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おすすめ映画感想|『ホモ・サピエンスの涙』ロイ・アンダーソン監督が全人類に贈る33編の珠玉のショートストーリー

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『ホモ・サピエンスの涙』の概要

 

「さよなら、人類」などで知られるスウェーデンの奇才ロイ・アンダーソンが、時代も性別も年齢も異なる人々が織りなす悲喜劇を圧倒的映像美で描き、2019年・第76回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した作品。

この世に絶望し信じるものを失った牧師、戦禍に見舞われた街を上空から眺めるカップル、これから愛に出会う青年、陽気な音楽にあわせて踊る若者……。アンダーソン監督が構図・色彩・美術など細部に至るまで徹底的にこだわり抜き、全33シーンをワンシーンワンカットで撮影したもの。各物語ごとの関連性は一切無いようにみられる。

その中でも、敗北を悟った瞬間のヒトラーや、兵士によって支柱に縛られ、命乞いをする男、吹雪の中、シベリアの捕虜収容所に向かって歩いてゆく軍隊の隊列を映し出す光景などには、戦禍の時代であった20世紀という歴史上の一齣のリアルな再現が見られる。一方で、廃墟と化した都市の上空を抱き合ったカップルが飛翔している、マルク・シャガールの名画「街の上で」に想を得たファンタスティックな逸話も忘れがたいシーンが多数。

「千夜一夜物語」の語り手シェヘラザードを思わせるナレーションに乗せ、悲しみと喜びを繰り返してきた不器用で愛おしい人類の姿を万華鏡のように映し出す作品。

 

『ホモ・サピエンスの涙』のスタッフ他

ロイ・アンダーソン監督:1970年に長編『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』で映画監督としてデビュー。第20回ベルリン国際映画祭でインターフィルム賞をはじめとする4つの賞を受賞した。しかし、長編2作目となる『Giliap』(1975年)が興行的にも批評的にも失敗したことから、その後25年間長編映画を製作しなかった。

本作品は、CG全盛の時代にCGはほぼ使わず、野外撮影ではなく巨大なスタジオにセットを組み、模型や手描きのマットペイント(背景画)を多用するというアナログにこだわった手法で驚きの傑作を生みだしてきたという。

『幸せはほんの一瞬でも、永遠に心に残り続ける―。人類には愛がある、希望がある。だから、悲劇に負けずに生きていける。悲しみと喜びを繰り返してきた不器用で愛おしい人類の姿を万華鏡のように映したアンダーソン監督渾身の傑作』(同映画オフィシャルサイトより抜粋)

『ホモ・サピエンスの涙』の感想

見る人の感性に訴えかけるような映像とナレーション、どの場面も無駄が無くしっくりととても落ち着いた場面となっています。不思議な映画作りがあったものだと関心します。まるで名画を一枚一枚鑑賞する様な気分になってきます。この映画は一体いつまで続くのかと思える長い時間を映画館の席で過ごす事になりますが、全部で33篇と聞きさすがに驚きました。すべてのシーンがほとんど関連性が無いので、ひとつひとつ場面を設定していかなければなりません。裏方の膨大な仕事量、費やした時間も相当なものになっていると思います。

この映画は解説よりも、実際劇場に足を運び、自分で観賞し体感する以外に理解する方法がないと思いました。

最後に

代表作『さよなら、人類』については、面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンのサムとヨナタンは、行く先々で様々な人生を目撃します。ワインを開けようとした男が心臓発作を起こして絶命するが、妻はそれに気がつかない。また、臨終寸前の老女は宝石が詰まったバッグを天国に持って行こうとして手放さない。一方、18世紀のスウェーデン国王率いる騎馬隊が、現代のバーに現われる。ブラックでシュールなエピソードの数々が、細部まで緻密に計算され尽くした絵画のような不条理な物語を39シーンで語られるという。やはりこちらでも、細切れシーンの積み重ねで、ロイ監督の思いを観客に訴える趣向の映画の様です。機会を見て是非こちらの作品も観賞してみたいと思います。(まだ観賞していません)

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