげさせますが、心配無用!彼女は全てを受け入れ、前向きに生きていきます…。
「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」のマイク・リー監督が手がけ、主演のサリー・ホーキンスが2008年・第58回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(女優賞)を受賞。ゴールデングローブ賞や全米批評家協会賞などなど、全米の賞レースでも大変話題になった作品です。
2008年製作/118分/イギリス
原題:Happy-Go-Lucky
『ハッピー・ゴー・ラッキー』のスタッフとキャストについて
マイク・リー監督:「秘密と噓」(96)で同映画祭の最高賞パルムドール。その後、「ヴェラ・ドレイク」(04)ではベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞し、英国を代表する映画監督として知られています。あらかじめ決まった台本を用意せず、現場で俳優たちと即興でせりふをつくる独自のスタイルを持ちます。
サリー・ホーキンス (ポーリン・”ポピー”・クロス):天真爛漫な開けっ広げな性格で周囲の人間を明るくしてしまいます。底抜けに明るい為、一部の人間からは奇異の目で見られてしまう事があります。
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エディ・マーサン (スコット):週一回自動車の運転技術を指導する教官(英国の運転免許取得制度がどうなっているのか分かりませんが、仮免許を取得して路上講習を受けている人の講師役)正義感に溢れる人物で、自分が正しいと思った意見をその場で主張する直情型タイプ、ポピーを心の底では好いているが言葉に出しては言い出せずにいる。ポピーの恋人出現に怒り狂い、心の動揺をつい言動に出してしまう…
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