映画『博士と彼女のセオリー』のあらすじと概要
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を抱えながらも最先端の研究に励み、現代の宇宙論に多大な影響を与える車椅子の天才科学者スティーブン・ホーキング博士の半生と、博士を支え続ける妻ジェーンとの愛情を描き、ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインが第87回アカデミー賞で主演男優賞に輝いたヒューマンドラマ。
ジェーンが記した自伝を原作に、ドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー」でアカデミー賞を受賞したジェームズ・マーシュ監督がメガホンをとった。妻ジェーン役は『ビリーブ 未来への大逆転』のフェリシティ・ジョーンズ。
物理学の天才として将来を期待される青年スティーブン・ホーキングは、ケンブリッジ大学在学中、詩を学ぶ女性ジェーンと出会い、恋に落ちる。しかし、直後にスティーブンはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。余命2年の宣告を受けてしまう。それでもジェーンはスティーブンと共に生きることを決め、スティーヴンの親も反対するが、2人は結婚し、力を合わせて難病に立ち向かっていく生活を描出する。
2014年製作/124分/イギリス
原題:The Theory of Everything
映画『博士と彼女のセオリー』のスタッフとキャストについて
ジェームス・マーシュ監督:ドキュメンタリー作品で評価を高め、仏大道芸人フィリップ・プティが米ニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワー間を綱渡りした様子に迫った「マン・オン・ワイヤー」(08)では、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞している。
エディ・レッドメイン(ホーキング博士):ブーリン家の姉妹」(08)といった歴史ドラマをはじめ、米国の作品にも参加する。「マリリン 7日間の恋」(11)で注目を集め、ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」(12)のマリウス役でブレイク。
本作品では徐々に難病ALSに冒されていく痛々しい姿の演技が見事な熱演だった。アカデミー賞主演男優賞を獲得している。
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フェリシティ・ジョーンズ(妻ジェーン):11年の「今日、キミに会えたら」(日本劇場未公開)の演技でサンダンス映画祭の特別審査員賞を受賞した。
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映画『博士と彼女のセオリー』のネタバレ感想
献身的な愛情を博士に捧げる妻ジェーンの姿には驚きました。余命2年の宣告を受けた博士との結婚を決意します。この人と結婚することが自分の運命であるという事を悟っていたのかもしれません。多分一切の迷いの入り込む余地の無い彼女の決断だったと思います。
ホーキング博士の偉大な才能にも驚きましたが、不幸にも難病に冒されながらも頭脳だけはいつまでも明晰でした。身体が不自由で自分ではどうする事も出来ない車いす生活、すべて介護してくれる人に頼る生活は本当に辛いと思います。献身的な人に100%頼らざるを得ない苦しさは本人以外に理解出来ないと思います。そんな中でも家族と過ごし、世界レベルでの学問の研究に貢献する努力を継続するモチベーションを保つことは超人的な思考力を持っているばこそ可能だったのでしょう。
そんな中、ジェーンは教会の聖歌隊への参加が切っ掛けで1年前に妻を病気で亡くしたばかりのジェイソンと知り合い、家族ぐるみの付き合いが始まります。世間から見れば、良くない憶測を生むような二人の交流があった様に思われますが、本作品中では少しぼかされています。しかし、キャンプ地での密会は決定的でした。この心の『ゆらぎ』人間として十分理解出来ます。決して誰も攻める事は出来ないと思います。ホーキング博士自身も理解しているのではないかと思いました。
しかしながら、献身的なジェーンが脇にいながら、博士が介護の女性に心を移していく姿も描かれており、若干違和感を感じました。しかし、それも博士の人間的なところを良く表している様で自然に受け入れられました。
最後に
ホーキング博士は数々の名言を残しています。
中でも好きな名言はこちらです。
なぜ宇宙は存在するのか? 「もしその答えを見つけたなら、人類の理性による究極の偉業になるだろう。神の心を知るわけだから」――「ホーキング、宇宙を語る(A Brief History of Time)」から
このような問題を日々かんがえていたんでしょうか!
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